2008年02月08日・22日       もくじへ戻る トップページへ戻る 
    歌舞伎座 昼の部   三階B上手よりの席

  *小野道風青柳硯(おののとうふうあおやぎすずり)
    柳ヶ池蛙飛の場
    一幕

  *菅原伝授手習鑑 車引
    一幕

  *積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)
    常磐津連中

  *仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場
    一幕


小野道風青柳硯 柳ヶ池蛙飛の場
 小野道風:梅玉
 独鈷の駄六:三津五郎

平安時代、讒言により流罪となりこの世を去った能書家・小野篁(たかむら)の遺児は 陽成天皇の命により、道風と頼風と名のり小野家を再興します。
そうして 兄・小野道風は木工頭、弟・頼風は武士として取り立てられました。


舞台は柳ヶ池 ここへ公卿の狩衣・立烏帽子姿で小野道風がやって来ます。
雨の風情に感じ入っていると 柳の根方に蛙がいることに気付きます。
しばらく見ていると ついに蛙は柳の枝に飛びつくのでした。
とても届きそうもない枝に、何度も飛びかかり ついに枝に飛びついた蛙を見て 道風は 叶わぬと思える橘逸勢(はやなり)の反逆も、加勢する者が多くなれば危険な事だと思います。
するとここへ橘逸勢の手下が現れ、道風に討ちかかりますが 道風はこれを蹴散らしてしまいます。
手下が逃げていくと、今度は以前の大工仲間で今は橘逸勢の企みに加担する独鈷の駄六がやって来て 道風を味方にしようとします。
しかし、道風がこれを断ると どうしても味方にしようと道風に討ちかかってきます。
力自慢の二人は、互いに組み合いますが 道風は駄六を打ち負かし池に投込むと、この場を去ります。
池に投込まれた駄六は、ようやく池から這い上がると道風の後を追うのでした。






菅原伝授手習鑑 車引
 松王丸:橋之助
 梅王丸:松緑
 杉王丸:種太郎
 金棒引藤内:亀蔵
 桜丸:錦之助
 藤原時平:歌六


  あらすじはこちらでどうぞ





積恋雪関扉
 関守関兵衛 実は 大伴黒主:吉右衛門
 良峯少将宗貞:染五郎
 小野小町姫 ・ 傾城墨染 実は 小町桜の精:福助

仁明天皇崩御の後、大伴黒主は皇位継承に必要な勘合の印を盗み逢坂山で関守・関兵衛に身をやつして謀反の機会を窺っています。
また、仁明天皇の家臣・良峯少将宗貞も天皇の菩提を弔い逢坂の庵に居ます。
冬の雪の中 この庵の傍らにある桜の大木が狂い咲きを見せています。
この桜は仁明天皇遺愛の桜で、天皇崩御を悲しんで墨染色の花を咲かせたところ 小野小町の和歌の徳によって元の盛りの色になった事から小町桜と呼ばれています。


「上の巻」
舞台は雪景色に小町桜の咲く宗貞の庵がある関所
>待ちえて今ぞ時に逢う
謡曲がかりのオキの後、舞台に切株に腰掛けて居眠りしている関兵衛が出ます。


>むかしむかし昔噺のそのさまに
一つ大きくのびをすると、関兵衛は柴を束ねはじめます。
>五尺いよこの手拭
煙管でいっぷくしながら、左手を懐に手を入れたままグッと一つ決まって
>手慣れし琴を調べける
で、上手屋体の伊予簾が上がり、琴を弾く宗貞の出になります。


すると琴の音に惹かれるように、化粧蓑に市女笠の小野小町姫が雪の山道を一人でやって来ます。
>かかる山路の関の戸に
花道七三での振りから舞台に上がり 関を通して欲しいと頼みます。
小町姫は入内を迫る八雲皇子から逃れて来たのでした。


しかし、小町姫は通行手形を持っていないので 関兵衛は関を通すことはできないと言います。
>いったい其様の風俗は
それでも通して欲しいと頼む小町姫に 宗貞の口添えもあり、関兵衛はいろいろと素性を尋ねます。
>生野暮薄鈍情なし苦なしを見るように
ここは、関兵衛の当て振り
問答の後、小町姫は関を通り 宗貞と再会します。


実は二人は恋仲で、関兵衛になれ初めを語ります。
>その初恋は去年の秋
さらに、小町姫は想いを語ります。
>わたしもその時母上の
二人の話に聞き入った関兵衛は仲人役を買って出ますが、お辞儀をしたはずみに懐から勘合の印の包と割符を落とします。


勘合の印は関兵衛が拾いますが 割符は小町姫が拾います。
「それそれそれそれ そっこでせい」
関兵衛が勘合の印を懐にしまったので、宗貞がこれを探ろうとするところを振り払って 気を変えるように踊ります。
>恋じゃあるものな
三人三様で手踊りを見せます。


しばらくして 関兵衛は二人を残してこの場を去ります。
するとここへ 宗貞の弟・安貞が禁廷より預かった斉頼の鷹が飛んできて「二子乗舟」と血染めで書かれた片袖を落としていきます。
安貞は兄・宗貞の身替りとなって殺害されたのでした。
血染めの片袖から弟・安貞の死を知った宗貞が、思わず片袖を砥石の上に落とすと 鷄の鳴き声が響きます。
不審に思って石の下を見ると 大伴家重宝・八声の名鏡が隠されていました。
さらに 先刻、関兵衛の懐から落ちた割符と 小町姫が小野篁から預かっていた割符がぴたりと合います。
これを見た宗貞は関兵衛の素性を怪しみ 小町姫は事の次第を伝えるべく都へ向かいます。
再び関兵衛が現れ 宗貞が懐の勘合の印を奪おうとしますが、関兵衛が隙を見せないので屋体に入ります。


「下の巻」
>その間に奥の一間より
夜になり酒に酔った関兵衛が現れます。
ここは常磐津の付け台詞で関兵衛が動くところです。
関兵衛が大盃の酒を飲もうとすると ドロドロドロの下座で北斗七星が現れ、星繰りの見得で決まります。


星を見て謀反の好機と知った関兵衛、実は黒主は 小町桜を護摩木にしようと 大斧を持ち出し砥石で研ぎ、ためしに宗貞の琴を打ち割り 宗貞が隠した血染めの片袖を拾います。
すると懐から勘合の印が飛び出し 小町桜・墨染桜の内に入ってしまい、関兵衛も意識を失います。


>幻か 深雪に積る桜影
桜の中に墨染の姿が浮かび上がり ついで、舞台に現れます。
>仇し仇なる名にこそ立つれ
関兵衛が気付くと 傍らに遊女・墨染が居ます。


怪しむ関兵衛に 墨染は撞木町の傾城だと名乗り、関兵衛を間夫に見立てて廓話を始めます。
>行くも帰るも忍ぶの乱れ
関兵衛が菅笠に棒を付けて長柄の傘に見立て、花道に出て墨染の花魁道中を見せていきます。


ところが関兵衛が落とした安貞の血染めの片袖を見て墨染の様子が変わります。
>これこのように初めから
墨染が安貞への想いを見せます。
これを見咎めた関兵衛は、大伴黒主であると明かし 墨染も実は小町桜の精で、安貞と言い交わした仲であると明かします。
>去りし恨みのあればこそ
>そも人間の形うけて
>女子とは見すれども
>小町桜の精魂なり


衣装がぶっかえり 関兵衛は黒の装束姿で王子鬘、墨染は小町桜の精の鴇色地に枝垂れ桜の衣装になります。
>我が本性の桜木を
>邪慳の斧にかかりしぞや
>報いのほどを思い知れ
小町桜の精は 夫・安貞の敵で、桜を伐ろうとする関兵衛・黒主に仇を討つため現れたのでした。
黒主が墨染にのしかかり、墨染が海老反りになるなど 見どころのある所作立ての後 墨染は桜の枝を持ち、黒主と立ち回りとなり 墨染・小町桜の精が二段に上がり、下手の黒主と絵面に決まって幕になります。






仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場
 大星由良之助:幸四郎
 寺岡平右衛門:染五郎
 大星力弥:高麗蔵
 斧九太夫:錦吾
 おかる:芝雀


  あらすじはこちらでどうぞ




☆「小野道風青柳硯」という舞台は1754年初演の全五段の時代浄瑠璃で、作者は竹田出雲、近松半二、三好松洛ほか っと、いうことで 今回上演された舞台は原作の二段目の口にあたり、近松半二が書いたと言われているそうです。
これは、2回目の観劇の時に筋書きを購入いたしまして知った事なのですが これを読みまして この舞台をなぜだか理由も分からず、とにかく好きだと思った事に納得できました。(笑)
もともと私は時代浄瑠璃が好きなので よく分からないけれど 感覚的に、この舞台が気に入ったのだと思いました。
自分でもかなり驚いたのですが 何にも知らないで見ていて、義太夫狂言のイキを感じさせてくれた梅玉丈、三津五郎丈、そして葵太夫のスゴサにスゴク嬉しくなってしまいました。(^。^)


○8日の感想
上演時間は短いですが 歌舞伎らしい演目で、昼の部では一番楽しく見る事ができました。
雨音の太鼓で幕開き 舞台は浅葱幕で橘逸勢(はやなり)の手下の台詞で状況説明の後 浅葱幕を振落として 上手の床、葵太夫のオキで池の辺になります。
竹本の呼びで花道から小野道風・梅玉丈の出になります。
烏帽子に黒地の狩衣がすっきりしています。
で、カエルくんが飛びましたね。(笑)
お腹の白い緑色のカエルくんですが アマガエルでしょうか・・・。(^^ゞ

小野道風というのは能書家(書に優れた人)で三蹟の一人ですけれど この舞台では内裏造営の大工であったところを木工頭に任命されたということになっておりまして もともとは大工さんなのですね。
ですが今は木工頭で公卿ということなので 衣装等は公卿の拵えでございまして 梅玉丈の立居振舞も公卿なのです。
筋書きを見ますと 父・小野篁(関の扉でも小町姫に割符を預けた人物として名前がございます)は能書家であったので 天皇の命令で小野家を再興したのであれば公卿ということなのでしょう。
ですが 同じく能書家であるはずの橘逸勢は謀反の企てをしていますし どうしてなのか?(笑) 逸勢の手下が相撲さんです。(観劇時には、はっきりしなかったのですが 梅之丈のブログに詳しく内容が書かれておりまして そこに‘相撲取り‘と書いてございます。梅之丈のブログの該当エントリーは こちら と こちら です。)
ですので はじめの道風と手下との立ち回りも 後半の道風と駄六・三津五郎丈との立ち回りも 相撲の形を取り入れているようです。
駄六・三津五郎丈は 道風と旧知の大工さんで、お相撲さんでは無いのですけれど・・・。(笑)
まあ・・・何で、こうなったのか なんていう事は考えないのが歌舞伎でございまして(笑) お相撲の形を使った立ち回り なかなか面白かったです。
でも、実は気になります。(笑)

梅玉丈は、強いのですが あくまで公卿としての品格を持っていらっしゃるので 立ち回りになっても荒々しさがなく お相撲の立ち回りと、道風の雰囲気のアンバランスが妙に楽しくて(^^ゞ 歌舞伎の舞台でなければゼッタイ!楽しめない舞台だろうな〜 っと、思いながら見ておりました。
なんか・・・珍しいものを見られたような感じです。(笑)
後半になって 駄六・三津五郎丈が花道から出ます。
これが大きくて勢いがあって とても良いです。
お相撲の形の立ち回りは 三津五郎丈は肉襦袢を着ているのですが、決まり決まりが大きくてキッチリ決まるので 梅玉丈・道風との対比もあり 面白いです。
道風に池に投込まれて 出てきた時のカエルの様な動きも楽しくて良いです。
花道からの六方の引っ込みも大きいです。
三津五郎丈の弁慶が見たいです。(^^ゞ
全体には 何がどうしたというような事もないのですが 役者さんの雰囲気が良いので楽しめましたし 歌舞伎らしい舞台ですし たぶん、生の舞台でないと面白味が半減するのではないかしら っと、思える様なライブな舞台だと思いました。


○22日の感想
この舞台、やっぱり面白いです。
ケッコウ設定がむちゃくちゃな気もするわけですが(笑) そこが歌舞伎で、さらに道風をお勤めの梅玉丈と駄六をお勤めの三津五郎丈の歌舞伎味のある雰囲気がとても良いです。
たぶん、お勤めになられる役者さんにもよる舞台かと思いますが 今回のお二人での舞台は、短いですがとても歌舞伎味があって面白いです。
短く何気ない一幕が とても楽しくて見応えがあるというのは 歌舞伎ならでは、だと思います。

で、今回は、チョッと耳を澄ましてみたのですが(笑) 幕開きスグの手下の会話を聞くと やっぱり、道風はお相撲の手練なのですね。
でも・・・ど〜して〜。(笑)
で、さらに よく聞くと竹本が面白のです。
一番笑えたのは、道風が駄六を池に落として一人花道から引っ込む時 「駄六を見捨ててただ一人」って、葵太夫がおっしゃるのですね・・・何となく一人で、へへへ・・・っと笑ってしまいました。
じつは、今回 2回目で何気に気付いたのですが この舞台、短い舞台ですが たっぷりとした竹本の舞台なのですね。
そのたっぷりの竹本の舞台を 語る葵太夫ももちろんですが、梅玉丈も三津五郎丈もノリが良くてイキがピッタリな感じでお勤めなのです。
私には、お三人のイキのピッタリ合った 竹本の舞台が楽しく感じたのではないかと思いました。

それで、なぜたっぷりとした竹本の舞台なのかと気になりまして筋書きを読んだところ 一番はじめに書きましたように、この舞台は時代浄瑠璃であることを知ったわけでございます。(^。^)





☆「車引」は時代浄瑠璃「菅原伝授手習鑑」の三段目の始めのところにあたる
一幕です。
「菅原伝授手習鑑」のあらすじは こちらの「道明寺」感想欄に書いてございますので よろしければご参考にご覧くださいませ。


○8日の感想
幕開きから巽太夫のオキ、宮神楽の下座で花道から梅王丸・松緑丈、上手から桜丸・錦之助丈の出になります。
梅王丸・松緑丈は笠を取ってノリの台詞あたりから 勢いが出て大きく感じるのですが 松王丸に対しては、もっとグッと大きくなって欲しいと思いました。
とくに 後半になりますが、上手の松王丸を睨み上げて決まるところなどは もっと、重心をグ〜ット落として気を溜めるような感じが欲しいです。
荒事のヤンチャな雰囲気は一番あると思いました。
桜丸・錦之助丈は真面目な雰囲気はあるのですが、艶っぽさが感じられません。
で、「不幸の上に不忠の罪」じゃないですよね。
「不忠の上に不孝の罪」でなければ話が合わないと思うのですが・・・。
すみません、聞き逃しませんでした。
金棒引藤内・亀蔵丈は 上手から声が聞こえただけで スグに、亀蔵丈だと分かりました。(^^ゞ
大拍子の鳴物で、梅王丸と桜丸が花道からの引っ込みになります。
杉王丸・種太郎丈が 頑張っていらっしゃいます。
まだ少し声が高めですが でも裏返ったりすることもなくて良いと思います。
大流し(だと思うのですが)で松王丸・橋之助丈が上手から出ます。
橋之助丈の松王丸は 重圧な感じなのですが、荒事のヤンチャイ雰囲気が少なくて梅王丸や桜丸と三つ子に見えません。
なんと申しましょうか 一人だけ、ずっと年上に見えると申しましょうか 重圧で大きな雰囲気が、落着きに感じられて どうも、年寄りくさく感じるのです。(^^ゞ
ですが 一番、台詞に義太夫狂言の雰囲気があると思いました。
歌六丈・藤原時平が出て舞台が締まります。
牛車から出て、はじめの台詞など ホントニ怖い感じで迫力がございました。


○22日の感想
荒事の舞台ということでは たぶん、松緑丈の梅王丸が一番‘らしい‘のではないかと思いました。
ですが、勢いが良すぎるのか台詞がイマヒトツ何を言っているのが聞きづらい時がありました。
そういうことから見ますと 錦之助丈の桜丸は、とても丁寧に感じます。
やはり艶っぽさはあまり感じられませんでしたが 丁寧な雰囲気がまったりした風情に感じられ 前回の観劇時より桜丸らしさがあったように思います。
で、橋之助丈の松王丸は 大きくてドッシリ感があって良いのですが 雰囲気としては「車引」の松王丸ではなくて「寺子屋」の松王丸の雰囲気ではないかと思いました。
何気に、橋之助丈の「寺子屋」の松王丸と源蔵のどちらも見てみたいと思いました。
歌六丈は、やはり怖かったです。(^^ゞ





☆「積恋雪関扉」は1784年初演で、顔見世狂言「重重人重小町桜(じゅうにひとえこまちざくら)」(‘重重‘で‘じゅうに‘と読ませるわけですね・・・スゴ)の二番目大切所作事の常磐津の舞台です。


○8日の感想
途中、意識がございませんでした。(^_^;)
体調は悪くなかったのですが 気付かないうちにス〜ット意識が遠のいておりました。(笑)
ですので今回は途切れ途切れの感想なのです。

一声と雪降ろしの太鼓 山から吹き降ろす雪の下座で幕開き 舞台は浅葱幕で下手に常磐津三挺四枚。
>待ちえて今ぞ時に逢う・・・
オキ浄瑠璃の後、浅葱幕を振落として 舞台に吉右衛門丈・関兵衛が居眠りしています。
ここはまだ何も無いわけですが 次に関兵衛がどうするのか(分かっていてもです)楽しみに感じる瞬間だったりいたします。
>むかし ゝ 昔噺のそのさまに・・・
刈った柴を束ねたりして ここはチョッと細々とする感じで、後見の方も(たぶん、吉之助丈だと思います。)大変そうです。(笑)
>五尺いよこの手拭・・・
ここで吉右衛門丈・関兵衛、煙管を持ってはじめの決まりがガシット決まります。
大きくってカッコイイです。

>手馴れし琴を調べける・・・
上手屋体の伊予簾が上がって染五郎丈・宗貞の出になります。
色気があるというよりキッパリした雰囲気ですが 今月のお役の中では一番‘らしく‘見えて すっきりとした感じが良いと思いました。
台詞も聞いていて辛くなることはありません。

花道から福助丈・小野小町姫の出になります。
赤姫の姿に化粧蓑を付けて、市女笠と杖を持ち とても楚々として綺麗です。
>かかる山路の関の戸に・・・
から、七三での踊りになります。
3階の私の席からですと胸から上しか見えないのですが(^_^;) 肩の動きなどはとても柔らかですし、可愛いです。
福助丈・小町姫が舞台に上がり関を通して欲しいと頼み 宗貞の口添えで、関兵衛が‘女ばかりを通して‘といったような台詞の後・・・これも、吉右衛門丈がおっしゃるとチャメッケがあって良いのです・・・小町姫と関兵衛の問答になります。
が!ここから少し意識がございません。
前半の見どころで 関兵衛の当て振りを見せるところなのですが すっぽり記憶が抜けております。(T_T)

気が付きましたのは 関兵衛の懐から包みと割符か落ちたところでした。
「や、それは」
「それ ゝ ゝ ゝ そっこでせい」
>恋じゃあるものな・・・
三人の手踊りになります。
私は「関の扉」というと ここの場面を思い浮かべるくらいで 三人で並んで踊るところは、フォークダンスのようでとても面白いです。
今回もそれぞれのキャラクターによって雰囲気の違う踊りを楽しんでしまいました。

この後 一度、関兵衛が奥に入って 斉頼の鷹が血染めで‘二子乗舟‘と書かれた片袖を足に結わいて飛んできます。
ここから 宗貞の弟・安貞の死を知ったり 大伴家の重宝が見つかったり 先刻、関兵衛が懐から落とした割符が小町姫の持つ割符と合ったりして 不審に思った宗貞が小町を都へ向かわせます。
ここまでが前半です。


後半は宗貞が屋体に入り 酒を飲んで機嫌の良い関兵衛が舞台に出たところからです。
ここは常磐津の付け台詞がございます。
私だけかもしれませんが(^^ゞ 竹本ですと別に気にならないのですが 常磐津の付け台詞は、あまり聞いた事がございませんので、面白いと思いました。

で、この後 吉右衛門丈・関兵衛は 盃に映る星を見て大きく見得で決まりまして 今までのチャメッケのある関兵衛から黒主へスイッチします。
さすがに吉右衛門丈で、ドット大きくなる感じなのですが 舞台を見ているだけでは、何がおきたのかよくわからないところだったりいたします。(^^ゞ
確かに、関兵衛の肩越しに なにやらお星様らしき物が登場いたしますが・・・。
盃に、お星様らしきを映して まあ、星占いで 謀反のチャンスを知るわけです。

で、さらに すごいのは・・・歌舞伎らしいのは(笑)・・・謀反の大願成就祈願のための護摩木にしようと小町桜を大きな斧で切ろうとします。
だいたい 今、咲き誇っている生の桜木を切って燃えるかよ? って話ですが(笑) そんなことはどうでもいいのです。
大きな斧を持った吉右衛門丈がスゴク大きく見えます。
ここで吉右衛門丈がスゴク大きく見えるので この後、ドロドロドロで大きな関兵衛が静まり
>幻か 深雪に積る桜影・・・
で桜の中に墨染の姿が浮かぶと 見た目の対比と、桜の精の人ならぬ力が とてもカッコヨク感じられます。

>仇し仇なる名にこそ立つれ・・・
で、墨染が現れて

>行くも帰るも忍ぶの乱れ・・・
ここから 関兵衛と墨染が客と遊女になって廓の風情を踊ります。
菅笠に棒を付けて 花魁道中の長柄緋傘に見立てます。
花道に出てしまうとよく見えなくなってしまうのですが 楽しい所作です。
が・・・何で、ここで廓模様になるのかは たぶん、歌舞伎だからでしょう。(笑)
このあたりは 吉右衛門丈・関兵衛はチャメッケがあり 福助丈・墨染は、妖しげで艶っぽくて綺麗です。

>これこのように初めから・・・
安貞の形見となった血染めの片袖を見て墨染のクドキになり ここから見顕しになり、それぞれ名のってぶっかえりになります。
ここまでくる途中の福助丈・墨染が 大きな吉右衛門丈・関兵衛を相手に キッパリ安貞への想いを告げ、対抗する心情が内側からにじみ出るようでした。
墨染の海老反りも素敵でしたが やはり、安貞への情が見える事 少年の様な、あるいは中性的な色気のある雰囲気 黒主と対しても見た目でなく内側からの凄み とても良いです。
黒主との立ち回りも ワクワクするカッコよさがございました。
吉右衛門丈・黒主は大きいことはもちろんなのですが 福助丈・墨染と対した時の抱え込むような懐の大きさが良いと思いました。(^^ゞ


○22日の感想
やはり、前半が眠たくなってしまいます。(^^ゞ
今回は何とか頑張りましたが(笑) ケッコウ辛かったです。
おおかたは前回と同じ様な感想なのですが 今回は特に、幕切れ間近 福助丈・墨染がぶっかえってからの黒主・吉右衛門丈との立ち回りが とても迫力があり、豪快で また綺麗で良かったです。
前回は黒主・吉右衛門丈の抱え込むような懐の大きさが良いと思ったのですが 今回は、この大きな黒主に柔らかな細い線だけれどキッパリとした芯を感じるキレの良い小町桜の精・福助丈が 小気味良く立ち回る感じがとても面白く、また迫力がございました。
福助丈、すごくカッコよかったです。(^^ゞ
大向こうの掛け声がたくさん掛かったこともございますが 今回の舞台はとても盛り上がって幕切れとなりました。





☆「仮名手本忠臣蔵」の「祇園一力茶屋の場」は全十一段の七段目の一幕です。
こちらこちらに、「仮名手本忠臣蔵」のあらすじと全体の流れが書いてございますので よろしければご参考にご覧くださいませ。


○8日の感想
もう、ここまで来ますと 「関の扉」でエネルギーを使い過ぎてしまってヘトヘトです。(笑)

幸四郎丈の由良之助は 感情がはっきりと見えて分かりやすい由良之助です。
義太夫狂言のじっくりと大きな雰囲気は少なく なんと申しましょうか・・・時代劇の様な雰囲気の由良之助です。
ですが、華やかな舞台ですし ヘトヘトしておりましたので 気軽に見る事ができて良かったです。

染五郎丈・平右衛門は 時々、台詞が吉右衛門丈に似ておりまして 全体には良かったと思います。
ですが 平右衛門の持つ明るさ、一生懸命だけれど足軽の小心な雰囲気は少ないです。
また、由良之助やおかると対しての細々とした段取りが まだメイッパイに見えます。
この場の平右衛門は 由良之助と対しても、おかると対しても 気遣いや思い入れの工夫が幾らもあるようですので 練れてくるには時間がかかるのでしょう。
それと やはり台詞なのですが 「関の扉」の宗貞のような静かな感じのお役ですと、さほど気にならないのですが 平右衛門のように感情の起伏の大きな台詞ですと、聞いていて辛くなってしまいます。

この舞台で一番良いと思いましたのは芝雀丈・おかるでした。
可愛らしい雰囲気のおかるで さらに、どの場面でも勘平への想いが心情の底にあることが感じられます。
今現在は一力茶屋の遊女ですが 背景に、残してきた身内の存在がしっかりあるので舞台を見ながら六段目がイメージとして浮かんできます。
おかるがこの場に居る経緯が思い浮かぶので 「あにさん、ど〜しょ〜」の台詞の息を詰めた感じに、時間の奥行が集約して感じられます。
とても良いおかるだと思いました。

高麗蔵丈・力弥の年齢は幾つなのでしょう?
とてもキツイ感じで イマヒトツ由良之助の子息には見えませんでした。(^^ゞ
錦吾丈・斧九太夫が良かったです。
憎々しさを見せるのではなくて‘この人って、こういう人なんだ‘ っと、いう感じなのですが 無理に作っていない雰囲気がかえって良かったです。


○22日の感想
この舞台もおおかたは前回の感想と同じで やはり芝雀丈のおかるが光っていました。
遊女、妹、女房の使い分けが自然で さらに、この場に至るまでの経緯を篤みとして感じる事ができ また、とても可愛い感じのおかるです。
そうですね・・・できれば、平右衛門をもう少し‘兄‘と思える役者さんで芝雀丈のおかるを見てみたいです。






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