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| 歌舞伎座 昼の部 三階B中央の席 |
*猩々(しょうじょう) 長唄囃子連中 *一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり) 檜垣 奥殿 二幕 *けいせい浜真砂 女五右衛門 南禅寺山門の場 一幕 *新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ) 魚屋宗五郎 二幕 *お祭り 清元連中 |
猩々(しょうじょう) 猩々:梅玉 猩々:染五郎 酒売り:松江 あらすじはこちらでどうぞ 一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり) 一條大蔵長成:吉右衛門 常盤御前:福助 八剣勘解由:段四郎 鳴瀬:吉之丞 お京:魁春 吉岡鬼次郎:梅玉 あらすじはこちらでどうぞ けいせい浜真砂 女五右衛門 石川屋真砂路:雀右衛門 真柴久吉:吉右衛門 舞台は満開の桜咲く南禅寺山門 今は、傾城・真砂路となり亡き父・武智光秀の仇討の時を窺う光秀息女・皐月姫が春の景色を眺めています。 真砂路は敵・真柴久吉が父・光秀から奪った千鳥の香炉を取り戻したところでした。 折りしも 真砂路が久吉の子息・久秋と恋仲となってしまったことを嘆いていると 一羽の雁が文を銜えて飛んできます。 真砂路が文を見ると 恋敵の早瀬が久秋に宛てた文でした。 恋敵の文を見て 真砂路が、どうしたものかと思案していると 山門の下を巡礼の者が通りかかります。 巡礼者は手水鉢に映る真砂路の姿を見て和歌を詠じます。 巡礼者の怪しい気配に 真砂路が簪を投げつけると、巡礼者は手にした柄杓で簪を受けます。 巡礼者は姿を変えた真柴久吉で 真砂路に再会を約束するのでした。 新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ) 魚屋宗五郎 魚屋宗五郎:幸四郎 小奴三吉:染五郎 磯部主計之助:錦之助 宗五郎父太兵衛:錦吾 菊茶屋女房おみつ:鐵之助 おなぎ:高麗蔵 浦戸十左衛門:歌六 宗五郎女房おはま:魁春 あらすじはこちらでどうぞ お祭り 鳶頭:團十郎 舞台は鳶頭が山王祭を終えてほろ酔い加減で町内に戻って来たところ >申酉の花も盛りの・・・ 清元の浄瑠璃で 祭りの後の戻り道です。 >じたい去年の山帰り・・・ ほろ酔い加減の鳶頭ののろけ話でクドキになり >好いたが因果 好かれたも・・・ 去年の大山詣での帰りに出会った宿場女郎との馴れ初めなど語ります。 でも、なんだかふられてしまったようで >あきらめて なんのかのと・・・ と、ここが字余りの都々逸 >お手が鳴るから・・・ で、狐拳(藤八拳・とうはちけん のことだそうで 両手で きつね、庄屋、狩人(鉄砲)の形をつくり、勝負を争う遊びの事です)の踊りになります。 >ヤア引けや引け ゝ ・・・ ここは木遣りで ‘引き物尽くし‘の踊りになります。 >ときなれや 牡丹の笠の一様に・・・ >げにも上なき獅子王の・・・ 若い者たちが鳶頭に打ちかかりますが 鳶頭はこれを難なく振り払うのでした。 |
7日に見に行きました歌舞伎座・昼の部の感想など書かせていただきます。 この日はお正月明けの月曜日でございまして たぶん、それほど混雑する事は無いだろうな〜 っと、思ってチケットを取ったのですが それがオモイッキリ大当たりでございまして(笑) 私の左右と前の席4列ほど、どなたもいらっしゃいませんで、スゴク見やすかったです。(^^ゞ ☆「猩々」は松羽目の舞台で 長唄囃子の雛壇で幕開きになります。 全体には、松羽目らしい品のある舞台です。 下手のお幕から松江丈・酒売りの出で名乗りになり 上手に座ったところで染五郎丈と梅玉丈が舞台に出ます。 染五郎丈の猩々は、白塗りということもございますけれど 線がスラットしていらっしゃるので とても美しいです。 ですが 梅玉丈と染五郎丈のお二人が同じ様な(あるいは、同じ)所作で踊るので どうしても、比べてしまうのですね。 たぶん、比べて見るものではなくて アンサンブルで見るものだと思うのですが 踊りの雰囲気がズイブン違っているのです。 素人目には 梅玉丈は腰が低くて重心が下方にあり 安定していて、ゆったりと格のある踊りで 染五郎丈は、美しいですがそのまま若い猩々に見えます。 猩々は足を使う所作が多く また、腰を低くして細かく頭を振る所作があったりするので 重心を低く使う梅玉丈と、若々しいく動く染五郎丈の動きがイマヒトツそろわない感じです。 ワタクシ個人の好みでいえば 梅玉丈の腰を落とした所作は ゆったりですが、腰から背中、首と肩と腕の線がピット決まって良いです。 どうも、私には 梅玉丈の練れた感じが際立つ舞台に見えてしまいました。(^^ゞ ☆「一條大蔵譚」は1731年初演の時代浄瑠璃「鬼一法眼三略巻」の四段目にあたります。 今回の「一條大蔵譚」は 昼の部で一番面白いと思った舞台です。(後日追記:1月の観劇で一番面白かったです。) 序幕の‘檜垣茶屋の場‘は 幕開きから板附で中間の台詞があり、舞台の状況が知れ 簾内の東太夫のオキで、梅玉丈・鬼次郎と魁春丈・お京の花道からの出になります。 ここは出だしから魁春丈が良いと思いました。 台詞に義太夫狂言の雰囲気があり歌舞伎味イッパイです。 品格のある舞台で なんと申しましょうか、正統派の古典歌舞伎の感じがいたします。(^^ゞ この後、梅玉丈・鬼次郎と魁春丈・お京が茶屋に入って 竹本の呼びで吉右衛門丈・大蔵卿の出になります。 で!吉右衛門丈の大蔵卿がスゴク良いです。 あの、なんと言うのか わざとらしさが微塵もなく、品格を感じる阿呆なのです。(^^ゞ 崩れた砕け方をしていないので 面白く見えますが 華があり、品格があります。 見た目は面白いですが、ギャグでは無いわけで ‘ぽわ〜‘とした中に 公卿の品格を感じさせるのです。 さらに お役の持つ‘源の流れの中にある公卿‘という緊張感があります。 花道に出て 舞台の鬼次郎に気付いた時も けして、見た目で‘武‘を見せず ‘ぽわ〜‘とした雰囲気のままなのですが 義によって人の首を斬る‘硬質‘を持っているわけなので それを内側から感じさせます。 ホント上手い!上手すぎる! これを書いておりましても 舞台の上の吉右衛門丈の‘ぽわ〜‘っとした表情が思い浮かびます。(笑) で、舞台の吉右衛門丈って たとえ‘ぽわ〜‘としていても 大きさがあり、かわいい男に見えるんですね。(^。^) それと 吉之丞丈・鳴瀬が 公卿に仕える品があり、芯を感じて スゴク良いです。 舞台にいらっしゃるだけで鳴瀬ですもの。(^^ゞ 魁春丈・お京は 鳴瀬の執り成しで大蔵卿に舞を見せることになるのですが 檜垣茶屋から出てきた魁春丈・お京は、衣装を二藍の様な色合いから黒地に換えていらっしゃった様な気がするのですが・・・。 以前に見た舞台がどうであったのか思い出せません。 魁春丈の花道の引っ込みですが キッパリとした品があり、舞台が引き締まる感じです。 大詰の‘大蔵館奥殿の場‘は 出だしは‘塀外‘で、風音の下座で幕開き 舞台は網代塀 簾内の道太夫のオキで始まります。 舞台が‘奥殿‘に替わりまして竹本が出語りになり葵太夫になります。 私、ここは清太夫だと思っておりましたので ちょっと新鮮な感じがいたしました。(笑) 福助丈・常盤御前がとても綺麗ですが チョッと大きさが足りない様な気もいたしました。 「慮外者」と、鬼次郎に言っても 相手が梅玉丈の鬼次郎ですので、大きさが足らなくて、イマヒトツ決まらず ‘だからなに?‘っと、思ってしまうのです。 もう少し内側から感じられる大きさ重さ篤みが欲しいと思いました。 緋の長袴で大きな動きがあるわけではございませんので 内側からの存在感がございませんと常盤御前に見えてこないのですね。 ですが、全体には余計な事もなく健闘なさっていると思いました。 後半の吉右衛門丈・大蔵卿ですが これが、‘檜垣‘から少しもテンションが下がることなく とても良いです。 見惚れてしまいます。(笑) ‘檜垣‘は良いけれど ‘奥殿‘になると違和感があって、前の‘檜垣‘の大蔵卿の方が良かった っと、思う事が多々あるのですが 今回の吉右衛門丈の大蔵卿は‘奥殿‘もとても良いです。 武士ではございませんが ‘公卿だけれど源の流れの中に居る‘という硬質感が内側から無理なく見えてきます。 この部分が‘檜垣‘から一貫しているので ‘奥殿‘になって、勘解由の首を討つ事になっても とって付けたような違和感を感じる事がございません。 また、つくり阿呆に戻っても 内側にある硬質感は感じられるので つくり阿呆とのスイッチがスムースなのだと思います。 公卿だけれど源の流れの中に居て さらに、つくり阿呆を見せるとういゴチャゴチャを(笑) 内側から感じれる硬質感で一貫して、使い分けるようで とにかく、絶妙です。 で、やはり大きいのですね。 竹本に乗っての語りも大きく押しがありキッパリしています。 「無念に思う 道理、道理」で、長刀を持って中央で決まるところなどは 長刀を持っていても、けして武ばって見えることはなく品格のある大きさです。 公卿の品と武士の格が見事にミックスされていると申しましょうか・・・とにかく、上手いです。(^^ゞ また 一度、平舞台に降りて そのまま前向きで後方にさがるように二重にあがり、ぶっかえるところの大きさ立派さは もう、スゴイです。(^。^) 胸のすくようなカッコ良さがございます。 義太夫狂言の たっぷりとした篤みがあり 色気のある大蔵卿なのですね。(^^ゞ ホント、‘歌舞伎‘ っと、いう感じでございます。(^^ゞ で・・・幕切れ 定式幕が引かれ始めたあたりで 吉右衛門丈・大蔵卿、勘解由の首を手元で放ってますね。(^_^;) 他 梅玉丈・鬼次郎と魁春丈・お京の大蔵卿や常盤御前の受けが良く 段四郎丈・勘解由、吉之丞丈・鳴瀬が舞台に篤みを出していると思います。 ☆「けいせい浜真砂」は1839年初演の舞台で 盗賊の石川五右衛門を女形が勤めるようにした書換え狂言です。 幕開きは上手に大薩摩、二挺二枚 浅葱幕を振落とすと山門で雀右衛門丈・真砂路がいらっしゃいます。 観劇日は7日ですが 雀右衛門丈・真砂路、まだ何を言っているのかイマヒトツ台詞がよく分かりませんで 妙な間があったりいたしまして 見ておりまして、とても緊張する舞台でございました。(^^ゞ ですが 後半、衣装が黒地に替わって、肌脱ぎで肩が紅の地色になると 艶っぽくてサスガだな〜っと嬉しくなります。 お正月から 久しぶりの雀右衛門丈の舞台を拝見できましたので それだけで良いです。(^。^) 吉右衛門丈、ご苦労様でございます。m(__)m で・・・ワタクシ、今回も3階の住人だったのですが 3階Bですと、後半に大セリが上がりますと 雀右衛門丈の頭が見えなくなってしまうのですね。(^_^;) 今回は 私の左右と前の席4列ほど どなたもいらっしゃいませんでしたのが、幸いいたしました・・・ハハハ。(^^ゞ ☆「魚屋宗五郎」は河竹黙阿弥作、1883年(M16)に(5)菊五郎が初演した舞台です。 今回は上演されません一幕目の趣向が「播州皿屋舗」を意識しているので、本名題が「”新皿屋舗”月雨暈」となっています。 一幕目からの流れは こちらのページの「魚屋宗五郎」感想欄の一番最後に書いてございますのでご参考くださいませ。 舞台は祭囃子で幕開きで、宗五郎の家ですが 鐵之助丈・おみつが雰囲気を作っていて良いです。 魁春丈・おはまとの会話で、何気ないのですけれど お店のお内儀の感じがあり、宗五郎の家の事情などがそれとなく見えてきます。 幸四郎丈・宗五郎は花道からの出になりますが ここは‘ぼてふりの魚屋‘と言うより‘親分‘です。(^^ゞ 出だしが‘チョッと違う感じじゃない?‘ っと、思ってしまうので 少し損をしているようにも思えるのですが 私が違和感を感じたのは、この花道からの出のところだけで 後は、幸四郎丈の宗五郎 ‘情‘の伝わる宗五郎だと思いました。 細かいところに粋を感じるとか、江戸の魚屋の雰囲気があるとか こういう事はあまり感じられなかったのですが(^_^;) 妹への‘情‘は、しっかりと伝わります。 前半の見どころの酒に酔っていくところも 少しゆっくりめのテンポですが、暴れ始めるとケッコウ迫力がございますし(笑) 角樽を手に家を飛び出す時の思い入れに‘妹を想っている‘感じがあり 良いと思います。 磯部の屋敷でも、玄関先で酔って妹への‘情‘を訴えるところは 気持ちが伝わります。 魁春丈・おはまは 節度が感じられ、砕けすぎず 宗五郎を気遣う気持ちがよく伝わります。 染五郎丈・三吉は軽妙な感じが良いのですが やはり、声が気になりました。 高麗蔵丈・おなぎは チョッと年齢がいき過ぎているように思います。(^_^;) 後半になって歌六丈・浦戸十左衛門で舞台がしまります。 錦之助丈の磯部主計之助がキッパリしていてとても良いです。 襲名披露の折の磯部主計之助よりもさらに潔い感じがいたしました。 で、丁稚の梅丸くんが お行儀良く、しっかりと頑張っています。 ワタクシ、この舞台は特に下座が好きなのですが 今回は宗五郎が酒を飲むところももちろんですが おなぎがお蔦の話を始める時「お聞きなされてくださりませ」からの下座の三味線がとても良いと思いました。 ☆「お祭り」は1826年初演の所作事です。 幕開きは浅葱幕で上手に清元四挺三枚 オキから浅葱幕を振落とすと 板附で團十郎丈がいらっしゃいます。 この舞台は 特別に考える事もなく のんびり見てしまいました。 團十郎丈、カッコイイ鳶頭ですが おかめの面を付けての悪身は‘チョッと珍しいものを見られたのでは‘ っと、思ってしまいました。(笑) で、‘待ってました!‘の掛け声は 数ヶ所でバラバラバラ っと、たくさんかかりました。 まあ・・・声が掛かったのですからラッキーだったのですが 一ヶ所で良いですからパシッと決まった掛け声を聞きたかったです。(^^ゞ |