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| 国立大劇場 11:00開演 3階上手よりの席 |
*唐茄子屋(とうなすや) 一幕六場 徳三郎:嵐芳三郎 伯父六兵衛:村田吉次郎 女房おとめ:いまむらいづみ 後家おたね:今村文美 大工留五郎:藤川矢之輔 糸問屋伊勢屋の一人息子・徳三郎は放蕩の末に勘当になる。 小言を言っても少しも聞こうとしない徳三郎に六兵衛は唐茄子売りをさせることにする。 徳三郎は唐茄子の入った重い天秤棒を担いで歩くが、唐茄子は全く売れず貧乏長屋に迷い込んでしまう。 そこへ長屋に住む大工留五郎が通りかかり、唐茄子が売れないと嘆く徳三郎の様子に同情し長屋中に声をかけてくれる。 留五郎のおかげで唐茄子が売れた徳三郎は、長屋に暮らす後家おたねの家で弁当を食べることにする。 しかし、母子の貧しい様子を見て、弁当と売り上げを置いて帰る。 六兵衛の家に戻って事の次第を話す徳三郎だか信じてもらえず、六兵衛と徳三郎は二人で長屋へ出かけ確かめる事にする。 二人が長屋に着くと、首を吊りかけたおたねが介抱されていた。 徳三郎にもらった金を家主に店賃の足しに取り上げられてしまい、これを苦にしての事だった。 これを聞いた徳三郎はおたねを励まし、自分も世間の事をいろいろ知ることができたのでこれからは心を入れ替えて真面目に働くと言う。 心が入れ替わった徳三郎を見て六兵衛は家・伊勢屋に帰るように言うが、徳三郎は、しばらく唐茄子売りをしたいと言うのだった。 *創立八十周年記念 口上 一幕 *秋葉権現廻船噺(あきはごんげんかいせんばなし) 三幕七場 日本駄右衛門:嵐圭史 月本円秋:武井茂 月本始之助:高橋佑一郎 玉島逸当:山崎竜之介 妻松ヶ枝:山崎辰三郎 小森新吾右衛門:渡会元之 月本裕明・小雷の長六:藤川矢之輔 牙のお才:河原崎國太郎 早飛 実は 奴浪平:中嶋宏幸 松村監物:益城宏 玉島幸兵衛:嵐芳三郎 久留米信濃之助:中村梅之助 序幕 第一場 島原街道の場 月本家家老・玉島逸当は、お家の重宝であり後継ぎの月本始之助婚礼の結納の品である紀貫之自筆の古今集を盗んだ日本駄右衛門と出くわす。 腕の傷を咎められ逃げる日本駄右衛門に玉島逸当は小柄を投げるが、日本駄右衛門はこれを受け止め、この場を去る。 第二場 月本館の場 重宝紛失について、主・月本円秋らが話し合うところへ、牙のお才が引き立てられてくる。 お才は、先刻の小柄を利用して日本駄右衛門が玉島逸当を陥れるために書いた手紙を差し出す。 ここへ、月本始之助の婚礼の相手である東山家の使者・松村監物が結納の品である古今集を受け取りに来る。 玉島逸当は紛失した古今集詮議のための猶予を願う。 一同がこの場を去ると、後に残った月本裕明はお才から日本駄右衛門の密書を受け取り、お才を殺害しようとする。 裕明の家来がお才と争っているところへ、逸当に仕える奴浪平がお才を追って現れる。 裕明は浪平も斬ろうとするが、争う拍子に先刻の密書を落とし、浪平が拾ってこの場から逃げ去る。 第三場 月本家奥座敷の場 家老・玉島逸当は切腹し、浪平が密書を届けたことから、東山家の使者・松村監物は古今集詮議のために百日の婚儀日延べを許す。 逸当は密書を主・円秋に渡すように言い残す。 第四幕 元の月本館の場 東山家の上使に化けた日本駄右衛門がやって来て円秋に切腹を言い渡すが、逸当の妻・松ヶ枝が先刻の密書を持参し計画がばれる。 しかし、裕明が軍勢を率いて館を取り囲み、円秋は日本駄右衛門に討たれ密書は奪い取られる。 第二幕 第一場 廓玉屋の場 月本裕明はお才が女主人の廓・玉屋に傾城・花月が目当てで遊びに来ている。 一行が奥へ行ったところへ玉島逸当の弟・玉島幸兵衛が六部姿でやって来る。 お才は幸兵衛の女房だったので、偶然の再会に二人は喜ぶ。 さらにここへ物乞い姿で月本始之助と松ヶ枝がやって来て、お家断絶の危機以来の主従の再会となる。 しかし、始之助と松ヶ枝がお才を見咎め お才が日本駄右衛門の手下であることが幸兵衛に知れる。 第二場 玉屋奥座敷の場 日本駄右衛門は古今集の一巻を手下の早飛に預ける。 そこへお才と幸兵衛が現れ立ち回りとなるが、幸兵衛は鳥眼なので暮六ツの鐘が鳴ると眼が見えなくなってしまう。 日本駄右衛門は幸兵衛を取り押さえると刀傷を治すために幸兵衛の腕に焼け火箸を押し付けて脂を取る。 刀傷が治った日本駄右衛門はこの場を去り、お才は兄・小雷の長六の口車に乗ったふりをして幸兵衛に斬られる。 ここへ早飛、実は奴浪平が古今集を持って駆けつけ、日本駄右衛門は足柄山に居ると告げる。 秋葉権現の加護で鳥眼が治った幸兵衛は裕明を討つ。 大詰 足柄山の場 日本駄右衛門と始之助、幸兵衛、浪平、軍兵が立ち回りとなる。 ここへ久留米信濃之助が現れ日本駄右衛門を取り押さえる。 |
*唐茄子屋 「唐茄子屋」は1958年(S33)年初演の舞台で、落語を脚色した舞台です。 気軽に見ることのできるお話しかと思いますが、気軽過ぎてチョッと物足りないかもしれません。 定式幕を使っていましたが、歌舞伎の世話の雰囲気では無いように感じました。 (まあ・・・いつも見ている歌舞伎と比べて っと、いうことですので これも世話なのだと言われれば、そうなのでしょうけれど・・・) これは舞台に女性が居たとかそういう事ではなくて、間(特に台詞の間)が違っていたように感じました。 あまりご縁の無かった前進座ですが ず〜っと以前(20年くらい前?)に拝見してお名前を覚えました、いまむらいづみさんと藤川矢之輔丈を再見できまして嬉しかったです。(^^ゞ それと、今回の舞台で徳三郎をお勤めになられた嵐芳三郎丈が、柔らかなボンの雰囲気があり、良いと思いました。 ただ・・・遊郭通いがもとで勘当されるにはチョッと子供っぽいかもしれません。 なんでしょうね〜・・・やはり ‘艶っぽさ‘ が足りないのでしょうか・・・。 *創立八十周年記念 口上 前進座創立八十周年ということで、口上がございました。 中村梅之助丈他、第二世代の皆様 藤川矢之輔丈他、第三世代の方々がずらっと並んでの口上でした。 歌舞伎役者さんとそうでない役者さんがいらっしゃる・・・おもしろいです。 *秋葉権現廻船噺 「秋葉権現廻船噺」は竹田治蔵作、1762年(宝暦12)大阪で初演された歌舞伎狂言です。 お家騒動に絡んで日本駄右衛門の極太な悪を見せる舞台です。 筋書きを読みますと、この舞台は松竹では上演された事が無く、前進座でも1934年(S9)に初演、翌年まで上演され、それ以後は上演されていないのだそうです。 それなりに前回の前進座公演の資料が残っていたようですが、76年ぶりの上演ということで、演出や下座なども新たに考え直されて復活狂言に近い成り立ちのようです。 なお、今回は「序幕第一場島原街道の場」は預かりということで上演されていません。 お話的には、もう少し整理せれていた方が内容がよく分かるし盛り上がりも出ると思いました。 面白いのですが ‘筋を追っている感が強く‘ 舞台が長く感じます。 例えば、「序幕第四場元の月本館の場」は日本駄右衛門の登場なのに多くの内容を詰め込んでいて、あらすじを追うような展開でしたし 「第二幕第一場玉屋の場」では、盗賊の手下・早飛が奴浪平であるとかお才が女主人であるとか、イマヒトツ成り行きが分かり辛かったり 「第二幕第二場玉屋奥座敷の場」の小雷の長六は、お話しの展開のためとはいえ、あまりにも唐突で手前味噌だったり(歌舞伎ですから唐突なのはしかたないのかもしれませんが ‘どちら様?‘ っと、いう感じです) 繋ぎ繋ぎでお話しが進みメリハリが少なく感じます。 それと、脂を取るところのスポットライトは似合わないと思いました。 に、いたしましても・・・傷によく効く脂って・・・ 一瞬、蝦蟇の油を思い出してしまいました。(笑) また、どの役者さんにも重きを置くようなやり方なので どこが芯になるのか分かり辛かったです。(っと、申しますか 歌舞伎は看板役者が中心になるモノですので、みんなが目立つと舞台全体がボヤケルのはしかたないかもしれません。) 例えば善悪の場合 善の月本円秋と月本始之助と玉島逸当と玉島幸兵衛 悪の日本駄右衛門と月本裕明 皆さまわりと均等にご活躍で、メインになる部分がなくてお話しが単調に感じます。 月本円秋は主としてハラが据わっていて大きく見え、月本始之助は艶っぽくて若さゆえの勢いもあります。 玉島逸当は家老としての重みがあり 玉島幸兵衛は優しさ真面目さが伝わります。 皆さまそれぞれ良いと思うのですが 均等に良いので(笑)メリハリが少ないです。 特に、日本駄右衛門と月本裕明が同格に感じられ、見ておりまして盛り上がりに欠け舞台が軽く感じました。 っと、申しますか・・・日本駄右衛門が、ハラが太くて憎々しいですが悪のガッツリ感が少ないので、「第二幕第二場玉屋奥座敷」で月本裕明が斬られ幕が閉まったところでENDと思ったくらいです。(^_^;) 再び幕が開いて足柄山の場になったので ‘あ〜・・・そうか、日本駄右衛門がまだ残っていたんだっけ‘ っと、存在を思いだしました。 まあ・・・誰もがメインというのが前進座のやり方なのかもしれませんけれど・・・。 大詰の立ち回り とんぼを返ったのは確か3回 こういう立ち回りも‘あり‘なんだ〜 っと、思いましたが でも、ちょっと寂しい感じです。 で・・・梅之助丈は口上でも久留米信濃之助でも、TVで拝見した頃と声や台詞の感じが同じで懐かしかったです。(^^ゞ 嵐圭史丈の日本駄右衛門にはもっとガッツリした重みと悪の艶が欲しいです。 また、顔の拵えが時代の日本駄右衛門にしては物足りないと感じました。 それと、見得で決まる度に‘ハーッ‘っと唸るのはいかがなものでしょう・・・。 嵐芳三郎丈と河原崎國太郎丈、お二人とももう少し艶っぽさが欲しいと思いました。 ですが、この舞台で一番印象に残ったのは嵐芳三郎丈だったりいたします。 芯があって良いと思いました。 それと、山崎竜之介さんと中嶋宏幸さんが目を引きました。 全体には、ガッツリ感の少ない軽めの展開で 面白く見ることはできますが歌舞伎と申しますより普通の新劇に近い舞台運び(間)であると思いました。(はじめは若手花形歌舞伎っぽいな〜 っと、感じたのですが 見ているうちに‘間‘が歌舞伎より新劇っぽいと思いました。) それから、幕切れ前に絵面に決まるところですが ここ、日本駄右衛門は二段ではなくて三段に上がって決まっていました。 |