2008年04月02日・25日       もくじへ戻る トップページへ戻る 
    歌舞伎座 昼の部   三階B中央の席

  *本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう) 十種香
    一幕

  *熊野(ゆや)
    長唄囃子連中

  *刺青奇偶(いれずみちょうはん)
    二幕五場


本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう) 十種香
 八重垣姫:時蔵
 武田勝頼:橋之助
 白須賀六郎:錦之助
 原小文治:團蔵
 腰元濡衣:秀太郎
 長尾謙信:我當

「十種香」までのお話しは下記感想欄をご参考くださいませ。

蓑作と名のり、花作りに姿を変えた武田勝頼は長尾家に召抱えられましたが 長尾謙信の命により裃姿に衣装を改めることとなり 正体を知られたかもしれないと不審に思っています。

するとそこへ八重垣姫の読経と濡衣の念仏が聞こえてきます。
今日は偽の勝頼が切腹した命日で 真相を知らない八重垣姫は許婚の勝頼のために、偽の勝頼の妻であった濡衣は夫のために それぞれ回向しているのでした。


勝頼が二人の心情を思いやっているところへ濡衣が現れ裃姿の勝頼を見て亡き夫を思い出し涙します。
勝頼と濡衣の話し声を聞いた八重垣姫が居室から見てみると 絵姿によく似た蓑作に気づき、もしや勝頼ではないかと思い驚きます。
逸る気持ちを落ち着かせようとする八重垣姫でしたが 絵姿とあまり似ているので、ついに勝頼の元へ駆け寄ります。
しかし勝頼は諏訪法性の兜を取り戻すため 花作りの蓑作と名のり長尾家に入り込んでいるので 駆け寄る八重垣姫を退けます。
すると八重垣姫は濡衣を呼び 蓑作との仲を取り持って欲しいと頼みます。
八重垣姫に仲立ちを頼まれた濡衣は 仲を取り持つ代わりに諏訪法性の兜を盗み出して欲しいと言います。
これを聞いた八重垣姫は やはり、蓑作は勝頼であると気付き 自らの想いを語ると、真実を話して欲しいと頼みます。
しかし あくまで勝頼は蓑作であると言うので 八重垣姫は自害しようとするのでした。
これを見た濡衣は 八重垣姫を押止めると、蓑作の正体は勝頼であることを明かし 二人の仲を取り持つと言います。
八重垣姫の本心を知った勝頼もまた、八重垣姫に正体を明かし二人は寄添うのでした。


折りしも奥から長尾謙信の声が聞こえ 濡衣は八重垣姫の手を取って、奥の居室に入ります。
姿を見せた謙信は 蓑作に塩尻への文使いを言い渡し 蓑作に姿を変えた勝頼は文箱を預かるとこの場を去ります。
蓑作に姿を変えた勝頼を見送った謙信は、白須賀六郎と原小文治を順に呼び出すと勝頼の後を追わせます。
謙信はすでに蓑作が勝頼であることを見抜いており 命を奪うために追手を差し向けたのでした。


追手を差し向ける騒ぎを聞きつけた八重垣姫と濡衣が現れます。
八重垣姫は父・謙信が許婚の勝頼を討つために追手を差し向けたことを知り、勝頼を助けて欲しいと頼みますが 謙信は聞き入れず 濡衣を武田の間者として捕らえるのでした。






熊野(ゆや)
 熊野:玉三郎
 従者:錦之助
 朝顔:七之助
 平宗盛:仁左衛門

舞台は都・宗盛の館 折りしもここへ、熊野の母からの手紙を持って朝顔が訪ねてきます。
病の床についた熊野の母は もう一度、娘・熊野に会いたいと 朝顔に手紙を託したのでした。
朝顔と対面した熊野は 母が書いた手紙を読み、病状が思わしくないことを知ると 母に会うため暇をもらおうと宗盛のもとへ向かいます。


従者の案内で宗盛に会った熊野は母からの手紙を見せ暇を願い出ます。
すると宗盛が文を読むよう命じるので 熊野は、母が自らを朽ちていく桜に例え 命のある間に娘に会いたいと書かれた文を読みます。
しかし、熊野を寵愛する宗盛は 暇を与えることはできないと言い なお暇を願う熊野に、都に咲く今年の桜も今年でなければ見ることはできないと暇を許さないのでした。


気持ちの沈む熊野のために宗盛は牛車をしたて清水寺へ花見に出かけます。
満開の桜の清水寺で宗盛は花見の宴を始めますが 熊野は母のことが気がかりで、御堂に籠ってしまいます。
熊野の姿が見えないので宗盛は従者に呼びに行かせるのでした。


ようやく花見の宴に戻った熊野は宗盛の所望で舞を見せます。
母を思いつつ舞う熊野でしたが 折からの村雨で散る桜を見て、歌を詠み宗盛に差し出します。
「いかにせん都の春も惜しけれど 慣れし東の花や散るらん」
宗盛との別れを悲しみながらも、母の身を案じる熊野の思いに 宗盛は熊野に暇を許すのでした。






刺青奇偶
 半太郎:勘三郎
 お仲:玉三郎
 荒木田の熊介:亀蔵
 鮫の政五郎:仁左衛門

序幕
第一場 下総行徳の船場の場
舞台は行徳の船場 女衒のもとから逃げてきた、酌婦・お仲が行き場もなくたたずんでいます。
するとここへ女衒がお仲を追ってくるのですが 身を隠してやりすごしたお仲は あてもなく船場へ降りて行きます。


誰も居なくなり静になったところへ 博奕打ちの半太郎が江戸を偲んでやって来ます。
博奕の末の喧嘩で江戸を追われた半太郎が、遥か川の向うにある江戸の地を眺めながら懐かしんでいると 半太郎を探して荒木田の熊介がやって来ます。
熊介が言寄る酌婦のおさだに 半太郎が熊介の先の女房は売り飛ばされたと話したことから 熊介はおさだに振られてしまいました。
余計な事を半太郎が話したからだと、怒った熊介は 半太郎に斬りかかるのですが 逆に半太郎に川に落とされてしまいます。


この場を立ち去ろうとした半太郎は 再び誰かが川に落ちる音を聞き 水面を覗き込みますが、よく見れば熊介ではない様子なので 急いで船場に下りて行きます。


第二場 船場水際の場
川に飛び込んだお仲は半太郎に助けられます。
半太郎はお仲に身投をした理由を尋ねますが 諸国を売られて巡ってきたお仲は 所詮、男の目的は一つだと言うばかりで まともな答えを返しません。
半太郎はお仲の濡れた着物の様子を見て、財布を渡すとこの場を去ろうとしますが お仲は半太郎も今まで出会った男たちと同様だと思い、半太郎に同行しようと寄添います。
お仲が何を言っているのか気付いた半太郎は 自分を見損なうなと怒ると、お仲を振り払ってこの場を去ります。
お仲は、半太郎の誠実な本心に気がつき 半太郎の後を追うのでした。



第三場 破ら家の場
舞台は半太郎が寝泊りしている破ら家 ここに先回りした熊介と弟分の角兵衛又がやって来ます。
熊介は女の遺恨から 弟分・角兵衛又を使って半太郎を襲うつもりで待ち伏せします。
しばらくして 半太郎が戻って来ますが 襲ってきた角兵衛又をかわすと熊介を捕まえます。
女の事で喧嘩を仕掛ける熊介に 半太郎は江戸を追われている身で、江戸に近い行徳に居続けたいので喧嘩はしたくないと話します。
しかし熊介は 半太郎が江戸での喧嘩の他に、狭山で人を斬った事を知ると訴人しようとします。
熊介の態度から訴人の気配を感じた半太郎は もうこれまでと思い、熊介に斬りかかりますが 熊介は手傷を負って逃げてしまいます。


狭山の事が知られて、行徳に居続けることができなくなった半太郎は急いでこの地を逃げる支度を始めます。
するとここへ半太郎を追ってきたお仲が現れ 自分も一緒に連れて行って欲しいと頼むのでした。


二人が破ら家を逃げ出すと 入れ替わるように半太郎の母と従弟がやって来ます。
狭山の一件で実家に捕手が来たので 半太郎に教えるために、ようやく居場所を捜して訪ねて来たのです。



二幕目
第一場 品川の家の場
舞台は品川、半太郎とお仲の家 行徳を出た二人は所帯を持ちましたが お仲は明日をも知れない病で床に就いています。
今も様子を診に来た医者が、看病している隣家の女房・おたけに お仲はもうそう長くはないと言い残して帰って行きました。


おたけがお仲のために薬など煎じているところへ 半太郎が牡蠣を持って帰ってきます。
おたけが自宅で牡蠣を煮てくるからと 半太郎と共に外に出ますが その折、医者から言われたお仲の容体を話します。
お仲の病が治る見込みの無い事を知った半太郎は おたけに牡蠣を頼むと、家に戻り 床に就いたお仲に、博奕が止められず貧しい暮らしをさせている事を謝ります。
これを聞いたお仲は もう自分は長くはないと言い、半太郎の腕に刺青を入れさせて欲しいと頼みます。
半太郎はお仲の願いを聞き お仲は半太郎の腕に骰子の刺青を彫ります。
お仲の彫った刺青を見た半太郎は これが、博奕はいけないと言うお仲の意見だと気付き もう、博奕は止めるから治ってくれと言うのでした。



第二場 六地蔵の桜の場
舞台は六地蔵の桜の下 巡礼姿の半太郎の父と母が六地蔵に手を合わせています。
二人は半太郎を捜して巡礼の旅をしているのです。
折りしも 二人が半太郎の行方を気遣いながらこの場を去ると 博徒達に打ち据えられた半太郎が逃げてきます。
半太郎は鮫の政五郎が仕切る賭場を荒らし 博徒達に捕まったのです。
後を追ってきた博徒達に再び捕まってしまった半太郎でしたが ここへ政五郎が現れ なぜ賭場を荒らしたのか、半太郎に事情を聞きます。
半太郎は賭場でのいかさまの様子を話し 金が欲しくてやったと言います。
これを聞いた政五郎は 金が欲しいのなら、言えば金をやったと言うのですが 半太郎は少しばかりの金では足りないと言います。
そうして なぜ金が欲しいのか聞きたいと言う政五郎に お仲のことを話します。
一番好きは女房お仲 けれど、二番目に好きな博奕のために貧しい暮らしとなり 病で明日をも知れないお仲のために、所帯道具で飾り立てて逝かせてやりたいと思い金が欲しかったと言います。
政五郎は半太郎を気に入り 子分にならないかと言うのですが 半太郎はこれを断ります。
そこで 政五郎は懐の金をかけて勝負をしようと言います。
これを受けた半太郎は命がけの勝負をすることになります。
大博奕は半太郎の勝ちとなり 政五郎は懐の金を半太郎に渡すとこの場を去ります。
大勝負に勝って金を手にした半太郎は これを大事に懐にしまうと、通りかかった巡礼にも気がつかず 大急ぎでお仲のもとへ駆け出して行くのでした。




○2日の感想
☆「本朝廿四孝 十種香」は1766年初演で 近松半二、三好松洛、竹田因幡、竹田小出雲、竹田平七、竹本三郎兵衛作の時代浄瑠璃「本朝廿四孝」の中の四幕目(床本では二段目十種香の段)「十種香」です。
お話しそのものは長いのですが、現在では「十種香」と「奥庭狐火」の上演が多いのだそうです。

勝頼を軸にした、ここまでのお話しは以下のとおりです。

*****

武田家重宝・諏訪法性の兜を長尾家が奪って返さぬところから両家は不仲になっていました。
そこで、将軍足利義晴は 武田家嫡男・勝頼と長尾家息女・八重垣姫を縁組させます。
ところが将軍・義晴が暗殺され 武田家と長尾家に疑いがかかり 両家は三年の猶予つきで犯人を捜しだす様命じられ 犯人が見つからない時は両家の嫡男、勝頼と景勝の首を差し出す事になります。
時は三年後 犯人を捕らえる事ができず 勝頼は首を討たれてしまいます。
しかし、首を討たれた勝頼は生まれてすぐに取り替えられた武田家家老・板垣兵部の子で 本当の勝頼は蓑作と名のり市井に暮らしていました。
本当の勝頼は蓑作の姿のまま 首を討たれた勝頼の恋人・濡衣と共に武田家重宝・諏訪法性の兜を取り返すべく旅立ち 長尾家に花つくりと腰元として入り込みます。

『一方、長尾家では許婚の勝頼が亡くなってしまったと聞き 八重垣姫が勝頼の絵姿を見ながら十種香をたき回向しています。
しかし、長尾謙信は蓑作の正体に気付いていて衣装と大小の太刀を与えます。
蓑作・勝頼も 正体が知れたかと思いつつ、思案していると 八重垣姫と濡衣がそれぞれ想う人のために回向している声が聞こえてきます。
部屋を出てきた濡衣が勝頼を見て 想いを寄せていた偽の勝頼を思い出すと話します。
二人の話し声を聞いた八重垣姫が そっと部屋から覗いて見ると、そこには絵姿に似た蓑作が居たので もしやと思い、濡衣に仲立ちを頼みます。
初めは八重垣姫を遠ざけようとした濡衣と勝頼でしたが 八重垣姫の本心を知り、遠ざける事を止めます。
ようやく勝頼に逢う事ができ喜ぶ八重垣姫ですが ここへ長尾謙信が現れたので濡衣と共に奥の間へ行きます。
謙信は蓑作に文使いを言い渡し 蓑作が出かけると、追手を差し向けます。』

しかし、勝頼に追手が差し向けられた事を知った八重垣姫は諏訪法性の兜に祈り、神の使いの狐に守られ勝頼に危険を知らせます。
将軍足利義晴を暗殺したのは斎藤道三で 全ては北条氏時、村上義清の企てと知れ 勝頼と八重垣姫の祝言も決まります。
そうして武田家と長尾家は実は同士であり 勝頼らによって、北条氏時、村上義清は討たれます。


*****


以上が、勝頼を中心にした部分の大まかな流れです。
全体のお話はこの他に景勝の方にまつわるお話として、横蔵と慈悲蔵のお話が入っています。
で、今回上演されますのは『 』の部分です。
時代浄瑠璃らしい、複雑な流れなのですが(笑) 「十種香」は女形さんが中心の舞台ですので 竹本もどちらかと申しますと柔らかい感じで、全体にはストーリーを見るという感じではなく 雰囲気を楽しむ感じだと思います。
それに・・・「十種香」だけ見てもストーリーは?だと思いますし・・・。(^^ゞ



さて、初日の舞台ですが 幕開きで上手竹本喜太夫のオキで、舞台二重正面奥から勝頼・橋之助丈の出になります。
前髪の艶っぽさがあり また、武将としてのキッパリした芯の強さもあり とても良いと思います。
ですが、もう少し 何と申しましょうか‘八重垣姫が想いを寄せる人‘としての風情が欲しいかもしれません。
勝頼ゆえの八重垣姫の恋心なわけなので 人の想いを引きつける風情が無いと 舞台中央に居ても、存在感が薄れます。
始まったばかりですので、これからを期待したいです。

秀太郎丈の濡衣は 出だしチョッと年齢を感じてしまいましたが、八重垣姫と対するととても良い濡衣だと思います。
上手く書けませんが 八重垣姫と対になる濡衣です。 
それで、とてもぬくもりを感じる可愛らしさがあるように思いました。
今回の「十種香」の観劇では、秀太郎丈の濡衣が一番印象に残りました。

注目の時蔵丈・八重垣姫はイケイケお姫様の可愛らしさがとてもよく伝わります。
それで、上手に居て後ろ向きから客席に向いた瞬間がスゴク綺麗です。
ライティングでしょうか?光るような美しさなのです。
それとも・・・私の目が変なのでしょうか?(^^ゞ
途中の柱巻きで決まるところなどもバタバタすることなく柔らかに決まります。
もちろん、お姫様としての品格も感じられるのですが それ以上に‘娘‘の感じのする八重垣姫だと思いました。
好きな人を前にしてウキウキドキドキする可愛い娘の感じで お姫様であろうが市井の娘であろうが とにかく恋する娘の芯のを見るような感じです。

我當丈・謙信は大きさがございまして それでいて、どことなく優しい感じがいたします。
まあ、全体のお話しの流れを見ると どことなく優しいというのも納得できます。

錦之助丈と團蔵丈のお二人が出て舞台にグッと動きが出る感じです。
お二人ともキッパリしていて気分良く見ていられますし 團蔵丈は大きさがございますので短い時間ですが見応えがございます。

全体には 八重垣姫と濡衣のキャラクターの違いがとても良くて、女形さんお二人が印象に残る舞台でした。
後半にもう一度見に行きますので 次回は舞台全体の篤みなど期待したいと思います。





○25日の感想
時蔵丈・八重垣姫は‘可愛い‘を前面に感じる八重垣姫で かつ、とても綺麗です。
ただ、三姫の‘姫‘としての格と申しましょうか大きさと申しましょうかオーラと申しましょうか そういう感じは少ないように思いました。
どちらかというと‘娘‘の感覚が強いように感じました。
橋之助丈・勝頼は 見た感じはすっきりとして美しいのですが、どうもイマヒトツゆったりとした風情が感じられません。
艶っぽく見えるのですが 硬質感が邪魔をする感じです。
秀太郎丈・濡衣の甲斐甲斐しい雰囲気 我當丈・謙信の大きさ 良いと思いました。







○2日の感想
☆今回の「熊野」は長唄での舞台ですが より能を意識した舞台になっていて、熊野の母からの手紙を持って来る朝顔・七之助丈の名乗りから始まります。
今回も玉三郎丈は衣装に凝っていらっしゃいまして なんでも、極細の絹糸を使ったので 今ある織機では織れなくて、織機から作ったのだと イヤホンガイドで言っておりました。(^^ゞ
確かに、金地に枝垂れ桜と御所車の壷織の衣装は光沢が艶やかでスゴク綺麗です。


幕開き上手に長唄五挺五枚とお囃子が居て舞台は宗盛の館 ここへ朝顔・七之助丈が熊野の母親からの文を持って下手からの出になり状況説明の後 花道から熊野・玉三郎丈の出になります。
花道からの出ですので七三に来るまで3階からは見えないのですが(^^ゞ 七三に来た時の衣装の美しさに見惚れてしまいました。
とにかく、光沢がスゴク綺麗です。

舞台に上がると壷織の下の衣装も裾の部分が見えるのですが 紫地の衣装で色のコントラストがとても上品で綺麗です。
舞台に出てからの台詞の感じは 半能半歌舞伎の様な感じで「信濃路紅葉鬼揃」ほど能の雰囲気ではありませんでした。

従者・錦之助丈の取次ぎで下手から宗盛・仁左衛門丈の出になります。
錦之助丈は端整な感じですっきり綺麗です。
で、宗盛・仁左衛門丈は黒地に四つ菱模様の狩衣に烏帽子の拵えで メチャかっこ良いです。(^^ゞ
なんか・・・久しぶりに、この様な拵えの仁左衛門丈を見た様な気がいたしますが とにかく、綺麗でカッコイイです。

宗盛・仁左衛門丈が上手に座ってから 熊野・玉三郎丈が母親からの文を読むところになります。
文を読む熊野を長唄が引き取り 所作が入ります。
ですが、ここは座ったままで あまり動きがございません。

この後、仁左衛門丈と玉三郎丈が一度花道に出て その間に舞台は宗盛の館から桜が満開の清水寺に変わります。
桜の舞台がとても華やかです。

ここで花道からお二人が手を取って舞台に戻ります。
すごく美しいツーショットです。(^。^)
で、これからどうなるのかな〜 っと、期待イッパイで見ておりますと 熊野・玉三郎丈は宗盛・仁左衛門丈を舞台に残して 観音堂(また、花道七三です)に行ってしまいます。

なかなか戻らない熊野を宗盛が呼戻して ここで、ようやく熊野の舞になります。
笛が入ってアップテンポな急の舞いで 桜も散って美しいです。
ここまできてやっと動きが出たかな〜? っと、言う感じです。(笑)
熊野が母親の元へ戻りたい気持ちを和歌に詠み これを見た宗盛が東へ向かう事を許します。

幕切れ間近になり 仁左衛門丈と玉三郎丈お二人の連れ舞がござますが すぐに、熊野・玉三郎丈は東に向かうべく花道から引っ込み 舞台の宗盛・仁左衛門丈は熊野を見送りながら幕になります。

で、もう幕切れなのです・・・。
え〜!!!仁左衛門丈と玉三郎丈がご一緒の舞台で もう、おしまいですか〜! っと、言う感じなのです。
宗盛が仁左衛門丈でなければ これほどガックリすることは無いのかもしれませんが 見終わってからオモイッキリ欲求不満になりました。(^_^;)
お前は何を期待していたんだい?! っと、問われると・・・ハハハハハ(^_^;) なのですが でも、あまりにアッサリしすぎで 衣装も含めて舞台面の美しさに見惚れていたら終わりになってしまった感じです。





○25日の感想
今回は何にも考えずに見てしまいました。(^^ゞ
理屈ぬきでビジュアルで楽しんでしまいました。
先日、夜の部を見ました折に舞台写真を見まして この舞台は玉三郎丈と仁左衛門丈のツーショットを楽しむための舞台なんだな〜 っと、気がつきまして(笑) 2回目の観劇は見惚れておりました。
ですので感想は やっぱり、このお二人のこの拵えでのツーショットは最高だわ! でした。(^^ゞ







○2日の感想
☆「刺青奇偶」は1932年(S7年)初演の長谷川伸の新作歌舞伎です。
初日の観劇でしたが、この舞台は泣けました。
「熊野」の欲求不満が解消された感じです。(^^ゞ
まだ、全体の流れはぎこちないところもありましたが それでも良かったです。

まず、玉三郎丈のお仲がスゴク可愛いです。
半太郎に幾つだと聞かれて24と答えていましたが 場内は納得していましたし。(^^ゞ
チョッとまったりな雰囲気がなんとも可愛らしくて 見た目は綺麗では無いのですが でも、綺麗で可愛いお仲です。
前半の拗ねた感じも 薄幸だけれど可愛い女の雰囲気がありますし 笑いを取るわけでは無いけれど微笑ましく見える雰囲気もあり 何より‘純‘な透明な感じがいたします。
後半 何度も‘死にたくない‘っと、呟くように言うのですが すごく切なくて可愛くて陽炎の様です。
‘早く治りたい‘と言うお仲を見ていると 早く治って欲しいと思えてきます。
なので、半太郎の腕にサイコロの刺青を彫る時に‘もう長くない‘と言うお仲に泣けてきます。
‘ごめんなさい、怒らないで‘っと、言うんですよ。
すごく切ない。
舞台を見ながら客席で‘何で謝るのさ、怒ったりなんかするはずないじゃん‘とか思ってしまってウルウルしてきます。
この後、半太郎はしっかりお仲を抱き寄せるのですが この気持ち分かる様な気がします。
あまりに切なくて愛しくて じっと黙ってなんか居られない感じなのです。

勘三郎丈・半太郎は初日からパワー全開という感じで 半太郎が本当に居そうです。
仁左衛門丈・政五郎は大きくて渋い感じです。
亀蔵丈・熊介が腰を落とした姿が 昔、見たTV時代劇のやくざみたいで なんとなく懐かしい感じがいたしました。
それと歌女之丞丈が今回もとてもいい雰囲気です。

この舞台、勘三郎丈も仁左衛門丈も出ていらっしゃるのですが 私の中では完全に玉三郎丈のお仲に意識を持っていかれた感じで 幕切れの時も、政五郎から貰った金を持ってお仲のところへ戻る半太郎の後姿を巡礼姿の両親が見ているので きっとこの後、お仲は半太郎の両親に会えて もしかしたら半太郎の持って来た金で病気が治るかもしれない とか、そんなことをずっと思いつつ もう一度、後半に見に行く時に また、玉三郎丈のお仲に会えるな〜 っと、今から楽しみだったりいたします。(^^ゞ
すみません・・・頭の中が溶けてしまってまとまりません。m(__)m





○25日の感想
前回の観劇は初日でしたので多少細かい部分が変わっていたように思いました。
ふ〜ん・・・っと、思いましたところが2ヶ所ございました。
1つ目はお仲が半太郎の腕に刺青を入れた後 舞台が換わる前の場面、今回はお仲と半太郎が‘治るよね‘‘治るとも‘っと言う感じの台詞を連呼しておりました。
前回も同じ様な台詞はあったと思うのですが 力の入り方が違うのだと思います。
幕切れに希望を残すような雰囲気があるのですが これは、蛇足の様な気がいたしました。
しつこく言われなくとも客席で見ていて その様に感じ取れる人は感じ取る事だと思います。
2つ目は幕切れ前 半太郎が花道から引っ込んで舞台は定式幕が引かれる時、前回は巡礼姿の両親が舞台に現れたのですが 今回は居ませんでした。
何気ない事ですが ここで両親の姿が見えることで これから先のほんの微かな明るさが見えて それが余韻として残るのだと思うのですが・・・。

ですが、今回も泣けました。
お話の展開は分かっているのですが泣けてきます。
逆に分かっているので よけいに泣ける感じで ボロボロでした。(^^ゞ
それと 半太郎・勘三郎丈とお仲・玉三郎丈の距離感が、より近くなっていたように思います。
寄り添った時の距離(物理的な距離ではなくて 心情としての距離のことです)がとても良かったです。
で、‘一番好きは女房お仲‘っと言い切ったときの半太郎・勘三郎丈がとってもカッコ良かったです。
仁左衛門丈の政五郎がスゴク良くなっていました。
初日では まだ、探っている感じがあったのですが 今回はサスガに大きくてカッコよくて素敵でした。
この政五郎は勝負に勝っても半太郎を子分にする事で命を預かるような人なのだろうな〜 っと、想像できるような奥行を感じました。
例え半太郎が勝負に負けても 子分のために金を出してやりそうな親分に見えるのですね。
玉三郎丈のお仲は 今回も可愛くて切なくて とうぶん、頭から離れない感じです。(笑)
手を差し伸べても掌から零れ落ちてしまうような感じで ‘何とかしてあげたい‘っと、思わせるのですね。
今回も分かっていて 乗せられてしまいました。(^^ゞ






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