2008年02月03日           もくじへ戻る トップページへ戻る 
    歌舞伎座 夜の部   三階B上手よりの席

  *寿曽我対面
    一幕

  *初代松本白鴎二十七回忌追善 口上
    一幕

  *一谷嫩軍記 熊谷陣屋
    一幕

  *新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子
    長唄囃子連中


寿曽我対面
 工藤祐経:富十郎
 曽我五郎:三津五郎
 曽我十郎:橋之助
 化粧坂少将:孝太郎
 近江小藤太:松江
 八幡三郎:亀三郎
 梶原景高:亀蔵
 梶原景時:市蔵
 小林朝比奈:歌昇
 大磯の虎:芝雀
 鬼王新左衛門:東蔵


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初代松本白鴎二十七回忌追善 口上

 下手   中央  上手

  吉 染 幸 松 雀
  右 五 四 緑 右
  衛 郎 郎    衛
  門         門





一谷嫩軍記 熊谷陣屋
 熊谷直実:幸四郎
 源義経:梅玉
 弥陀六:段四郎
 梶原景高:錦吾
 堤軍次:松緑
 藤の方:魁春
 相模:芝翫


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新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子
 小姓弥生 後に 獅子の精:染五郎
 老女飛鳥井:吉之丞
 局吉野:扇緑
 胡蝶の精:梅丸
 胡蝶の精:錦政
 用人関口十太夫:桂三
 家老渋井五左衛門:由次郎


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3日に雪の降る中 歌舞伎座・夜の部を見てまいりました。
ちょうど節分でございましたので、幕間に豆まき(豆‘配り‘のようでしたが)がございました。
3階席にも係りの方が配りにきてくださっておりましたが 私は通路際の席ではございませんでしたので見ているだけでございました。(笑)
舞台では鷹之資クン、齋ちゃん、玉太郎クンも豆まきをしておりまして(たぶん、鷹之資クンと玉太郎クンだと思うのですが・・・齋ちゃんは間違いないです) 染パパと手を繋いで豆まきしている齋ちゃんは可愛かったです。(^^ゞ
また、今月は追善興行ですので2階のロビーに初代白鴎丈の写真や絵画などが展示してございます。
それにいたしましても 今月は昼の部と夜の部の入れ換え時間が短くて 夜の部から見に行きますと、場内に入ってスグに開演のブザーが鳴ってしまう感じでした。

で、舞台の方ですが これはかなり充実した舞台だと思いました。
はじめの演目の‘対面‘からドーンと大きな舞台で 歌舞伎座で見る‘対面‘という感じです。
富十郎丈の重さ、台詞の押しの良さ 三津五郎丈の若くて抜けるようなイキの良さ そして歌昇丈の朝比奈がキッパリしていて大きくてとても良いです。
‘口上‘は5人ですが その分、幸四郎丈がいろいろ初代白鴎丈について話されておりました。
3日はバレンタインの話などなさっていらっしゃいました。
で、吉右衛門丈が なんと申しましょうか、とても嬉しそうで 今までに見た吉右衛門丈の口上の中で一番楽しそうにご挨拶されていました。
昼の部もゼヒ!見に来てください っとおっしゃっていました。(あまり、こういうことおっしゃらないでしょ)
場内の拍手も一段と大きかったです。
‘熊谷‘は幸四郎丈の熱演もさることながら 芝翫丈と魁春丈の女形さんお2人がとても良かったです。
母親の情を感じる相模 情もあるけれど相模とは異なる品格を感じる藤の方 ともに舞台がグッと大きくなります。
また、梅玉丈の義経の‘御大将‘な感じがとても良いです。
‘鏡獅子‘は これ、とても良いです。
前半の弥生も大健闘ですし 後半の獅子の精も大きくてキレがあって良いです。
胡蝶の梅丸クンと錦政クンも頑張っています。
梅丸クンが錦政クンを見ながら 背をぬすむようにして踊っているのが、なんとも頼もしくて 舞台を見ながら応援してしまいました。(^^ゞ





☆「寿曽我対面」は キッチリ型の決まった儀式性の強い舞台で、歌舞伎ではおめでたい新年の舞台として上演されていた狂言です。

この舞台は‘いかにも‘歌舞伎っというような形式的な舞台ですが 今回の舞台は、とても大きくて充実していると思いました。
管弦の下座で幕開きになり 舞台は網代の模様幕、諸大名の台詞で状況説明の後 模様幕を振り落として、庵木瓜と紅白の梅の工藤館に変わります。

工藤祐経・富十郎丈は白地の衣装で、すでに上手の高座にいらっしゃって 皆様も定位置です。
富十郎丈の衣装ですが 鶴を意識されたのでしょうか?、明るい感じで良いと思うのですが 3階席からでは庵木瓜がよく見えません。(^_^;)
後日、筋書きの舞台写真を見ましたら 白地に金糸の庵木瓜です。
近くで見ると とても上品で、かつ明るく若々しい感じがする衣装です。

マズ、目を引きましたのは 小林朝比奈・歌昇丈です。
台詞に勢いがございまして それでいて、とても聞きやすくワクワクしてくるような口跡です。
さらに東訛りの台詞もキッパリと大きく 見ておりまして気持ちの良い朝比奈です。
筋書きに曽我兄弟を呼び出す時の台詞について 歌昇丈のコメントが書かれておりますが 役どころとお考えだった、カンに上がる台詞はシッカリ客席に伝わったと思います。
初役ということですが そのようにはゼンゼン見えませんでした。(^。^)

それから 片岡ご兄弟、景時・市蔵丈と景高・亀蔵丈 とくに、亀蔵丈の「吉例のとおり ひとつ笑おうか〜」の台詞が後味の悪さを残さない面白さがあって良いです。
八幡三郎・亀三郎丈 歌舞伎味のある台詞が良いです。
亀三郎丈の大きな感じの台詞、ケッコウ好きなので もっと、いろいろなお役で見てみたいな〜 っと、思います。

下座の三味線の一人弾きで、対面三重となり 花道から十郎・橋之助丈と五郎・三津五郎丈の出になります。
今回はなんとなく 花道の出のところから 緊張感が感じられまして 敵を討つ者と討たれる者の‘対面‘の雰囲気が伝わりました。
花道で決まったところから 五郎・三津五郎丈の若くてヤンチャイ感じが良いです。

岩戸神楽の下座で十郎と五郎が舞台に出ます。
ここからは3階席から見ておりましても チャンと見えるのですね。(^^ゞ
橋之助丈は少し暗い感じがしましたが 品があり、柔らかですがキットした強さも感じられる十郎です。
三津五郎丈の五郎は「でぇ〜も」「いやだいやだ、堪忍袋の緒が切れた〜」 っと、いうあたり 抜けるような口跡の良さがございましてスカッといたします。
で、富十郎丈・祐経は ドッシっとした感じなのですが ここから後、祐経からの盃になりまして 五郎・三津五郎丈と対しますと、「五郎ぇぇ」の台詞から緊張感がスゴイのです。
これは対する五郎・三津五郎丈が十郎と入れ替わって祐経に近づいて行く時の緊張に繋がり お2人の間で迫るような緊張感がございます。
とても形式的な舞台なのに この迫力は、見ておりましてワクワクしてきます。
さらに 三保神楽の下座で、五郎・三津五郎丈が盃を後方に向けて決まりますが ここも大きくてヤンチャな感じが良く、なにより背筋から腕の線がとても綺麗です。
また、「さん候」の台詞も ともすると悔しい想いばかりが前面に出る事があるのですが 三津五郎丈の台詞は‘陰‘を感じる事がなく きちっと決まった形式的な「寿曽我対面」という舞台に合った雰囲気がございます。

他、芝雀丈・大磯の虎 孝太郎丈・化粧坂少将 お2人が立派で 東蔵丈・鬼王新左衛門が舞台をキッチリ押さえます。
幕切れ前も富十郎丈・祐経は高座に座ったままで見得になります。

全体にとても大きくて見応えのある舞台だと思いました。





☆初代松本白鴎二十七回忌追善の「口上」は お身内の方ばかり五人での口上でございました。
ですのでアットホームな(^^ゞ 雰囲気がございまして 幸四郎丈が初代白鴎丈の思い出などお話でございました。
今月は2月ということもあってか バレンタインのお話などなさっていました。
また、夜の部の「春興鏡獅子」を染五郎丈がお勤めになられる事につきまして (二)松緑丈のお話などもあり これから先の高麗屋の門出を見ていただきたいとおっしゃっていました。
それと 舞台の襖絵は、歌舞伎座2階のロビーに展示してある白鴎丈の絵を原画にして大道具さんが描いたのだそうです。
幕間に見に行きましたら 確かに松の絵がございました。(笑)
で、吉右衛門丈が なんとも、嬉しそうで 客席からも吉右衛門丈の口上にたくさんの拍手がございました。
嬉々とした吉右衛門丈の雰囲気に 私もなんだか嬉しくなってしまいました。(^^ゞ
吉右衛門丈は昼の部の「関の扉」で黒主をお勤めですので 昼の部もゼヒ!見に来てください っとおっしゃっていました。
この日は2月3日でしたので口上の後に豆まきがございました。





☆「一谷嫩軍記」は並木宗輔作の1751年初演の時代浄瑠璃で 「熊谷陣屋」は「一谷嫩軍記」全五段の三段目にあたります。
大序から四段目までの流れが、こちらの感想欄に書いてございますのでよろければご覧くださいませ。

幕開きの後、下手の村人の台詞で制札についての台詞があり状況説明 さらに、上手の床から葵太夫のオキで舞台二重正面から相模・芝翫丈の出になります。
この時の芝翫丈 吸引力がすごくて、大きくて立派です。
歌舞伎座の大きな舞台に一人で それほど大きな動きも無く ”相模は障子、押開き”の義太夫に合わせて奥から正面に出て、「日も早西に傾きしに夫の帰りの遅さよ」っと、スッと下手の花道の方を向くだけなのですが 舞台面イッパイに大きく見えます。
すごくカッコイイと思いました。
で、堤軍次・松緑丈がキッチリしていて良いです。

熊谷・幸四郎丈は花道からの出になりますが 幸四郎丈の芝居は、分かりやすくて疲れません。
良し悪しはともかくとして 見やすい舞台です。
舞台に上がって 何気に相模に気付くところなども、見るからに‘あちゃ〜、相模が居るじゃん!‘っという表情です。
この後「・・・もし討死したらわりゃ何とする」とか「・・・もし急所なら悲しいか」とか このあたりも、台詞の雰囲気が相模の様子を探るようなのですね。
もちろん 小次郎はもう居ないわけなので ハラは‘何とする‘なのですが、それを前面に出してしまうと熊谷の大きさが削がれるような気がいたします。
なんと言うのでしょう・・・悪い事をして女房の機嫌を窺う亭主みたいな感じでしょうか。(^^ゞ
見た目で‘何かありそう‘が分かるので 見やすいのですけれど・・・。
このあたりは 時代物の硬質感を好むか、見た目に分かりやすい芝居を好むか まあ、好みによるのでしょう。
これを受けての芝翫丈の相模は「そのお叱りを存じながら・・・してまあ、この小次郎は息災でをりますか」まで、小次郎を想う母親の優しさを感じ それ以降「・・・一緒にお出でなされたか」まで、熊谷の話に対して小次郎を案じる想いがしっかり伝わり 一貫して意識は、元気でいるはずの小次郎です。
チョッとしたチグハグなのですが この舞台は歌舞伎の時代物であるので 芝翫丈の相模が、より時代物の大きな相模に見えました。

この後、熊谷の「・・・無官の太夫敦盛の首討ったり」の台詞の後に上手の障子から藤の方・魁春丈が出ます。
魁春丈の藤の方、品格がございましてとても良いです。
相模と藤の方のやりとりも 共に女形のお二人なわけですが お二人ともスゴク大きくて押しがあります。

熊谷・幸四郎丈の物語りで敦盛の事が語られます。
ここは幸四郎丈とても大きいです。
ただ、少し台詞がこもる感じでキッパリしないです。
ここまでの幸四郎丈の熊谷は 熱演で分かりやすいのですが どうも周りの人物と対比すると、より感情的に見えるので そのぶん、内側から感じられる重さが少ないような気がいたします。

後半になって、竹本が綾太夫に代わります。
義経・梅玉丈が やっぱり、良いです。
いかにも‘御大将‘という雰囲気がございまして 品、格、大きさと揃って とても綺麗に見える舞台です。

今回の舞台は とにかく、芝翫丈の相模が良くて 何となく目で追ってしまったのですが(^^ゞ 熊谷が首桶を開けるまで、二重の下手よりのところで藤の方を庇いながらの気遣いが、さりげないのですが良いですね。
私、今回 初めて気付いたのですが ただ相模と藤の方と二人で隅っこに居るのではなくて 芝居しているんですね。(^^ゞ
もしかして これって、芝翫丈の相模だからでしょうか?
さらに、小次郎の首と気付いて平舞台に降りてから後 義経の言葉で熊谷から首を受け取って抱きかかえて竹本に乗っての動きが 情があってとても良いです。
頬を摺り寄せるところなど スゴイ思い入れで、見ていてグッときます。

段四郎丈の弥陀六も宗清の大きさがあり 「・・・平家のために獅子身中の虫とはわが事。」の台詞の思い入れも良いと思います。
で、今回も「幽霊の御講釈」でした。
今までに意識して見た歌舞伎の舞台で「制札の御講釈」は聞いた事が無いのですが 弥陀六内の段と脇ヶ浜宝引の段がなくて ‘一枝を伐らば‘の意味を熊谷が察したことでお話が展開するのであれば たとえ、前半で障子に敦盛の影が映ったとしても 「制札の御講釈」の方がピッタリする様な気もするのですが・・・そんなことは無いのでしょうか?
で、花道へ行きかける弥陀六に「親父待て」と声をかけたのは四天王で 「宗清待て」と言うのは義経でした。
前回、芝翫丈が義経をお勤めの時は 確か、義経・芝翫丈が「親父待て」の台詞もおっしゃったように思います。
床本では‘義経の詞に‘と続くので 本来は義経の台詞なのでしょう。
ここはあくまで敵将ということで‘宗清‘だけを言うのかと思われるので ここから続く台詞の最後「満足、満足」も やはり子供目線での感覚ではなくて 御大将としての上から目線の雰囲気です。
ですが、梅玉丈の義経は この雰囲気がとても合うのです。(^^ゞ

幸四郎丈の熊谷ですが 今回の舞台では時代物の硬質な雰囲気より、情を見せる様に感じられたのですが とくに、僧侶の姿になって平舞台に降りたあたりから、寂しさを伴なって前面に見えてくるようでした。
旅支度も一人ですし 相模を避けるように肩を小さくして小走りに花道に向かう姿は 時代物の熊谷が突きつけられた世の無常というより 熊谷個人に集約するような悲哀を感じます。
成り行きがどうにもならなかった事への悲しみとか、むなしさとか こういう感情が弱さとしてリアルに見えるようです。
舞台は定式幕が引かれ うれい三重で幕外、花道になります。
ここも これまでの、見た目で理解できるリアルさで見せていく熊谷です。
ですので 心情としては分かりやすく見えてきますし、思い入れも残るのですが 例えば、ドンジャンで無意識にキットなる瞬間なども 時代物の硬質感が無いのでキットならずに ‘え?なに?・・・陣鐘・・・‘のような雰囲気でバシット決まらないのです。
まあ、これも バシット決まらなくても 熊谷の辛く悲しいやるせない心情が伝われば良いという事であればOKなのだと思いますし 確かに、「十六年は一昔」からの‘情‘はとてもよく伝わり 熊谷の悲哀、心情が、十分に後に残ります。
ただ、これは私の好みなのですが やはり熊谷には一貫した時代物の硬質感と大きさが欲しいです。
強固な武将の熊谷が嘆き崩れるほどの無常を見るのが芝居の醍醐味ではないかな〜っと、思うのですね。(^^ゞ





☆「春興鏡獅子」は1893年(M26年)初演の舞台です。
舞台のおおまかな流れが こちらの感想欄に書いてありますので、よろしければご覧くださいませ。

しらべの鳴物で幕開きで 幕開きスグから吉之丞丈がパッと目にとまりました。(^^ゞ
弥生を連れて何度か行ったり来たりした後 しらせの柝で舞台正面奥の襖があいて 長唄六挺六枚とお囃子の雛壇が出ます。

染五郎丈の弥生は線が細くてとても綺麗です。
初めから女形で進んでいたら とっても素敵な女形になったのではないかしら っと、思ってしまいました。(笑)

>忍ぶ便りも長廊下
から、正面にご挨拶となりますが ここは楚々とした可愛らしさがございまして ‘舞を始めます‘という潔さと申しますより あくまで初々しい感じがいたします。

>人の心の花の露 濡れにぞ濡れし鬢水の はたち鬘の堅意地も
手踊りからゆったりした川崎音頭になります。
艶っぽさ、全体の柔らかさはございませんが 清楚な雰囲気がございまして、指先の動きなどはとても優しく見えます。
肩や腕の柔らかさはイマヒトツなのですが 袱紗を使うところなどは、すっきりとして綺麗です。
弥生は遊女ではございませんので 御殿勤めの娘ということであれば、十分に雰囲気はあると思います。

>春は花見に 心うつりて山里の
扇を使っての踊りになります。
まだ、3日目ですので 見ておりましてチョッとハラハラしてしまいましたが でも、大丈夫でした。(笑)

>恨みかこつもな 実からしんぞ 気にあたろとは
ここからの手踊りは、可愛らしく踊っていくところなのですが 前の扇を使っての踊りのすぐ後ということもあってか いささか神経の途切れる感じで裾捌きがバサつきましたが まあ、全体には綺麗に踊っていたと思います。
でも・・・このあたりはイッパイな感じもございまして 艶とか柔らかさとかより、乱れないように踊る感じです。
まあ、まだ初日から間がないですからね 大健闘だと思います。

>朧月夜やほととぎす
舞台前面中央に腰を落として ほととぎすを目で追います。
うん!ほととぎす チャンと飛んでいました!
ここ、すごく可愛らしくて 良かったです。

>時しも今は牡丹の花の 咲くや乱れて 散るはゝ 散りくるはゝ
ここから再び扇を使います。
私、ここの長唄 調子が良いので、とても好きなんです。(^^ゞ
散る牡丹も、扇の軌線がなめらかで柔らかく綺麗です。

>花には憂さをも打ち忘れ
扇で口元を隠して牡丹に見とれる感じ 中ダメで綺麗に決まります。
じっと見つめる先に牡丹が見えるような見えないような・・・(^^ゞ ですが、‘もう少し!頑張れ!‘っと応援したくなりました。

>咲き乱れたる 風に香のある花の波
スリリングな二枚扇(^^ゞ 失敗もなく、腕と肩の線も綺麗です。
扇を一枚後ろに飛ばして
>牡丹に戯れ獅子の曲 げに石橋のありさまは
能の雰囲気を感じるところですが 後シテにつながる大きさがございます。
前シテの染五郎丈の弥生 楚々として可愛いと思います。

弥生が花道から入ると 代わって舞台正面から胡蝶の梅丸くんと錦政くんが出ます。
上手が梅丸くんで下手が錦政くんなのですが 梅丸くんの方が少し大きいので、錦政くんに合わせるように 背をぬすむ感じで腰と膝を落として相手を見ながら踊っていました。
錦政くんは とにかくメイッパイな感じで頑張っています。
幕切れ前に下手で二人で回るところも一生懸命な感じで ‘頑張れ〜‘っと応援しながら見てしまいました。(^^ゞ

胡蝶が上手下手に入って 一声から大薩摩で後シテになります。
>それ清涼山の石橋は 人の渡せる橋ならず
露の調子となり、それから乱序 後シテが花道から出ます。
染五郎丈、後シテの獅子の精もスラッとして背があるのでカッコイイです。

>牡丹の花に舞い遊ぶ
再び胡蝶が舞台に出て獅子の精と踊るのですが お三人ともまだ少したどたどしくて、なんとなく微笑ましい感じがいたしました。
錦政くん頑張れ!!!

>獅子は勇んで くる ゝ ゝ と
ここから獅子の狂いになりますが 染五郎丈の獅子の精は、毛振りも綺麗で大きいですし しっかりと地に足がついてぶれる事もなく勢いがございます。
>獅子の座にこそ直りけれ
二畳台に上がった染五郎丈・獅子の精 片足で立ってもぶれることなく大きく決まります。
とても気持ちの良い幕切れです。

全体には 前シテの弥生に艶、柔らかさがあればさらに良いと思いますし また、後シテの獅子の精は元気なだけではなく 獅子の‘精‘としての霊威とか緊張感があるとさらに良くなると思いました。
ですが、まだ始まったばかりですので これからが楽しみです。






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