2007年12月02日・23日       もくじへ戻る トップページへ戻る 
    歌舞伎座 夜の部   三階B中央の席・三階B上手よりの席

  *菅原伝授手習鑑   寺子屋
    一幕

  *粟餅
    常磐津連中

  *ふるあめりかに袖はぬらさじ
    四幕


菅原伝授手習鑑   寺子屋
 松王丸:勘三郎
 武部源蔵:海老蔵
 春藤玄蕃:市蔵
 涎くり与太郎:亀蔵
 百姓吾作:寿猿
 御台園生の前:松也
 戸浪:勘太郎
 千代:福助


  あらすじはこちらでどうぞ





粟餅
 杵造:三津五郎
 臼造:橋之助

舞台は江戸 評判の粟餅売りの杵造と臼造が来て
>来た来た ゝ ゝ 仕て来いな・・・
賑やかに呼び声をかけると 粟餅をつきはじめます。

>今年しゃ世がよて木に餅が成るえ・・・
と、民謡をもじって踊り 粟餅の曲投げなどを見せます。

>さてこそ我らが仕似せには・・・
ここからは、五節句の餅づくしを踊ります。

>酔うた酔たよた五人の中へ・・・
ここから、六歌仙の所作となり

>あつみさ これ五郎左どのな・・・
終盤は、団扇太鼓を打ってUPテンポに踊り収めます。






ふるあめりかに袖はぬらさじ
 芸者お園:玉三郎
 藤吉:獅童
 亀遊:七之助
 マリア:福助
 イルウス:彌十郎
 浪人梅沢:権十郎
 〃  佐藤:海老蔵
 〃  堂前:右近
 大種屋:市蔵
 幇間和中:猿弥
 チェリー:吉弥
 メリー:笑也
 バタフライ:松也
 ピーチ:新悟
 芸者 奴:笑三郎
 〃 太郎:春猿
 帳場定吉:寿猿
 旦那三河屋:男女蔵
 〃  駿河屋:亀蔵
 〃  伊東屋:友右衛門
 思誠塾多賀谷:段治郎
 〃   飯塚:勘太郎
 〃   松本:門之助
 〃   小山:橋之助
 〃   岡田:三津五郎
 岩亀楼主人:勘三郎

第一幕 横浜岩亀楼の行燈部屋
舞台は横浜・岩亀楼の行燈部屋 病で寝込んでいる遊女・亀遊を見舞いに芸者・お園がやって来ます。
二人は 以前、吉原に居た頃からの知り合いでした。
お園が亀遊を気遣って話をしているところに岩亀楼で通訳をしている藤吉がやって来ます。
様子から二人が恋仲である事を察したお園は なぜ病の亀遊が行燈部屋に居る事を知っているのかと藤吉に尋ねます。
すると 藤吉は、お園が酔っている時に話したと言うのでした。
これを聞いた亀遊は お園は吉原に居る頃からお酒が好きだったと言い笑います。
久しぶりに亀遊の笑顔を見てお園は喜び 亀遊は蘭学を学ぶ藤吉がくれた薬が効いたのだと言います。


亀遊が手水に席を立つと お園は藤吉に亀遊との仲を尋ねますが 藤吉は通訳で金を貯め、アメリカへ医学を学びに行くのだと言います。
亀遊が戻るとお園は二人をからかいながら、この場を去ります。


藤吉と二人になった亀遊は 先刻のアメリカ行きの話を行燈部屋の外で聞いていて 藤吉のために金を用意したいが 遊女の身では、これから身を売ることもできず かと言って、唐人口の遊女にはなりたくないと言います。
藤吉のために何もしてあげられない事を詫びる亀遊は、自らの誠の想いを伝えるために名を明かすのでした。



第二幕 横浜岩亀楼の引付座敷扇の間
翌年・文久二年の二月 舞台は岩亀楼・扇の間 折から、岩亀楼の主人が通訳の藤吉を伴なって 薬種問屋・大種屋に案内されて来た米人・イルウスの相方を決めようとしています。
芸者の奴や太郎が賑やかに囃子たて、唐人口の遊女が顔を見せに来ますが イルウスはどの遊女も気に入りません。
しかたなく、岩亀楼・主人がマリアを呼んで酒宴が始まります。
するとここへ大種屋の相方に病み上がりの亀遊が現れますが イルウスは一目で亀遊を気に入り相方を取り替えて欲しいと言い出します。
藤吉がイルウスの言葉を通訳しているうち 亀遊は事の成り行きに驚き、気分が悪くなってしまい部屋に戻って行きます。
廓の決まりに反したイルウスに、マリアも怒って出て行きます。
気の利かない通訳のために遊女が居なくなってしまい すっかり興醒めした大種屋が品川あたりへ場所を変えようと言うところへ 座敷に遅れたお園がやって来ます。
成り行きを知らないお園が岩亀楼・主人に言いつけられ 怒っている大種屋をなだめながら別の座敷へ行くと イルウスは岩亀楼・主人に亀遊の話を始めます。


はじめは、廓での決まりを言っていた岩亀楼・主人でしたが イルウスがあまりに熱心に亀遊の事を話すので 身請けするのであれば亀遊をイルウスに売ってもいいと言います。
岩亀楼・主人は 大種屋が怒って帰ってしまったことを告げに来たお園にイルウスの座持ちをさせると 帳場の定吉に帳簿を持ってこさせ、亀遊の借金を確かめ イルウスに六百両で亀遊を売ると言います。
イルウスは岩亀楼・主人の言葉を聞いて喜び 亀遊を身請けすることにします。
これを聞いたお園は 亀遊を異人に売るのは勘弁してあげてくれと頼みますが 岩亀楼・主人は聞き入れず 亀遊を呼んでくるよう店の者に命じます。
どうしてもと言うのであれば 自分が迎えに行くと、お園が亀遊の部屋へ向かいます。


身請けの話がまとまり 岩亀楼・主人もイルウスも喜んでいると 亀遊を迎えに行ったお園が叫びながら座敷に戻って来て、亀遊が剃刀で喉を斬って自害していると言うのでした。


第三幕 横浜岩亀楼の引付座敷扇の間
文久二年の五月 舞台は亀遊が自害してから二ヶ月後の扇の間 故郷に帰ることになったと話す藤吉に お園は、今日は亀遊の七十五日だと言います。
藤吉がアメリカに渡る日が近いことを知るお園は 藤吉に、なぜ亀遊と駆落ちしなかったのかと問いただし 駆落ちすれば、アメリカへ渡り医学を学ぶ志が立たなくなるからだろうと藤吉を責めます。
返す言葉も無く しかし、お園に責められて憮然とこの場を去ろうとする藤吉に お園は亀遊が可哀想で つい、きつい事を言ってしまったと謝ります。
座りなおした藤吉は 前の日に亀遊と泣いて別れたことを話すのでした。


折りしもここへ 亀遊の死について瓦版が出たと言う騒ぎ声が聞こえてきます。
藤吉が外へ見に行き、騒ぐ芸者たちと戻って来て 瓦版を読んでみれば イルウスの身請けを拒んで亀遊が辞世の句を残し家に伝わる懐剣で喉を突いて自害した と、書かれていました。
お園は 亀遊は無筆であったので辞世の句など残すはずはないと言い さらに、この句は 以前、吉原の遊女・桜木が詠んだ句で 自分は大橋訥庵に教えてもらったことを思い出します。


なぜ、この様な瓦版が出たのかと話していると 亀遊が自害した部屋を見せて欲しいと瓦版を見た客や浪人達がやって来ます。
下心の何もないお園は正直に亀遊の部屋を教えるのですが 亀遊の部屋が北向きの暗い部屋であったので、浪人達は怒って扇の間へ戻ってきます。
浪人達が怒っているので 岩亀楼・主人はとっさに、実は亀遊が自害したのは この扇の間だと言います。
お園も岩亀楼・主人の話に合わせて 亀遊の自害の一部始終を見たのは自分だと言い その折の様子を大仰に語り始めます。


客や浪人達がお園の話しを聞いて帰ると 藤吉は、瓦版のおかげで亀遊が自害したのは自分のせいだという後ろめたさが無くなり これで、心残り無くアメリカに渡れると言ってこの場を去ります。
そんな藤吉を見送りながら お園は、それでは亀遊が可哀想だと言うのでした。


しかし、お園が亀遊の死を悲しむ間もなく 岩亀楼・主人は扇の間を亀遊の部屋に替え 亀遊の名も亀勇と改めてしまいます。
そうして お園は亀遊の瓦版を見てやって来た客に、亀勇が自害した折の話を大仰に語る事になるのでした。



第四幕 横浜岩亀楼の引付座敷扇の間
舞台は五年後の扇の間 大橋訥庵の祥月命日で思誠塾の塾生たちが集まっています。
塾生たちは 最近の異人への対応や恩師・大橋訥庵の事などを話しながら静に酒を酌み交わしています。
そこへ岩亀楼・主人が挨拶に来るのですが 塾生が攘夷女郎の亀勇の話を聞きたいと言うのでお園が呼ばれます。


扇の間に呼ばれたお園は、亀勇の最期を大仰に話し始めます。
この話を聞きながら塾生たちは 大橋訥庵は良い時期に亡くなったと言います。
亀勇の話を語り終え、塾生たちの会話を聞いていたお園は 大橋訥庵の名を耳にして 以前、吉原にいた折に大橋訥庵は馴染みの客だったと言い そのころの吉原での様子など話し、大橋訥庵に習った歌を唄って聞かせます。


ところが、お園の唄を聴いた思誠塾の塾生は いきなり刀を抜いてお園に斬りかかります。
驚いたお園は 慌てて座敷から逃げ出します。
事情がよく分からず唖然としている塾生の飯塚に小山が いま、お園が唄った歌は亀勇の辞世で それを亀勇が亡くなる前にお園が大橋訥庵に習っていた事になると説明します。


しばらくして 逃げ出したお園は、塾生の多賀谷に捕らえられ座敷に戻ってきます。
飯塚が戻って来たお園を斬ろうとしますが 岡田がこれを止めます。
いま座敷に居るのが思誠塾の塾生である事は店に知られており さらに、異人を嫌って自害した亀勇の話をするお園を攘夷党の者が斬ったのでは問題になると言います。
亀勇の話が本当か、大橋訥庵に歌を習った事が本当かと問い詰める塾生たちに お園はどちらも本当だと言い、亀遊の亡くなった時の事情を話します。
これを聞いて 塾生の一人、松本が懐から財布を出し 大橋訥庵に歌を習ったという話は買い取るゆえ もうこの話はけしてしてはならないと口止めします。
飯塚や多賀谷が刀を突きつけ脅した後であるので これで、お園は大橋訥庵の事は話さないであろうと言って 思誠塾の塾生たちは帰って行きます。


一人、座敷に残されたお園は 恐る恐る顔を上げ、抜けた腰を引きずりながら酒をあおると 亀遊の話も大橋訥庵の話も、全て本当のことなのだと言い 雨の降る庭を見上げるのでした。





2日初日と23日に夜の部を見てまいりました。
自分の体調がすこぶる良かった事もございまして(笑) 3演目ともとても良かったです。
中でも、やはり「ふるあめりかに袖はぬらさじ」はとても面白いです。
笑えるという事だけではございませんで 玉三郎丈の練れたお園がとても良いのです。
この舞台はズイブン以前に劇場で見て、その後もTVで何回となく見ておりますけれど 今回の舞台が一番篤みを感じる舞台です。
とくに、唐人口の遊女が出てくるところは 今までですとチョッと引いてしまうところがあったのですが 今回は、しっかり見て感心してしまいました。(笑)

前後しますが 「寺子屋」は各々の役者さんはとても良いです。
ですけれど 全体のバランスがイマヒトツ馴染んでいないように感じました。
時代物の範疇にあって その幅の一番砕けた所と一番武ばった所の両端の役者さんが同じ舞台に居る感じです。

「粟餅」は「寺子屋」が重たい狂言ですので気分を変えるのにとても良い感じです。(^^ゞ
それに、三津五郎丈と橋之助丈の踊りが上手い!
短い舞台ですが その中にもいろいろ変化があり楽しい舞台です。





2日の感想など

☆今回の「寺子屋」は 全体に、各々の役者さんはとても良いです。
ですけれど まだ、初日ですので全体のバランスがイマヒトツ馴染んでいないように感じました。
時代物の範疇にあって その幅の一番砕けた所と一番武ばった所の両端の役者さんが同じ舞台に居る感じです。
後半になって全体に馴染んでくると もっと良くなるのではないかと思います。

「菅原伝授手習鑑」は全五段の時代浄瑠璃で 「寺子屋」は四段目切にあたります。
この様なことから見ますと 今回の舞台は全体の雰囲気が竹本でお話の進む時代物にしては 少し柔らかめであるように感じました。
これは、たぶん松王丸・勘三郎丈が 松王丸にしては武ばった雰囲気が少ないからなのだと思います。
ですが、それが軽さになっているわけではございませんし たぶん、10月に見た俊寛と同じ様に これが勘三郎丈の松王丸なのだと思います。
前半の寺子の顔を見るあたりまでは もう少し武ばった雰囲気があると良いのに っと、思いましたが 後半は内側からの情を感じる松王丸で、とても良いと思います。
源蔵の内に入ってから 源蔵と中央で決まる時の不穏な雰囲気、戸浪とぶつかって小太郎への思いを引き戻されるような感覚、首を見た瞬間のハットしたような一瞬の発露を‘菅秀才の首討ったは、紛いなし‘っと台詞で覆う小太郎を失う松王丸にとっても一か八かの心情 など、内側から見えてくる想いがございます。
また、後半 一度下手に入って二度目の出からは心情で客席を圧倒する力があったと思います。
ここからの勘三郎丈の松王丸はとても良いと思いました。
源蔵に小太郎の最後の様子を尋ねるあたりから‘源蔵殿お許しくだされ‘と、懐紙で男泣きのあたりまで 途中、桜丸の名を出しながらの小太郎への思い入れ このあたりはさすがに押しがあり大きさ篤みがございます。
それほど大きな動きのあるところではございませんので 気持ち一つで客席を圧倒する‘情‘の押しという様なものがあるのだと思います。
ですので はじめの出、寺子を見定めるところ、などに 重さ、大きさが感じられるようになると舞台全体が とても重圧になるような気がいたします。
それと、松王丸の衣装が黒地でなかったようでしたが これは以前、日本橋三越本店で開催された「歌舞伎展」で見た事のある(6)菊五郎丈の衣装と同じ様でした。

対する、源蔵・海老蔵丈ですが 雰囲気としては松王丸よりよほど武ばった感じだと思います。
ですが、これも重すぎるわけではございません。
全体に 余計な事がなく、しっかり丁寧にお勤めであると思います。
まだ、初日ですので深い思い入れを感じるほどではございませんでしたが 一番、時代浄瑠璃の雰囲気を感じました。
まだ、はじまったばかりですので これからの舞台に、台詞を含めた表面的なところではなく 内側からにじみ出る‘想い‘が感じられることを期待したいと思います。
ただ、着物の裾がはだけすぎてグズグズになっているのは 少し気になりました。

で、福助丈の千代が 一番、バランス良く時代浄瑠璃のお役に見えました。
海老蔵丈・源蔵と対する時も、勘三郎丈・松王丸とのバランスも 重すぎず、砕けず クドキでの思い入れもあり、とび出る事はありませんが存在感があると思います。
上手く書けないのですが 「寺子屋」の千代らしい千代であると思います。

勘太郎丈・戸浪、これは難しいお役だと思いますので 初日でこれだけしっかり見ていられるのはすごいと思います。
前半の源蔵から小太郎を身替りにする話を聞いて‘おお、そおでござんす。気弱くては仕損ぜん。鬼になって‘から 源蔵の‘せまじきものは宮仕へ‘の台詞へつなげるまでの 源蔵を受けての泣きから切羽詰った覚悟まで、しっかり見る事ができました。
また、源蔵が奥に入った後 松王丸とのやり取りも緊張感があり とにかく、頑張っていらっしゃるのが伝わりました。
ですが戸浪だけを見ると、さほど感じないのですが どうも、舞台全体を見ますと 時代物の重さがイマヒトツの様に感じ どことなく、世話がかって見えてしまいます。
これは、台詞の感じでしょうか?
このあたりも これから、どのように変わってくるのか期待したいと思います。

亀蔵丈の涎くりがオチャメ〜だと思ったのですが・・・涎くりの上手側お隣に座っていた寺子ちゃん、半紙を墨で真っ黒クロに塗りつぶしていましたね〜。(笑)
‘へのへのもへ字‘よりインパクトありました。(^^ゞ



23日の感想など

☆「寺子屋」は初日に見ました時よりは 全体のバランスが良くなっているように思えました。
ですけれど、やはり・・・なんと申しましょうか、松王丸が二人いるような感じの舞台に見えてしまいます。

勘三郎丈は初日よりも大きさを感じ また、台詞や所作の間が よりタップリした感じで、義太夫狂言の重さを感じます。
初日には 下手で玄蕃と並んでいて咳をする時や、首実検の後に一人で木戸口を出て籠に向かう時など チョッとやり過ぎな感じがあり 客席から笑いが起こったのですが 今回は加減がよく、違和感なく見る事ができました。
ですが、再び舞台に出て 源蔵と対し、刀を源蔵の前に置く場面は やたらと騒がしい感じと申しましょうか どたばたして見えてしまい沈痛な重圧感は欠けるように感じました。
これは、勘三郎丈・松王丸だけのことではないと思いますけれど・・・。

今回、一番良かったと思いましたのが勘太郎丈・戸浪です。
小太郎を伴なって舞台に出て、はじめの台詞を言ったところで‘お!良くなってる!‘っと思いました。
台詞の間が良くなっていて 前回は軽く感じたところが、義太夫狂言の台詞らしくタップリとしていました。
ですので 雰囲気が初日より、ずっとコッテリと重たくなっています。
また、海老蔵丈のかなり武ばった源蔵に合わせるような雰囲気を作っていらっしゃった様にも思えました。

海老蔵丈の源蔵ですが 悪くは無いと思うのですが、やはりバランスがイマヒトツです。
見ておりまして 松王丸が二人いるように見えてしまうほど 源蔵が前にドンっと出てしまって 勘三郎丈の松王丸をねじ伏せてしまう感じなのです。
台詞の妙な抑揚もさることながら 内側に思いを抑えられないのでは松王丸に対する源蔵にならない様な気がいたします。
松王丸を受ける事ができずに 源蔵自身が前に出てしまうのですね。
義太夫狂言の雰囲気という以前に 松王丸と源蔵のバランスが取れていない様に見えました。
今回は着物の裾も それほど、はだけてグズグズになることもなく 思い入れもしっかり感じ取れて良かったので できれば、自分が前に出るばかりではなく 他を前に出す様な受けができると良いのかな〜っと、思います。

福助丈の千代は一番安定していたように感じました。(^^ゞ





2日の感想など

☆「粟餅」という舞踊は江戸後期に流行った曲搗きををする粟餅売りを素材にしたものです。
当時は 二人一組で対の襦袢を着て曲搗きをし、搗きあがった餅を二、三間離れた所のきな粉入の木鉢に投込む曲投げや 手に握った餅を握りつぶして指の間から一度に五つの粟餅を作る芸などを見せて 餅を売ったのだそうです。

板附で幕が開きますと、下手に常磐津が三挺四枚で UPテンポで餅つきの様子を踊ります。
>来た来た ゝ ゝ 仕て来いな・・・
>今年しゃ世がよて木に餅が成るえ・・・
舞台面が明るい事もあり 気分も明るくなる感じです。

>さてこそ我らが仕似せには・・・
ここから、節句の様子を 少し艶っぽく踊っていきます。
仕抜きで三津五郎丈が お正月、3月3日、5月5日を踊ります。
>弥生は雛の草の餅 上と下とをひったりと 抱き付かせたは女夫ごと・・・
>五月は粽 蒲団着て寝たる姿や柏餅・・・
常磐津の内容を見ても とても艶っぽい感じで これを、少しゆっくりした踊で見せていきます。
三津五郎丈、所作がとても綺麗です。

続いて 橋之助丈の仕抜きになり ここから少しテンポよく廓模様の踊になります。
>浮いた波とや山谷の小船 猪牙でこがれて通わんせ・・・
7月7日の七夕にかけて 再び艶っぽく踊ります。
>七夕のその星合の契り餅・・・

9月9日の重陽の節句から三津五郎丈の踊となり
>早や菊の酒重陽の・・・

>酔うた酔たよた五人の中へ・・・
ここから、六歌仙をもじった踊になります。
小野小町、僧正遍昭、文屋康秀、在原業平、大伴黒主、喜撰法師と 踊り分けていきます。
ここはさすがの三津五郎丈で それぞれのキャラクターのエッセンスを見事に踊り分けていると思いました。

>あつみさ これ五郎左どのな・・・
終盤になり、団扇太鼓を打ってUPテンポに踊り収めます。

前の舞台が重い舞台ですので 明るく気分が変わって、とても良かったです。
三津五郎丈はもちろんですが、橋之助丈もすっきりとした踊で 初日とは思えないくらいお二人のイキが合っていて、明るい感じの舞台です。



23日の感想など

☆今回の「粟餅」は、何にも考えずにポ〜ッと見ておりました。
ですので 特別はございません。(^^ゞ





2日の感想など

☆「ふるあめりかに袖はぬらさじ」は 有吉佐和子作で文学座の杉村春子さんの舞台です。
玉三郎丈は杉村春子さんの当り役であったお園を受け継ぎ、上演を繰り返してきました。
じつは、私は玉三郎丈のお園を見た後に 一度だけ杉村春子さんのお園を見ているのですが どうも、はじめの玉三郎丈のお園のインパクトが強くて 私の中ではお園は玉三郎丈でございます。(^^ゞ

で、はやり今回の「ふるあめりかに袖はぬらさじ」も とってもおもしろい舞台です。
可笑しくて笑えるということもございますけれど それ以上に、舞台に篤みがあり なにより玉三郎丈のお園が 馴染んでいると申しましょうか、練れた感じで 舞台の吸引力がすごいのだと思います。

初日は終わりましたのが9:50くらいでしたので 10分の幕間を入れて3時間近い上演時間だったでしょうか・・・。
もともと、「ふるあめりか」だけで上演できる舞台ですのでボリュームがあるのは当然なのですね。
実際に舞台を見たところでは もとの舞台をカットしている様子もございませんでした。
ですので 見た目に深刻なお話ではございませんけれど かなり見応えがあると思います。

ですけれど 私はちっとも長いと思いませんでした。
自分の体調がすこぶる良かったことや、何回か舞台を見ていてお話の展開を知っていたこともあるかもしれませんが 一座の役者さん総出演ということで ダンゼン舞台が大きいのですね。
さらに、初日とは思えないほどスムースな舞台でした。

玉三郎丈のお園が もう、すっかり手の内で練りあがっているので 台詞の緩急や、途中のぶつぶつと呟くような言いまわし、間の取り方、などなど絶妙です。
以前に見た時には どことなく芝居がかって見えた(まあ、芝居なのですけれど・・・)行燈部屋の場面や幕切れ前の背面での台詞が 今回はすごく自然で‘らしく‘見えます。
また、これまでお園というキャラクターが、よくわからなかったのですが 自分が歳を取ったせいもあるのでしょうけれど(笑) 今回はなんとなく‘こんな人なのかな‘っと思えました。
行燈部屋で藤吉や亀遊と話すお園、藤吉が旅立つ前のお園、全てが成り行きで語り部になってしまったお園、 お話の展開の中で心情と現実が食い違って行く感じが笑って舞台を見ているうちに伝わってきます。
思誠塾の侍を相手に、扇子を持ち講談のように亀勇の話をするお園は 見ているとおもしろいのですが でも、とても切なく感じます。
大仰に話せば話すほど 寂しいのですね。
この寂しさを あの笑いの舞台の中で感じさせるわけなので ケッコウすごいなっと思うのです。
笑いの多い舞台で 一番はじめの行燈部屋の暗さや寂しさを失うことなく 笑いの下側にそれを見せる力は さすが玉三郎丈だと思いました。
で!立ち姿の美しいこと! まさに、夢二の絵の様で すっと立った姿の縦線が最高に綺麗です。
歌舞伎の赤姫の美しさとは また違ったすっきりとした流れるような艶っぽくて粋な美しさです。

勘三郎丈の岩亀楼主人は、これも存在感のある主人です。(^^ゞ
今までに見た、「ふるあめりか」の中で、一番よく喋る主人ではないでしょうか。(笑)
七之助丈の亀遊がとてもいいです。
薄幸な遊女の雰囲気があり、藤吉に対する時の可愛さがあり 病が治って座敷に出た時の花魁姿が透明感のある美しさで、はかなげですが大きく見えました。
それから、やはり福助丈と彌十郎丈がスゴイです。(^^ゞ
唐人口の遊女は見た目で引くところがあるのですが・・・イルウスだけではなくて、たぶんたいていの人は引くと思うのですね(笑)・・・それでも、福助丈の存在感はバツグンで 唐人口の遊女を見て‘けなげさ‘を感じたのははじめてです。
後半、岩亀楼から逃げる時 窓から外に出て‘あ〜!!!‘ って、オモイッキリ笑えました。
ぞろぞろぞろっと出てくる唐人口の遊女ですが かなりスゴイ顔ばかりなので、よく見ないと誰だかわからないのですが それでも新悟丈、松也丈はすぐに分かりました。
彌十郎丈のイルウスは上手いですね。
ゼンゼンすべっていませんもの。
他 獅童丈の藤吉 橋之助丈、門之助丈、海老蔵丈 がいいと思いました。
三津五郎丈は、ちょっともったいないような気がいたしました。(^_^;)



23日の感想など

☆本日の「ふるあめりかに袖はぬらさじ」が 私にとりましては、今年の納めの舞台でございます。
やっぱり、おもしろくってゼンゼン長いと感じませんでした。
終演は9:43頃でしたでしょうか・・・初日とそれほど変わっておりませんでした。(笑)

玉三郎丈のノリが良くて(笑) とにかく、おもしろいです。
チョッと声を潰すような感じの台詞をおっしゃる事が多かったので喉は大丈夫なのかしら? っと、思ったりもいたしましたが・・・。
初日より亀遊に対する思い入れがシッカリ感じ取れまして おもしろいのですが その中に寂しさとか悲しさとか、流れの中でどうにもならない性といったようなものがうまく緩急が付いて見えてきます。
まあ・・・ですけれど 今回は2回目でしたので、理屈ぬきで見てしまいました。(笑)
だって、今年最後の舞台ですもの 楽しまなくっちゃ!
「そ〜なんですよ〜」って、耳から離れません。(^^ゞ
それと、福助丈のマリアがパワーアップしておりました。(爆)
あっと・・・幕切れの後 チョッと客席の拍手が大きめで、いつもよりほんのチョッと長めでした。
楽日にいらっしゃる方はゼヒ頑張ってくださいませ。(^^ゞ
(後日追記:やはり楽日には玉三郎丈お一人で一度だけカテコがあったそうです)






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