2007年09月02日・23日        もくじへ戻る トップページへ戻る 
    歌舞伎座 夜の部   三階B中央の席

  *檀浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき) 阿古屋
    一幕

  *新古演劇十種の内 身替座禅
    常磐津連中
    長唄囃子連中

  *秀山十種の内 二條城の清正
    二幕三場


檀浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき) 阿古屋
 遊君阿古屋:玉三郎
 榛沢六郎:染五郎
 岩永左衛門:段四郎
 秩父庄司重忠:吉右衛門

舞台は堀川御所  平家の武将・悪七兵衛景清の行方を詮議するため 朝廷守護の代官・秩父庄司重忠と、助役・岩永左衛門が現れます。
ここへ重忠の家臣・榛沢(はんさわ)六郎が 悪七兵衛景清の想い者で、景清の子を身籠っている遊君阿古屋を連れてきます。
捕手たちに囲まれた阿古屋は 昨日まで担当であった岩永の厳しい詮議を受けていました。
この場でも阿古屋を厳しく詮議すると言う岩永に 今日より担当が替わった重忠は、この申し出を断ると 理をもって阿古屋に景清の居所を問いただします。
義理と情を立てるのが遊女の習いではあるが状況を考え景清の居所を白状するように優しく説得するのでした。
しかし阿古屋は もしもの事を考え、はじめから景清の所在を聞いていませんでした。
拷問して白状させようと言う岩永に 阿古屋は、情けある重忠の詮議は先の厳しい詮議より辛く思え 知っているものなら話もするが 知らないと言う自らの言葉を信じてもらえないのであれば いっそ殺してくれと言います。
怒った岩永は拷問しようと役人を呼びますが これを止めて重忠がかねてより用意の責道具を持参させます。
その責道具は 琴、三味線、胡弓で 重忠は阿古屋にこれらの楽器を弾くよう命じます。


まずはじめ 重忠は阿古屋に琴を弾くよう命じます。
>影と言ふも、月の縁
>清しと言ふも、月の縁
>かげ清き、名のみにて映せど、袖にやどらず
と、「蕗組(ふきぐみ)の唱歌」を唄います。
これを聞いた重忠は 阿古屋が唄に身の上を置き換え、景清の行方は知らないと言っていることを察し さらに、景清との馴れ初めを聞きます。
問われるままに阿古屋は 景清が尾張からよく訪ねて来てくれたこと 五条坂で見知りあい羽織の袖のほころびを繕ってさしあげたのがご縁で 雪の寒さの頃、お茶をさしあげ、いつの間にやらお酒になり 想いが通うようになったと話します。


馴れ初めを聞いた重忠は さらに、三味線を弾くよう命じます。
>翠帳紅閨に、枕並ぶる床のうち
>馴れしふすまの夜すがらも、四ツ門の後夢もなし
>さるにても我が夫の、秋よりさきにかならずと、仇し詞の人心
>そなたの空よと詠むれど、それぞれと問ひし人もなし
と、阿古屋は 漢の武帝の寵愛を失った班女の閨にたとえて景清とは関係ないと唄います。
これを聞いた重忠は 平家が戦に敗れた後も景清は阿古屋に会いに来ている事を指摘します。
阿古屋は 平家全盛の頃でさえ五条坂の遊女のもとに通うとあれば弓矢の恥と遠慮がちであったものを 戦に敗れてからは、さらに会いにくくなり 編笠で顔を隠して見世先の格子越しに 「まめであつたか」「アイお前も無事に」と、たった一口交わすだけでした と話します。


これを聞いた重忠は なお、胡弓を弾くよう命じます。
>吉野竜田の花紅葉
>更科、越路の月雪も、夢とさめては跡もなく
>仇し野の露、鳥辺野の、煙は絶ゆる、時しなき、これが浮世の誠なる
と、阿古屋は景清とのことは鳥野辺の煙のようで 浮世ははかないものだと唄います。


胡弓の演奏を聞き終えた重忠は「阿古屋が拷問ただ今限り。景清が行方知らぬといふに偽りなき事見届けたり。」と 阿古屋の言う事に偽り無しと認め 解き放すと言います。
しかしこれを聞いた岩永が抗議すると 重忠は阿古屋の三曲に少しも音色の乱れがないのは心に偽りがないからだと言いうのでした。






新古演劇十種の内 身替座禅
 山蔭右京:團十郎
 太郎冠者:染五郎
 侍女小枝:右之助
 侍女千枝:家橘
 奥方玉の井:左團次


  あらすじはこちらでどうぞ





秀山十種の内 二條城の清正
 加藤清正:吉右衛門
 豊臣秀頼:福助
 藤堂和泉守:歌六
 清正妻葉末:芝雀
 井伊直孝:歌昇
 本多佐渡守:段四郎
 大政所:魁春
 徳川家康:左團次

第一幕
第一場 清正の館
舞台は清正の館 上洛した徳川家康は自らの居城である二條城に豊臣秀頼を招き対面したいと申し出ていました。
家康は秀頼の母・淀殿が対面に反対するであろうと予測し それを口実に豊臣家を滅ぼそうと考えているのでした。
それゆえ清正は、豊臣家を救おうと 病中であるにもかかわらず自室に籠り神仏に祈願しています。
折りしもここへ 清正の命で愛宕山へ参籠した茜染千之助が占いの結果を伝えに戻ってきます。
しかし清正は占いの結果を聞いても 上洛しなければ豊臣家は滅ぶと言います。
さらに清正奥方・葉末が現れ 上洛するのであれば秀頼と共に淀殿は自害すると言っていると 大坂城内の様子を伝ます。
これを聞いた清正は上洛を促すため大坂城へ登城することにしすが ここへ、大坂城から斑鳩平次が戻り 秀頼が上洛を決めた事を言上します。
しかし豊臣恩顧の福島正則が秀頼の介添役を辞退した事を聞き 清正は豊臣家へ最後の奉公を決意し 家中の者に甲冑を付けるよう命じると 自らも陣羽織を身に付け、下知を下し 大坂城へ向かうのでした。



二幕目
第一場 二條城大広間
舞台は二條城 徳川家康、大政所、本多佐渡守らが待つところへ 家康の子・石兵衛義直、常陸介頼宣と清正を供に秀頼がやって来ます。
居並ぶ武将を見て この対面は内々の事であるが陪臣が居るのは恐れ多い事だと清正が言うのを 秀頼は事なきように納めます。
秀頼が上座に着くと、もてなしが用意され 家康からの引出物が運ばれます。
この機を見計らい本多佐渡守が秀頼に近づこうとするところを清正が止めます。
秀頼からの返礼を受け取った家康は さらに、盃を勧めますが これを清正が代わりに受け取ると 今度は、文禄慶長の弔い戦をする事になったらと問います。
秀頼は父・秀吉の遺志を継いで攻め上ると言い その折は、江戸将軍家に先陣を頼むと言うのでした。
事あるごとに秀頼に近づこうとする本多佐渡守は 再び、盃を勧めますが これも、清正に一喝されてしまいます。
すると 本多佐渡守は 秀忠将軍宣下の際、秀頼が上洛しなかった事を非難しますが 清正は、秀頼は豊臣秀吉の子息であるから 秀頼が頭を下げるのは帝のみと言うのでした。
清正は徳川家と豊臣家の仲が睦まじくあるよう家康に誓言を求め 次回は家康が大坂城へ出向いて欲しいと言います。
清正の申し出を聞き入れた家康は秀頼に休息を勧めますが 秀頼は母・淀殿との約束があると言い この場を去ろうとします。
折りしもこの時 隣の武者溜まりから騒ぐ音が聞こえます。
清正は秀頼を庇うと「還御」と大きな声で告げるのでした。


第二場 淀川御座船の上
舞台は淀川を下る御座船の上 折から秀頼の命を狙う徳川方の者たちが夜の闇に紛れ御座船に近づくので 清正が短筒を撃ち撃退しています。
するとここへ秀頼が出御し 病の中での忠臣に感謝します。
しかし清正は万が一の事がある時は かつて合戦の褒美として秀吉から賜った短刀で秀頼を刺す覚悟であったと言います。
清正の本心を聞いた秀頼は なお、清正に感謝するのでした。
清正は幼い頃の秀頼を想い涙します。
また、秀頼も清正に生きてくれと言うのでした。
御座船は遠くに見え始めた大坂城へと進んで行きます。




本日、初日で歌舞伎座・夜の部を見てまいりました。
久しぶりに、数ヶ月ぶりに、歌舞伎座で‘大‘歌舞伎を見る事ができました。
さらに、「阿古屋」は初日からスゴク完成度の高い舞台で 1時間20分ほどの舞台ですが、緊張感がスゴイです。
私は3Bから見ておりましたが ずっとオペラグラスを目から離す事ができませんで 幕が閉まってホッと息をついたとたんにドット疲れてしまいました。(笑)
っと、言った様な事で 感想など書かせていただきます。



☆「阿古屋」は近松門左衛門作の「出世景清」を元にした全五段の時代浄瑠璃「檀浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき):文耕堂、長谷川千四 作」の三段目の口にあたります。
人形に 琴、三味線、胡弓を弾かせる趣向が そのまま歌舞伎にも移行し 眼目は阿古屋が三曲、琴・三味線・胡弓を格と景清を想う心情を持って弾き分けるところにあります。
また、重忠は知性と情を兼ね備えた颯爽とした捌き役 赤っ面の岩永は人形振りで演じられ敵役ですがどことなく滑稽味もあり、動きの少ない舞台のアクセントになります。
っと、この様な事が解説などには書かれております。

で、確かにこのとうりなのですけれど さらに、舞台を生で拝見いたしますと これはもう、竹本や長唄とのやり取りが絶妙である事がわかります。
竹本は語りが4人、三味線が4人 舞台上の登場人物に合わせて語り分け、弾き分けになっております。
幕開き まず、置きから始まりまして ここは鳴門太夫、このまま鳴門太夫で重忠・吉右衛門丈が舞台中央に出ます。
人形振りの岩永は台詞も義太夫で たぶん、泉太夫だと思います。
榛沢六郎・染五郎丈の担当の太夫は たぶん、蔵太夫です。
で、阿古屋・玉三郎丈の語りは愛太夫です。
お気付きとは存じますが 役と太夫の声質がピッタリです。
さらに 阿古屋の琴、三味線、胡弓に合わせて 掛け合う様に三味線が入ります。
琴と胡弓の時が竹本の三味線 間の‘班女‘の三味線は長唄の三味線が合わせます。
竹本の三味線は太棹でございますのに これが琴と胡弓にピッタリ合うのですね。
竹本は上手に居るのですが 玉三郎丈の弾き具合をジット見ていらっしゃるのが分かります。
メインで合わせていらっしゃるのは豊澤淳一郎さんでしょうか?
ここは、舞台での演技ではございませんので 目立たないですけれど玉三郎丈と竹本の間で火花が飛んでます。
長唄は阿古屋が三味線を弾く時のみ下手に出ますが やはり、玉三郎丈を見ながら火花バシバシで見ておりましてワクワクしてまいります。
玉三郎丈と三味線の‘イキ‘が見ておりまして とても面白いです。
こんなに迫力のある竹本や長唄を見ることってあまりないように思います。
すごくカッコイイです。

玉三郎丈は花道からの出で 七三で受けの形で決まります。
これはもう、綺麗もさることながら とにかく、大きいです。
舞台に出てからの大きさも圧倒される感じで 3階で見ておりましてもすごいエネルギーを感じます。
あの、まったりとしたお声で唄い始めると 私などは頭のネジが飛んでしまいます。(笑)
今回は少し高めのお声の様な気がいたしました。
で、場内の緊張感はケッコウすごいと感じました。
とくに、”この上のお情けには、いつそ殺して下さんせ”から舞台中央に出て”とんと投げ出す身の覚悟”で階で決まる大きさと 景清への想いがあっての意気地を通す心情 ですけれどここに可愛らしさを感じる雰囲気が良いです。
また、三味線を弾きながらの唄いで”さるにても我が夫の”の一節 す〜っと、舞台から視線が遠くに流れて 何とも切ない想いを感じます。
さりげないところだと思うのですが 三味線を弾きながらのわずかな動きで景清の面影を追う雰囲気を出すのはサスガだと思います。
空を泳ぐような視線が 何とも、遠くに居る景清を想う風情なのです。
三曲は初日とは思えないくらい良くて 中でも胡弓は抜群に良いと思いました。
初日から このすごさ! ホントニ!久しぶりに‘大‘歌舞伎を見たと思いました。
これだから、玉三郎丈の舞台は好きなのですよ〜。(^。^)

吉右衛門丈は竹本の置きの後、そのまま鳴門太夫の語りで 一番はじめに舞台に出ます。
舞台中央からの出ですが やはり、舞台に出た瞬間‘大きい‘と思いました。
玉三郎丈・阿古屋の一途な想いをシッカリ受け止めて この場を収める大きさを感じます。
何より吉右衛門丈の重忠は情を感じるのですね。
”「コレサ阿古屋。その琴弾け。重忠がこれにて聞く」刀を杖におとがひもたせ”で舞台前面に出て”「岩永殿もお聞きあれ」と打ちとけて見へければ”で階に片足を下ろしたところなど マッタク大きくて、さらに優しさがあると思います。
阿古屋が”情と義理とにひしがれてはこの骨骨も砕くる思ひ”っと言いますけれど この言葉がシッカリ生きてくるような‘情‘とか あるいは‘粋‘さえ感じる重忠です。
もしかすると「阿古屋」の重忠に‘粋‘を感じるのは吉右衛門丈だからかもしれません。

今回の舞台は岩永が段四郎丈でしたが とても大きさがございまして、良いと思いました。
振りがシッカリ大きくて、さらにキッパリと綺麗に決まりますので 見ておりましても義太夫の勢いという様なものを感じます。
台詞は竹本が引き受けますし 動きが人形振りですし 赤っ面の敵役ですが、度を越えない滑稽味があり 舞台の流れの中でとても良いバランスであると思います。

榛沢六郎・染五郎丈は頑張っていらっしゃいました。
この舞台で この顔合わせで この緊張感ですから かなり気を張っていらっしゃるのではないかな〜などと思ってしまいました。



*23日観劇の追記
やはり「阿古屋」は初日からの完成度の高さを感じさせられます。
逆に申しますと 初日に拝見した時とあまり変わらないっという事でもございますけれど・・・。(^^ゞ
その分、2回目はユックリ見る事ができました。(笑)
で、前回の時に確認できませんでした長唄は杵屋直吉さん、三味線が杵屋勝国さんでございます。

まず、玉三郎丈 前回に見ましたときは胡弓が良いな〜っと思ったのですが 今回は琴が良かったです。
琴を演奏しながら唄い始めますと もう、ここに居ないのですね 景清の所に行ってしまっている感じなのです。
時空をサ〜ット飛んで向うに居る感じがします。
それと三曲以外の部分が より阿古屋になっていたと思います。
っと、申しますか 阿古屋の中に三曲があると言う感じでしょうか。

吉右衛門丈の重忠は より懐が大きくて優しいです。
段四郎丈の大きな動きも良かったです。
で、泉太夫の語りが最高です。





おまけ
阿古屋の弾く三曲について

「蕗組(ふきぐみ)の唱歌」
箏曲(そうきょく)
八橋検校作曲
源氏物語、和漢朗詠集などに取材した7連の歌からなる。箏組歌(ことくみうた)の代表曲で、表組の第1曲。菜蕗組。越天楽(えてんらく)。

と、書いてございます。
ここに代表で書かれております 源氏物語、和漢朗詠集ですが 共に平安中期のもので 源氏物語は、あの源氏物語ですね。
で和漢朗詠集は 平安中期の詩歌集で、白楽天(白居易)の漢詩や紀貫之らの和歌を集めたものらしいです。
(和漢朗詠集の漢詩は梁塵秘抄・口伝集の中にも出てきます。)


「班女」
三味線で弾く曲ですが、もとは謡曲です。
Story
京都の吉田の少将は 東へ下る折り、美濃の国に宿を取り 花子と出会います。
そうして 想いをよせあう様になり 二人は、扇を交換します。
秋には帰ると言い 吉田の少将は東へ下ります。
独り残った花子は 吉田の少将を想い続けますが 宿の長に追い出されてしまいます。
吉田の少将は 東の帰り、花子の待つ美濃の国へ戻り 花子を訪ねますが 花子は追いだされた後でした。
吉田の少将は 花子を哀れに思い 再会を祈るため、賀茂の社に参拝します。
花子は 吉田の少将を想い続け、都でさまよい歩いていました。
しかし吉田の小将と交換した扇は持ち続けているのでした。
賀茂の祭りで 多くの人で賑わう中に 吉田の少将は花子の姿を見つけます。
そうして、互いの扇を見せると 再会を喜びあうのでした。

花子が居なくなってしまった吉田の少将を思い続ける様子を 漢の班女と重ねています。
このお話・・・謡曲ですが、Happyendって珍しくないですか?


「相の山」
相の山節をもとにした地歌だそうです。
「望月」
謡曲をもとにしています。
すみません・・・調べたのですが 胡弓は「相の山」と「望月」と両方出てきます。
どうも作曲した人が違うらしいのですが 三曲の並び順と、唄いの歌詞を見ると「相の山」の方ではないかと思うのですが、筋書きには「望月」になっているのですね・・・。


琴の蕗組、三味線の謡曲、胡弓の地歌(こちらで書きます)は 曲の位が”天・地・人”になっているのだそうです。
(っと、いう事なので 地歌にいたしました。)


参考
○大辞泉(Yahoo!辞書)

○http://www.ne.jp/asahi/gidayu/jyoururi/page245.html
義太夫協会トップページ
http://www.gidayu.or.jp/

○http://www.oneg.zakkaz.ne.jp/~gara/ongyoku/jouhou27.htm#c19
音曲の司トップページ
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/Kumiko.Tada/ongyoku/index.htm

○http://www.kine-ie.com/kikigaki/kikigati22.htm
長唄杵家会HPトップ
http://www.kine-ie.com/





☆「身替座禅」は狂言「花子」を元にした松羽目物の舞台です。
片しゃぎりを打ち上げて幕開きで 上手に常磐津連中が出ています。
狂言の「花子」はあまり上演(っと、言うのでしょうか)されない様なのですが 歌舞伎の「身替座禅」は とっても頻繁に上演される演目です。(笑)

團十郎丈の右京は どちらかと言えば‘あっけらか〜ん‘とした感じで カラカラとした可笑しさがございます。
見ておりまして 團十郎丈ご自身が楽しそうに見えました。(^^ゞ

左團次丈の玉の井は、ケッコウ怖いです。
あの、目の周りの赤いのはスゴイですね〜。(笑)

染五郎丈の太郎冠者は良い感じの軽さがあると思いました。

で、今回の舞台は侍女が結構ドッシリ感がございまして チョッと面白い雰囲気だと思いました。
何と申しましょうか 右京を気遣って玉の井にいろいろ頼むところなど 妙に説得力があったりいたします。
家橘丈、右之助丈 パッと見は侍女なのですが 貫禄がある様な気もいたします。(^^ゞ



*23日観劇の追記
上手に常磐津で幕開きになります。
團十郎丈の右京は初日より柔らかでコミカルな感じがいたしました。
ちょっとオチャメな感じです。(笑)
後半の花子の所から帰って来たところ 酔っているわけですが、台詞の感じが‘クレヨンしんちゃん‘みたいなのですね・・・このあたりは、好みもあるだろうな〜っと思いました。

左團次丈の玉の井は 右京に対する優しい部分と、怖い部分のメリハリが初日よりしっかり分かる様になっています。
ですが、わざとらしさがございませんので 優しい時には柔らかさがありますし また、怖くなっても迫力はございますが、品があります。





☆「二條城の清正」は初代吉右衛門のために書かれた作品で 1933年(S8)初演の新作の歌舞伎です。
二幕三場での上演で1時間30分ほどの舞台です。
登場人物も多くて 義太夫の型で見せるのではなく、心情で見せていく舞台ですが まだ、初日という事もあり 全体的にちょっと薄味な雰囲気だったように感じました。
また 役者さんが舞台上でぶつかったりして、舞台での段取りもイマヒトツの様でした。

すみません。
今月の夜の部は 後半にもう一度、見にまいりますので この演目は、それから改めまして もう少しチャンと書かせていただきます。
これだけの役者さんが出ていらっしゃっるのですから もう少しして落ち着いてくれば かなり見応えのある舞台ではないかと思うので それから書かせていただきます。



*23日観劇の追記
この舞台の感想は追記と申しますより こちらが本稿でございます。(^^ゞ

一幕目、まず吉右衛門丈の清正が大きい!
見た目は老けた感じですが グッと引きつける引力の強さ、舞台面でドット大きく見える押し出しの強さ ワクワクしてきます。
なんと申しましょうか 胸がすくような大きさ(こんな言い方あるのかな?)です。
頼りがいのある大きさ、懐の大きさがあり それでいて粋な感じがございます。
いかにも吉右衛門丈らしいカッコよさです。
芝雀丈の葉末が控えめですが品があって良いと思いました。
種太郎丈も頑張っています。

二條城は舞台全体の緊張感がとても良いです。
その中で、要所々々を怖いくらいの緊張感で吉右衛門丈の清正が引っ張っていきます。
本多佐渡守とのやり取りは見応えがございます。
そうして何より秀頼の事を想う心情が伝わり 幕切れ前の秀頼をかばっての「還御」は迫力がございます。
福助丈の秀頼がとても良いです。
品、格ともに19歳の秀頼にキッチリ見え 吉右衛門丈の清正との主従のバランスが良いです。
それでいて どことなく、これからの秀頼を思わせる寂しさがございます。
ホント、福助丈って寂しいお役、上手いですよね。(^^ゞ
左團次丈の家康は初日に見ましたときより かなり‘たぬき‘な雰囲気がございます。
吉右衛門丈の清正、福助丈の秀頼を相手に‘嫌な感じ‘がとても良いです。
ですがけして小さくはございません 十分に‘大たぬき‘です。
段四郎丈の本多佐渡守 もう一つ、手ごわい雰囲気があると秀頼への牽制が生きてくる様な気がいたしました。

御座船での秀頼、清正は 客席で見ております私の方がこれからを知っているので(当然ですが)何だかとても切ない感じになります。
全体には船の上での、台詞だけでお話が進む展開ですので 少し緊張が緩むと申しましょうか、もう少し刈り込んでコンパクトにしても良いのかな っと、思いました。
ここの吉右衛門丈の清正と福助丈の秀頼は 主従でありながら年齢からくる年長者と若者の雰囲気がうまく出ていると思います。
経験を経た者の大きさと それを認め頼りにする者の関係。
さらには どうにもならない年齢差と時間の流れ その中での悲痛。
なので‘生きてくれ‘と言う福助丈・秀頼の言葉に共感できるし あきらめも実感させられます。
初日には秀頼に幼い感じがございましたが 今回は幼さは感じませんでした。
また 小さい時から秀頼を見続けてきた清正の主とはまた別の次元での秀頼への想いが吉右衛門丈の台詞から感じる事ができ 見とどけたいけれど、見とどけられないであろう現実を悟った思い切りを感じます。
吉右衛門丈、福助丈 お二人の存在感を感じる場面だと思いました。






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