2008年07月21日           もくじへ戻る トップページへ戻る 
    国立大劇場 14:30開演   一階後方中央の席

  *解説 歌舞伎のみかた

  *義経千本桜 河連法眼館の場
    一幕


解説 歌舞伎のみかた
 解説:宗之助

 忠信:蝶十郎
 静御前:京紫

下記の感想欄に簡単な流れが書いてございますのでご参考くださいませ。





義経千本桜 河連法眼館の場
 佐藤四郎兵衛忠信・源九郎狐:歌昇
 源九郎判官義経:種太郎
 亀井六郎重清:宗之助
 駿河次郎清繁:幸太郎
 河連法眼:橘三郎
 飛鳥:京蔵
 静御前:高麗蔵


  あらすじはこちらでどうぞ





21日に行きました国立大劇場「義経千本桜 河連法眼館の場」の感想など書かせていただきます。
今回の観劇は私1人ではございませんで 子供3人を連れて行きましたので、かなりヘトヘトになって帰宅したのですが 舞台に集中したい私には幸運にも(笑)、GETできたチケットの席が4席とも場所がバラバラで 観劇中に全く子供を気にすることが無かったので(気にしたくても子供の姿が見えませんので) 子連れで出かけたわりにしっかり舞台を見る事ができました。(^^ゞ

で・・・今月は歌舞伎座でも「義経千本桜」を上演しておりまして 「河連法眼館の場」に関しては澤瀉屋型と音羽屋型の違いはございますが 同じ内容の舞台を上演しています。
とりあえず それなりに(^^ゞ どちらも拝見いたしましたが 「河連法眼館の場」については スミマセン、私は国立に一票です。(^_^;)

まず全体には 「義経千本桜」は義太夫狂言ですので、台詞や所作も含めて全体の流れの間が良いと思いました。
これは歌昇丈ももちろんですが 種太郎丈、高麗蔵丈、京蔵丈など全体のアンサンブルがとても良いのだと思います。
上手く書けませんが・・・何と申しましょうか・・・義太夫狂言としての平均点が高い感じ あるいは、出演者全てが義太夫狂言を意識して演じている雰囲気を感じる 「義経千本桜」の「河連法眼館の場」を見たと思える舞台です。
客席も含めて ホントニ!良い舞台です。



「義経千本桜」の全体のおおまかな流れは、こちらの感想欄をご参考くださいませ。



☆「義経千本桜 河連法眼館の場」
前後いたしますが 初めに「義経千本桜 河連法眼館の場」の感想を書かせていただきます。
「義経千本桜」は1747年初演 (二)竹田出雲、三好松洛、並木千柳、合作の人形浄瑠璃から移された舞台です。
今回の舞台は、全五段の中の四段目にあたり 富十郎丈監修の音羽屋型の舞台です。
ですので 宙乗りなど、より見た目に派手な演出はございません。


幕開き、舞台は河連法眼の館 舞台二重で京蔵丈・飛鳥が出迎えるところに、花道からの出で橘三郎丈・河連法眼が帰宅するところから始まります。
今回の舞台では、導入部分になりますが 河連法眼の戻りから始まり、飛鳥のくだりがございますので より状況が緊迫していることが分かります。
橘三郎丈・河連法眼、京蔵丈・飛鳥どちらも品があり良いと思います。
また、京蔵丈・飛鳥は 落ち着いた雰囲気が舞台全体に重みを感じさせ さらに、台詞のたっぷりした感じ、間が良いと思いました。

河連法眼と飛鳥の話の後、舞台奥から種太郎丈・義経の台詞「法眼、帰りしか」っと聞こえます。
この一番初めの台詞で‘ほ〜!‘っと、思いました。
まだ姿は見えないのですが 台詞は若い声ですが雰囲気・間はちゃんと義太夫狂言の台詞に聞こえました。
舞台に出たところの見た目はとってもお若いのですが・・・って、本当にお若いので しかたないのですが(笑)・・・きっちりお勤めで、大健闘だと思います。
じつは 種太郎丈、まだお若いので どうなのかしら?っと、思っていたのですが 若くて安定していないところはございますが 台詞も声が裏返ったり、かすれて聞きづらい事はなく 全体の雰囲気も、間がしっかり義太夫狂言の間になっていると思いました。
お役に対する篤みは年齢や経験もございますので 平成元年生まれですから これから期待してしまいます。(^。^)

舞台に義経が出たところで 竹本の呼びから、歌昇丈・忠信が花道から出ます。
今回は子供を連れて行きましたので 私にしては珍しく1階席で(笑) 歌昇丈・忠信が鳥屋を出たところからしっかり見る事ができました。
出のところから とっても大きく、場内がキリット引き締まる感じがするのですが 圧倒するような威圧感ではなく 雰囲気に‘情‘がにじみ出るような感じです。
まず、花道七三までのゆっくりした歩み 七三で太刀を手にして腰をかがめた時の様子 舞台に上がって下手での義経に対しての様子に 義経をここまで訪ねて来た忠信の真面目な忠臣や 義経への深い情を感じます。
ここまで訪ねて来て義経に会えて本当に良かった っと、いう様な思いがとてもよく伝わります。
本当にこのあたり 義太夫狂言のコッテリした感じが見えてきて すごく良いのです。
それと やはり台詞が良いです。
「コハ思ひがけなき御仰せ」から「イヤ静御前を預けしなんど、御諚の趣きかつ以て身に覚へ候はず」までの台詞が大きくてしっかりしていて 聞いていてワクワクしてきます。
この後、もう1人の忠信が現れたと知らせがあり下緒を腕に巻くところも 偽忠信を花道にキット見込んで、今の状況をグッとこらえる感じが伝わります。
静御前の出の後に上手に引っ込みますが 花道を見込んでの見得の決まりもたっぷりと大きく 向うに居る偽忠信への意識がはっきり見えてきます。
その時々の心情がしっかり伝わるハラのある舞台です。

高麗蔵丈・静御前は 種太郎丈・義経と並びますと やはり貫禄が見えてしまう感じで、年嵩の静御前なのですが(^^ゞ 歌昇丈・忠信に対しては気にならず しっかりとして落ち着いた良い静御前だと思いました。
やはり、台詞の雰囲気が良いように思います。




後半、警護の腰元がこの場を去ってから 上手の御簾が上がって竹本が朋太夫から東太夫に代わります。
竹本のオキから舞台に高麗蔵丈・静御前が出て初音の鼓を打ちます。
で、歌昇丈・源九郎狐の出になるのですが ここ、国立の客席の反応がスゴク良かったです。
すごく素直な反応なのです。(笑)
21日は夏休み入ってすぐでしたし 親子で楽しむ歌舞伎教室の期間中ですので 学生服を着た中高生は見かけませんでしたが 親子連れの小中学生が結構多かったのです。
親や兄弟、祖父母、など お身内と来ている場合が多いようなので わりと騒いだりはしなくて 皆様それなりに真面目に見ているのですね。(中には携帯を見ているお子様も居ましたが・・・)
また、初めて「河連法眼館の場」を見る人が多いのでしょう(っと、申しますか歌舞伎が初めての人が多いのですね) 場内が一瞬ザワメキまして 私の席の周りでは「どこから出てきたんだ?」っという子供たちの呟き声が聞こえました。
さらに、この場の源九郎狐の出 国立の方が鮮やかです。(^^ゞ
やっぱり・・・建物の新旧のためなのでしょうか?

で、ここからもう歌昇丈・源九郎狐がとても良いです。
ます狐言葉の語尾がちゃんと詰まっていて わざとらしさを感じることなく しっかりと情が伝わります。
それと所作が一つひとつ丁寧で綺麗です。
確かに初音の鼓に使われた狐の子ですが 子の狐であって幼狐ではなく、孝行のためにこの場に居るのであって 甘えるために居るのでは無いことがはっきり分かります。
久しぶりに自立した源九郎狐を見て嬉しくなりました。(^^ゞ
ですので「成程、雨の祈りに二親の狐を取られ」からの長い物語の台詞を聞いておりましても 狐言葉の台詞や雰囲気に違和感を感じませんし 「お名残り惜しかるまいか」のあたりからは もう、胸が詰まって泣けてきます。
また、下手の生垣に入るまで 竹本にのって続く所作も わざとらしさや幼さ、女狐のような雰囲気は全く無く 一つひとつがきっちり丁寧に決まって見えます。
しっかり伝わる源九郎狐の親への情に この後に、静御前が鼓を打っても 源九郎狐の孝行の想いを親として嬉しく想うからこそ 今の状況に、親狐の初音の鼓が鳴らなくなるのだと納得できます。
子供がこんなに悲しく想っているのに親が悲しくないはずが無いと思いあたるのです。
すごく情を感じさせる歌昇丈・源九郎狐です。

義経に呼戻されて再び舞台に戻って初音の鼓を貰い受ける源九郎狐ですが 「ナニ、その鼓を下されんとや」から「返へすがえすも嬉しやな。」までが 歌昇丈・源九郎狐、内側から嬉しい気持ちが伝わる感じで 見た目にどうとかではなくて、その様に思っているから見えるような あざとさを少しも感じさせない嬉しさが見えてきます。
鼓に頬を寄せて喜ぶところなど こちらも嬉しい感じで泣けてきます。

荒法師・化かされとの立ち回りから竹本の三味線が連弾きになります。
荒法師は3人ですが 歌昇丈・源九郎狐の決まり決まりがきちっとしていてとても丁寧です。
幕切れ前は上手の桜に上がって決まりますが 鼓を貰い、荒法師との立ち回りから桜の木に上がって決まるまで 楽しそうな嬉しそうな雰囲気を感じる源九郎狐で 見終わった後にとても良い気分になります。
最後の幕切れまで 心情としての嬉しさがしっかり伝わります。


今回の歌舞伎鑑賞教室、かなり良かったです。
できれば 歌昇丈の忠信で歌舞伎座で‘忠信編‘を通しで見たいですし もっと、いろいろなお役で歌昇丈の舞台を拝見してみたいと思いました。





☆「歌舞伎のみかた」
国立ならではの大セリと回り舞台を使って幕開き 大セリの上に居た狐が花道スッポンに入ると 替わって宗之助丈がスッポンから出ます。
ここの出も、スッポンを半分ずつ上げ下げしての出になります。
舞台機構の解説という事で 大セリ、回り舞台の説明があり 続いて、上手下手の竹本と黒御簾の説明がございました。
今回は電光掲示板も上手下手にございまして竹本の語りを映しています。
黒御簾の狐の出に聞こえるドロドロドロの音、雷序について話がございまして ツケの説明 その後に、これから上演いたします「義経千本桜」の説明が始まり その繋がりで、鼓の説明をしてくれます。
鼓というのは 桜の幹の硬い部分でできた胴と、馬の皮の部分でできていて これを紅花で染めた麻紐、縦調べと横調べで組み立ててあるのだそうです。
実際に舞台上で胴と皮を調べを使って組み立ててくれました。
高い音(‘ち‘の音だそうです)は左手で調べを掴み 低い音(‘ぽん‘の音だそうです)は左手を離すのだそうです。
説明をしてくださったのは田中佐吉郎さんです。
で、ここから再び「義経千本桜」のストーリー説明に戻り 「鳥居前」になります。
忠信・蝶十郎丈、静御前・京紫丈で 「鳥居前」の後半部分を見せてくれます。
このお二人が、なかなか良くて 忠信・蝶十郎丈は大きいですし、静御前・京紫丈はとても可愛いです。
「鳥居前」の立ち回りの後 宗之助丈が「吉野山」の説明をして解説が終了いたします。
幕切れは宗之助丈が花道スッポンからの引っ込みで 入れ替わって狐が登場、そのまま狐の狐六方で幕になります。(^^ゞ
全体には 順を追ってシンプルな解説ですが 分かりやすく、それでいていろいろ工夫も見える 楽しい「歌舞伎のみかた」です。








上記に私の感想などを書かせていただきましたが 今回は「親子で楽しむ歌舞伎教室」での観劇でしたので ここからは、一緒に見に行きました子供たちの簡単な感想など書かせていただきます。


まず、今回の観劇にあたり 私は特別に子供たちに前知識を与えてはおりません。
長男は以前TVで放送していた 確か、勘三郎丈の襲名興行を追いかけたTV番組だったような気がするのですが この放送でほんの少しだけケレンを見た事がございました。
ですけれど「義経千本桜」全体のお話も「河連法眼館の場」も知りません。
なので ほぼまっさらな状態での観劇で その感想などを聞いてみました。
質問はいたってシンプルで 「感想を聞かせて?」 です。



その1.長女の感想
○衣装がスゴイ。
私は源九郎狐の白い衣装かと思ったのですが それも含めて、他のお役の衣装もスゴク素敵だと思ったようです。
へ〜・・・そんなところを見ていたんだ。 っと思ってしまいました。(^^ゞ
○狐が可愛かった。
ちなみに、この狐は「歌舞伎のみかた」で登場した白い狐ではございませんで 歌昇丈の源九郎狐のことです。



その2.長男の感想
○生で見たケレンがすごかった。
唯一、ほんの少しですが「河連法眼館の場」 ケレンのみ見た事のある(^^ゞ長男は 観劇前から源九郎狐の出など、ケレンを楽しみにしていたようなのですが 生の舞台で見て、結構感激したみたいです。
これなら 澤瀉屋型はもっと喜びそうです。(^^ゞ
○狐が可愛かった。
これも、長女と同様 歌昇丈の源九郎狐のことです。



その3.次男の感想
○狐が可愛かった。
今回、次男は初めて生の歌舞伎の舞台を見ました。
席が離れていた事もございまして 大丈夫かな〜? っと、思ったのですが 場内に居るときからかなり反応が良くて 前向きに見ていたようでした。(笑)
「歌舞伎のみかた」の後に20分の幕間があるのですが その時に、わざわざ私の席まで来まして 「ドロドロドロの太鼓って 狐が変身する時に聞こえるの?」 っと、聞いて行きました。
どうも、次男のイメージでは 特撮の様に、源九郎狐が忠信に変身する絵が思い浮かんでいたようです。(笑)
でも、聞きに来るくらいなので 何か残るものがあったのだと思います。
また、私が感想を聞いた際に 「親孝行なんてしてやらないからね〜。」 なんて憎たらしい事を言っていたのですが(^^ゞ こういう言葉が出るのは、おそらく舞台のお話がそれなりに分かったからなのだろうな〜 っと、思いました。
で、次男が言った狐もやはり源九郎狐のことです。


今年の子供たちの歌舞伎体験は 今回の舞台だけなのですが かなりシッカリとした正統な舞台を見る事ができたと思います。






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