2007年06月10日           もくじへ戻る トップページへ戻る 
    シアターコクーン 昼の部   一階椅子上手よりの席

  *三人吉三
    三幕


三人吉三
 和尚吉三:勘三郎
 お坊吉三:橋之助
 十三郎:勘太郎
 おとせ:七之助
 研師与九兵衛:亀蔵
 土左衛門伝吉:笹野高史
 お嬢吉三:福助


  あらすじはこちらでどうぞ




☆コクーンでの「三人吉三」は2001年に上演されておりまして今回は再演という事になります。
昨年の「四谷怪談」の時より開演前の舞台周りはシンプルでございまして(笑) 舞台の額縁に蓮花の絵が描かれております。
まあ、これから始まるお話を なんとな〜く、暗示する様でもございます。
場内は立ち見もイッパイで盛り上がった良い雰囲気です。

まず、前半がかなり長めでございまして 歌舞伎の舞台ですと(コクーンも歌舞伎なのですけれど・・・)‘こういう事が以前ありました‘の部分がシッカリございます。
幕開きスグに伝吉が庚申丸を盗むところから始まり、月日を経て十三郎とおとせのお話になります。
幕開きから三人吉三がそろうまで ほぼ1時間10分、ここまで庚申丸と百両の経緯が舞台上では展開いたします。
なので「大川端の場」までがとても長くて はじめの幕の最後の方になってようやく‘月も朧に‘の台詞を聞く事ができます。

前半は十三郎とおとせのウエイトが大きく 勘太郎丈と七之助丈がとても良いです。
さらに、笹野氏の伝吉がとても存在感がございますので 三人吉三が出てこなくても これで、お話が済んでしまうのではないかしら っと、いう感じでございます。(笑)
そのくらい 勘太郎丈と七之助丈は見ごたえがございました。
勘太郎丈は台詞の感じが勘三郎丈にソックリです。(^^ゞ
一瞬、勘三郎丈が吹き替えしているのかと思ってしまうくらい似ている時があって‘おっ!‘っと思ってしまいました。
で、所作に手代の感じがよく出ていて 歩き方、手の着き方 など とても良いと思います。
七之助丈は、確か歌舞伎座で玉三郎丈がお嬢吉三をお勤めの時に おとせをお勤めであったと思いますが この時よりも、とても存在感のあるおとせになっています。

芝のぶ丈が頑張っていらっしゃいまして たぶん、普段はあまり見ることができない立ち役で とっても素敵でした。(^。^)

15分の幕間(っと、言うのでしょうか・・・休憩という感じですが)の後、二幕目から本格的に(笑)三人吉三のお話になります。
ここは笹野氏がとても良いです。
勘三郎丈と対しても 橋之助丈と対しても 笹野氏の伝吉の方が‘らしく‘見えてしまいます。(^_^;)

で、三人吉三ですが・・・
橋之助丈のお坊吉三は全体には無難だと思いのですが お竹蔵の場面では 何であんなにビビッテしまうのでしょう?
お坊吉三は元は武士ですので ここで、あれほどビビッテしまうのはチョッと変な気がいたします。
福助丈のお嬢吉三も良いのですけれど やはり、何かひとつ物足りなさを感じます。
お嬢吉三とお坊吉三の微妙な関係というのも 心情としてイマヒトツ伝わりません。
勘三郎丈は・・・精彩が無い・・・いえ、いつもと変わらず華はあるのですが ここっという見どころがない そんな感じです。
三人で決まるところなども 舞台の装置の加減で、中心に居るのに大きく見えないっといったところに もの足りなさを感じるのだと思います。

どうも、前半が長いためなのか ストーリーに重きを置きすぎているためなのか 三人吉三がそろってからの、それぞれのキャラクターに対しての描き方が浅いような気がいたします。
因果応報というところを軸にして伝吉、十三郎、おとせはシッカリと描かれているのですが どうも、三人吉三の方が浅くなってしまっているように感じます。
幕切れ間近に お坊吉三とお嬢吉三が木戸越しに ‘やり直したいが、これまでの業は許されない‘ っという様な事を言います。
まだ先のある若者が何かのきっかけで道を踏み誤る、気付いた時には戻れない悲しさ 三人吉三の掘り下げ方が少ないので、こういった事がこの場面でイマヒトツ強く伝わってこないのです。
三人吉三のキャラクターが霞んでしまっている様に感じます。

全体に見ておりまして ストーリーやテーマに対しての演出のしすぎではないかしら っと、思いました。
なんと申しましょうか 舞台の展開が、とても説明っぽいのです。
‘これは因果応報なのですよ‘っという感じが‘犬‘によってしつこいくらいに 台詞であったり実物(笑)であったり とにかく舞台から発信されます。
イメージで思い描く余地がない感じなのです。
ですけれど ストーリーやテーマに重きを置いた演出に対して それぞれのキャラクターの掘り下げ方が浅く、イマヒトツ霞んでいます。
また、役者さん自体が良く見えてきません。
三人吉三がはじめてそろう場面、池の様な水の上にある橋の様な場所で3人で決まりますが 大きく見えません。
歌舞伎座の横長の舞台で お坊吉三とお嬢吉三がメイッパイ横に体を使って見せる方が よほど大きく見えるのです。
池の様な所の上で、三人が並ぶ橋の様なスペースでは 横に広がりきれないからではないでしょうか。
舞台の装置としては見た目に面白いですし 状況にあわせて巧みに使われていて感心するのですけれど 役者さんを大きく見せる感じではございません。
ツケが入って決まるのですが 物足りなさを感じるのは、大きさが出ないからだと思います。
前後いたしますが お嬢吉三の‘月も朧に‘の台詞も 背面から見せ始めます。
これはこれで演出としては動きがあって面白いと思うのですが でも、ここは歌舞伎役者の姿を見惚れ、台詞に聞き惚れるところだと思うので できればメイッパイに姿の良いショットで見たいです。
音楽も下座の他に使われているエレキの様なギュイーンっという音 これも、ここが見どころ聞きどころっという演出なのでしょうけれど せっかく役者さんが良い台詞で良い雰囲気を作っているのに それを消してしまいます。
スゴク、もったいない・・・。
舞台上の役者さんの発信する思い入れを客席で受け取る前にギュイーンっという音で かき消してしまうのです。
こんな音がなくったって十分に思いは伝わるのに・・・。
わざとこういう部分を壊しているのだろうなっと思うのですが そこが‘しすぎ‘に見えてしまうのですね。(^^ゞ
もともと私は串田さんの演出は好きで六本木まで出かけたのですけれどね・・・今回は‘しすぎ‘に思えてしまうのです。(^^ゞ
どちらにいたしましても 私には 勘三郎丈、福助丈、橋之助丈が イマヒトツ活きていない様に思えました。

始まってマダ間が無いので 後半のウエイトが増してくると、前半が良いですから かなり見応えのある舞台になるかと思います。
今回も‘水‘あり‘雪‘ありで 平場席の5.6列目くらいまでは雪が降ります。(笑)
で、白い犬・・・これが一番ウケていたかもしれませんね〜。(^^ゞ






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