2007年09月18日           もくじへ戻る トップページへ戻る 
    歌舞伎座 昼の部   三階B中央の席

  *竜馬がゆく 立志篇
    三幕

  *一谷嫩軍記 熊谷陣屋
    一幕

  *村松風二人汐汲
    長唄囃子連中


竜馬がゆく 立志篇
 坂本竜馬:染五郎
 桂小五郎:歌昇
 池田寅之進:宗之助
 中平忠一郎:種太郎
 山田広衛:薪車
 すぎ:歌江
 千葉重太郎:高麗蔵
 勝海舟:歌六

第一幕
横須賀への間道
舞台は横須賀村 黒船が停泊しています。
百姓女のすぎに長州藩士が怪しい侍を見なかったか尋ねているところへ 同じ長州藩の桂小五郎がやって来ます。
長州藩士は桂小五郎にも間者らしい怪しい侍の事を尋ねますが 折から、軍艦の礼砲が鳴り、この場を去ります。
長州藩士が去ると 旅姿の若侍・坂本竜馬が現れ 桂小五郎を見ると、共に黒船を奪おうと持ちかけます。
桂小五郎は素性を尋ねますが 怪しく思い、斬りかかります。
坂本竜馬は これを防いで、斬り合いとなりますが 桂小五郎の刀が折れ、坂本竜馬は自らの刀の刃こぼれに気付き 途中で争うのを止めてしまいます。
互いに名乗りあうと 長州藩の桂小五郎と土佐藩の坂本竜馬である事が分かります。
坂本竜馬は桂小五郎から長州藩の陣立てを教えてもらい すぎが用意した酒を酌み交わしながら話し始めます。
桂小五郎は様式の軍隊が必要だと言いますが 坂本竜馬は土佐藩では上士と郷士という身分があり郷士は差別されているのだと語ります。
話すうち二人は友となり 互いに長州と土佐を変えようと決意します。



第二幕
第一場 土佐永福寺門前
舞台は土佐、永福寺の門前 折りしもここへ実家・池田家から戻る郷士・中平忠一郎と、酒に酔った上士・山田広衛が通りかかります。
すれ違いざまにぶつかってしまった中平忠一郎は 相手が上士・山田広衛であったので謝ります。
しかし 雨の日に郷士は下駄を履くことが許されていないにも係わらず中平忠一郎が下駄を履いていたので これを咎めた山田広衛が中平忠一郎を蹴りつけます。
山田広衛の理不尽な態度に ついに我慢できなくなった中平忠一郎は斬りかかりますが、返り討ちされてしまいます。
ここへ小者の知らせで中平忠一郎の兄・池田寅之進が駆けつけ 弟の敵である山田広衛を斬ってしまうのでした。


第二場 土佐郷士の池田家
舞台は翌日の池田家 郷士たちが上士と争いを始めるべく集まっています。
ここへ、郷士のまとめ役になっている竜馬が駆けつけ 山田の屋敷でも上士が争いを始めるために集まっていることを伝えます。
今までの恨みを晴らそうと血気盛んな郷士たちを竜馬は抑えて 争わずにすむ手だてを考えるのでした。
すると 奥の間から寅之進が現れ城へ出向くと言います。
しかし、竜馬は寅之進に身の安全のために脱藩する事を勧めます。
集まった郷士たちが寅之進を逃がそうと話しているところへ 目付役が来て、上士を斬った寅之進は大罪人ゆえ、匿う者も罪人だと言います。
郷士たちは怒りますが これを聞いた寅之進は切腹します。
竜馬は 弟の敵を討った寅之進が死なねばならぬのが今の土佐藩だと言い 寅之進の介錯をすると 土佐藩を出る決心をするのでした。



第三幕
第一場 勝海舟屋敷
舞台は勝海舟の屋敷 土佐藩を脱藩した竜馬は千葉道場の千葉重太郎と共に 国のためと信じ勝海舟を斬りにきます。
しかし、竜馬らの行動を見こした海舟は尊皇攘夷と騒ぐより 中国や印度の様に列強の国に操られないためにも、攘夷のためにも 軍艦や大砲が必要だと語ります。
さらに、アメリカでは貧富はあっても みな、平等で志を持って生きていると言うのでした。
これを聞いて竜馬は海舟の弟子にして欲しいと頼みます。
竜馬の言葉に重太郎が怒ってこの場を去ると 竜馬は海舟にどの様に列強の国に立ち向かうのか尋ねるのでした。
これに、海舟は まず開国して交易をし、得た利益で軍艦を建造し 藩をなくして国として列強国に対するべきだと言います。
これを聞いた竜馬は 国を一つにするためには幕府を倒し、天皇の下に万民が平等になるべきだと言います。
海舟は竜馬の話しに驚くのでした。


第二場 築地軍艦操練所
舞台は築地軍艦操練所 竜馬は海舟の弟子となり、これからの飛躍を誓うのでした。





一谷嫩軍記 熊谷陣屋
 熊谷直実:吉右衛門
 相模:福助
 藤の方:芝雀
 堤軍次:歌昇
 弥陀六:富十郎
 源義経:芝翫


  あらすじはこちらでどうぞ





村松風二人汐汲
 松風:玉三郎
 村雨:福助

勅勘により須磨に流された在原行平と想いあった松風、村雨の姉妹は その後、罪を許され京へ戻ってしまった行平を想い続け この世を去ります。

舞台は後の須磨の浜
>松一木 変わらぬ色のしるしとて
かつての松風、村雨の姉妹が汐汲み桶を天秤にして現れます。


>ゆかしき伝も知ら浪の 寄する渚に世を送る
二人は手踊りから
>ここは鳴尾の松かげに
で、汐汲みの様子を踊ります。


>見渡せば 面白や 馴れても須磨の夕まぐれ
ここから扇を手にして 松風、村雨の華やかな踊になります。


>かたみこそ 今は仇なれ 見初めて初めて
松風が行平の形見の狩衣と烏帽子を付け舞い始めます。
>逢うたその夜はついころび寝の 帯も解かいでそれなりに
ここからクドキとなり 狩衣を手に、松風と村雨が共に行平を想います。


>ひと夜寝る身を比翼と思や
ここから 千鳥尽くしの賑やかな踊りとります。


>思いは堅き望夫石 それは筑紫の松浦潟
再び松風と村雨は形見の狩衣を手に嘆くのでした。
(ここは清元の”須磨の写絵”の歌詞を引いています)




18日は3日間の連休明けでございまして、騒ぐ子供たちからようやく解放されて(笑)歌舞伎座・昼の部を見てまいりました。
で、何かあったのでしょうか?
朝の開場前から幕見に長い列ができておりまして たまたま、「村松風二人汐汲」の前の幕間に後を振り返りましたら 立ち見でたくさんの人がいらっしゃいました。
別に何があるという事ではなくって 人気があるという事なのでしょうか?(^^ゞ

前回、2日に歌舞伎座に行きました折 2階の展示コーナーを見たのですが その時に宇野信夫氏の詠(はりまやの おりし日とほき 菊日和)が書かれました色紙の初代の絵姿がとても印象に残っておりまして 今日は、”熊谷”を見ますので もう一度、改めて見に行ってしまいました。
髪を落とした頭に手をやる熊谷が、当代の舞台を見ておりまして重なりました。

あっと、それから舞台写真が もう、たくさん出ているのですね。
真っ先に玉三郎丈の舞台写真を見てしまいました。
どれも素敵なのですが”阿古屋”で 花道からの出のところ、七三で決まった後姿を斜めに写した写真がスゴク素敵でした。
スッと伸ばした腕から肩、柔らかにカーブして裾までの線がとても美しいです。
カッコイイですね〜。

すみません。m(__)m
前置きが長くなりました。
感想など書かせていただきます。





☆今回の舞台の「竜馬がゆく 立志篇」は これからの竜馬の生き方を決める発端になる部分の上演です。
原作は司馬遼太郎です。
じつは、見る前は‘どんなかな?‘っと思っておりましたが これが、ケッコウ良いのですね。
定式幕が引かれておりましたが どうも、あまり舞台の展開とは合わないと思いましたし また、歌舞伎座で見る舞台とも思えない感じでございまして どちらかと申しますと演舞場の方がシックリくるようにも思えるのですが それは、チョイスの仕方だと思います。
舞台そのものはかなり良い感じの舞台であると思いました。
朝一番で見る舞台ですが 見終わってから爽快感の残る舞台です。
チョッと青春学園ドラマの様なラストですが それまでの展開が上昇志向なので、それほど違和感はありませんでした。
ただ、先にも書きましたが これを歌舞伎座で見る事には違和感があるかもしれません。

染五郎丈の器用さがよく出ている舞台だと思いました。
ですが、けして軽く上滑りしている感じではございませんで 要所々々で表現される感情に緩急がしっかりあり それが舞台の展開に強弱を与えていてテンポ良くお話が展開するように見えました。
特に、緊迫した雰囲気から軽くかわすところのスイッチが上手いので いろいろ気の滅入る事が展開しても それが重たく残りません。
ですのでラストでの前向きな感じが生きてくるのだと思います。

一幕目の幕開きすぐから歌江丈がとても雰囲気がございまして こういうところは、やはり歌舞伎の舞台だからこその篤みなのかなっと感じます。
また歌昇丈も‘らしさ‘がございます。
竜馬と対する桂小五郎ですが やはり、緩急のスイッチが少しずれると わざとらしくなってしまうのですが 切り替えが上手く、わざとらしさや軽いと感じる事はありませんでした。
この幕は歌昇丈、歌江丈のウエイトが大きいように感じました。
どちらも篤みがございますので舞台に重さが出るのだと思います。

二幕目は薪車丈、宗之助丈、種太郎丈が頑張っていらっしゃいます。
結構うるうるする一幕です。

三幕目は歌六丈が大きいです。
竜馬と対して いろいろ事情を知る大人な感じがあり懐の大きさを思わせます。
くだけた雰囲気はございますが したたかな鋭さがあり やはり、舞台に重さ篤みを出していると感じました。
ただ、もう少しテンポよくお話が展開すると良いのかな っと、思いました。
で、高麗蔵丈の‘え〜〜〜‘は うれしいサプライズでしょうか。(笑)

全体に役者さんの自力で見せきる展開の様に見えました。
染五郎丈の竜馬の心情の起伏の出し方 竜馬と係わる人たちの篤み こういった事がお話の展開に重さを出して 歌舞伎風ではございませんけれど 見応えのある舞台にしていると思います。





☆ 「熊谷陣屋」は全五段の時代浄瑠璃の三段目になります。
全体の流れ、大序から四段目までのあらすじはこちらが参考になると思います。
2005年11月「一谷嫩軍記 熊谷陣屋」の感想欄

まず!今回の「熊谷陣屋」は大きな舞台だと感じました。
今まで熊谷が大きいと感じる事はございましたが 今回は吉右衛門丈の熊谷ももちろんですが 舞台そのものがとても大きくて、まさに‘大歌舞伎‘の舞台だと思います。

幕開きすぐ上手の床は清太夫です。
ですのでオキからかなり重圧な感じでございまして これからの展開にスンナリ入っていけます。
前半が清太夫 後半が綾太夫の出語りです。

吉右衛門丈の熊谷は大きくて武ばった感じがピッタリしているのですが 滲み出る様な優しさがあるので 始終、小次郎や相模への想いが伝わります。
表面的に所作として目立って何か見えるという事ではございませんけれど 思い入れがあるのだと感じます。
花道からの出の 沈んだ感じから舞台に上がって相模に気付き後を振り向く時のたっぷり引きつける様な感じからパット顔を見てキット決まってパンと袴を叩くまでのイキは素晴らしいです。
何とも言えない男気を感じるカッコ良さがございます。
で、この時 相模を見て一瞬の‘?!‘っと言う感じに 相模に対する優しさを感じるので この後、二重に上がって相模に対する台詞にも滲むような優しさが見えてくるのだと思います。
また、藤の方に対する時の様子も 全てを抱えての懐の大きさがあります。
なんと申しましょうか 良い意味での武将の優という様なものを感じるのですね。
敦盛との様子を語るときの勢いのよさ、押し出しの強さ大きさ 3階から舞台を見ておりましてもとてもよく伝わります。
一度入って二度目は舞台中央から長袴で首桶を抱えての出になります。
相模や藤の方とのやり取りもございますが 花道つけまで行って義経の声を聞いて舞台に戻るまで始終押し殺したように静かな熊谷です。
外に出さない分 内側への沈痛な心情を察する事ができます。
義経を前に首桶の蓋を開けてから 相模と藤の方を押さえ、制札の見得に決まるまで いかにも義太夫狂言らしい流れでなのですが その中にも、何というのか ‘これでよかったのか‘とか‘小次郎や相模への想い‘とか ‘情‘のようなものを感じるのですね。
ですので 制札の見得、制札で首桶を隠すわけですが その折の、辛い心情がガッシリ決まる見得の中から伝わるのです。
チョッとスゴイと思いました。
今回の制札の見得の時は 首桶の蓋は閉まっています。
相模が首桶の首が小次郎だと気付いた時 熊谷は相模を制して首桶の蓋を閉めてしまいます。
ですので、下向きにした制札で隠すのは首桶という事になります。
それから首を藤の方に見せるよう相模に言い 相模が首を受け取りますが ここは‘硬派‘な優しさを感じます。
素直でない優しさと申しましょうか、無骨な優しさと申しましょうか 素直に相模と一緒に小次郎の首を抱えてしまえば良いのに っと、思ってしまいます。(^^ゞ
ですけれど これが、吉右衛門丈でございまして ここがカッコイイのですね。
この時の首桶の扱いは 蓋を開けた状態で首桶を相模の前に差し出す形です。
三度目の出が鎧兜で後に僧の姿になります。
義経に許しを貰い旅立つわけですが まず、二重から降りて階で旅支度をするところ 相模が履物を熊谷に履かせますが、さりげないところなのですが お二人に哀愁を感じます。
最前まで武ばった感じの吉右衛門丈の熊谷が とても、寂しく見える瞬間です。
幕外になって愁い三重で花道ですが ここは最初が今まで抑えていた気持ちがドット表面に出る感じで 「十六年は、夢だ夢だ」で持ちこたえていた心情が崩れます。
ケッコウここの場面は劇的に‘悲‘を感じます。
舞台にいる間 押さえていた、内側に向かっていた心情が ここで、表面に出るからなのでしょう。
”あ〜、この熊谷がこれほど‘悲‘に流されるかよ”っと思う一瞬です。
ですがこの後 1回目のドンジャンでキットなり、2回目のドンジャンでは‘く〜‘とこらえる感じで 再び吐露されるような感情は見えません。
幕外ですから それほど長い時間ではございませんが ここでの感情のメリハリが見終わった後の余韻を濃厚にする様な気がいたします。

はじめに書きましたが今回の「熊谷陣屋」が舞台そのものがとても大きく感じるのは 芝翫丈の義経、富十郎丈の弥陀六によるところが大きいと思います。
芝翫丈の義経は品、格、大きさ どれも素晴らしいです。
とくに見ておりまして 吉右衛門丈の熊谷、富十郎丈の弥陀六を受ける時の大きさはまさに御大将の格を感じます。
富十郎丈の弥陀六は押しがございます。
こんなにガッシリとした重みのある弥陀六は初めて見ました。
上手から出ての台詞、花道へ出てからの台詞は‘〜です。‘っという様な感じの台詞ですが 十分に義太夫狂言の台詞になっておりまして上手いな〜っと思いました。
重みがございますので 弥陀六が宗清である事に説得力があります。
ですので、舞台に戻ってから「獅子身中の虫」までの悔やみきれない過去への後悔がギリギリ歯を噛むような感じで伝わります。
義経と弥陀六の場面がこれほど大きく感じたのは初めてで 芝翫丈、富十郎丈、すごい!っと思いました。
それと今回は「幽霊の御講釈」でした。

で、福助丈が大健闘たど思います。
確かに、吉右衛門丈の熊谷で 芝翫丈の義経、富十郎丈の弥陀六、芝雀丈の藤の方、堤軍次が歌昇丈 ですので この中で相模はかなり大変かと思われますが 余計な事もなく、キッチリ相模をお勤めで良いと思いました。
まず、第一印象(っと、言うのでしょうか)幕開きすぐ 竹本のオキの後、舞台中央から出て座ったところ 熊谷が戻ってくる知らせの声がかかるところですが この時の姿がとても美しいです。
特別な事があるわけではございませんが 客席の視線を舞台に集めるという事では大事な事なのではないかしらと思いました。
ここから先、かなり良いと思うのですが 小次郎の首を見てからのクドキが、内からの心情が足りないので 少し表面的に大仰に見えてしまいます。
ですので、ここが長く感じますし 見ていてここまでの緊迫感が緩みます。
ですが ここから後は持ち直しまして 僧姿になった熊谷をなお気遣う姿がとても寂しく 見終わって十分余韻が残ります。
熊谷から小次郎の首を受け取るのは 芝翫丈の相模の時と同じ感じでしたが はじめはそのまま首桶から首を抱え持ち 藤の方に差し出す折に懐紙に乗せる形です。
総じて、良い相模だと思いました。

芝雀丈の藤の方は品ももちろんですが 吉右衛門丈の熊谷を相手に十分に格を感じます。
それと、敦盛への優しい想いが始終伝わり 品格があっても、それゆえの冷たさを感じないのが良いと思いました。
歌昇丈の堤軍次は しっかり感があります。

今回の「熊谷陣屋」は熊谷のみでなく 周りを固める役者さんによって これだけ舞台の大きさが変わるのだという事を実感できる舞台であると思いました。





☆「村松風二人汐汲」は「七枚続花の姿絵」という(三)三津五郎の七変化舞踊の中の一つ、長唄での舞踊「汐くみ」を元にして これに清元での舞踊「今様須磨の写絵」を取り入れたものだそうです。
どちらも謡曲の「松風」を元にした‘松風物‘ですので 今回の「村松風二人汐汲」も能がかりなところがございます。

舞台は長唄と鳴物のひな壇で 唄は長唄の「汐くみ」の方の歌詞です。
>松一木 変わらぬ色の印とて
オキの後 今回の舞台は花道ではなくて 舞台中央のセリから松風、村雨の姉妹の出となります。
ドロドロドロで出るのは二人がこの世に居ないからで このあたりで能を意識しているのが分かります。
玉三郎丈の松風が白地の衣装 福助丈の村雨が赤地の衣装で 共に海女の腰蓑を付けて 汐汲みの桶を天秤にして担いでいます。

まだ筋書きを購入しておりませんので‘たぶん‘ですが 大まかな流れは 手踊りから、汐汲みの踊、烏帽子狩衣(実際は直衣ですが)玉三郎丈の能がかりな踊 それから、玉三郎丈が行平での福助丈の村雨との踊 福助丈お一人でのクドキ 最後がお二人での手踊りでの‘千鳥づくし‘ではないかと思います。

まず、感じましたのが やはり、お二人の感じの違いです。
玉三郎丈の凛とした雰囲気と 福助丈の艶っぽさ とても面白いと思います。
女形お二人の美しさもあり いい感じの緊張感もございまして かなり、見応えのある舞台だと思います。
お二人で同じ所作で踊っておりましても 雰囲気がずいぶん違います。
玉三郎丈は胸から肩、腕がとてもしなやかに動いて見えますので 大きく、優美に見えます。
福助丈は手首から先、指先までが とてもしなやかに見えますので 踊に艶っぽさを感じます。
福助丈の小指が、特に色っぽいのです。
どちらを見ておりましても嬉しくなってしまいます。(^^ゞ

汐汲みの踊の後 玉三郎丈の烏帽子狩衣での能がかりな踊りになります。
ここは、たぶん玉三郎丈ならではの舞です。
っと、申しますか 玉三郎丈でなければ これほど見応えのある舞には見えないのではないかと思ってしまいました。
とても緊張感のある部分で 息を詰めて見入ってしまいます。

ここから、烏帽子を取り狩衣を使って 玉三郎丈と福助丈のお二人での踊りになります。
先ほどの能がかりな舞いから ずっとくだけた感じになるのですが 玉三郎丈が、ちゃんと行平に見えるのですね。
それをさりげなくスイッチしてしまうわけで やっぱり、玉三郎丈はカッコイイです。(^。^)
福助丈と狩衣に包まって 腕を枕にして寝る所作で次の展開に移ります。
ここ、お二人で寄り添う感じになるのですけれど・・・‘あ〜いいな〜‘とか、チョッと裏山だったりいたします。(笑)

前の所作からそのまま狩衣を使って福助丈お一人でのクドキになります。
スゴク艶っぽくて素敵です。
今までにも何度も福助丈の踊りを見ているのですが 今回はスゴク見応えがございます。

‘千鳥づくし‘になって再びお二人での踊りになります。

全体に見ておりまして 玉三郎丈・松風と福助丈・村雨の姉妹のバランスが良いと思いました。
お二人で踊っている時も 玉三郎丈が福助丈を気遣うように視線を向けるのが分かりますし 手を差し伸べる時も玉三郎丈・松風の方が福助丈・村雨の手を取りに行く感じが分かります。
真に裏山な一幕でございます。(^^ゞ






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