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共に歌いあう者の中に 検非違使尉(けびいしのじょう)の信忠がいます。 信忠は長年の弟子でもあり 千日の今様の歌いの折にも 共に歌いあっ た者です。 信忠は おおかたは習ったというような歌は数多くあったし 足柄をさはの あこ丸に習っていたので そのまま大曲の今様もあこ丸に習う方が良いと 思って後には教えなくなりました。 源仲頼という 千日の今様の歌いで全て歌い通した者がおります。 仲頼は 私より先に今様を歌いはじめているし 私と同じくらいには歌う事 ができるので あまり歌を教えることはありませんでした。 長年 私が今様を歌う時 それに声を添えて歌っておりましたので 声量 はありませんが 声高く歌うような歌いは 悪く聞こえる事はありません。 文字、言葉など歌の歌詞が よく聞き取れないといったような事は 後々 は聞き取れるようになるに違いないでしょう。 貞清も長年 私の歌いに声を添えて歌っておりましたけれど とても歌い が上手で ささなみの歌いの流儀を伝えております。 ちょっと寄り集まっては いつも連れだって歌っておりますので 少しは 私の歌いを聞き取って歌うこともあります。 |
・‘千日の今様の歌い‘ 「2 今様に心を注ぐ日々を過ごすこと」の中にある 千日続けての歌の 稽古の事です。 ・仲頼や貞清が院の歌いに声を添えて歌う事を本文では‘伴僧(ばんそう)‘ と書いてあります。 もともと伴僧と言うのは 仏事儀礼の時、導師に伴う僧侶の事で ここで は院の歌いに伴う事の意味に使っています。 |