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| 歌舞伎座 夜の部 三階B中央の席 |
*女暫 一幕 大薩摩連中 *雨の五郎 長唄囃子連中 三ツ面子守 常磐津連中 *神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ) め組の喧嘩 四幕八場 |
女暫 巴御前:萬次郎 轟坊震斎:松緑 女鯰若菜:菊之助 成田五郎:海老蔵 猪俣平六:團蔵 清水冠者義高:権十郎 舞台番:三津五郎 蒲冠者範頼:彦三郎 舞台は北野天神の社頭 平家追討に功のあった蒲冠者範頼が宴をもようしています。 共に並んでいるのが轟坊震斎、女鯰若菜 蒲冠者範頼を挟んで、猪俣平六らが並びます。 木曽義仲の子・清水冠者義高は 天下を狙う蒲冠者範頼を諌めますが 聞き入れられず 逆に蒲冠者範頼は成田五郎を呼出し清水冠者義高一行を斬ろうとします。 するとここへ「しばらく」と声がかかり 巴御前が現れます。 勇ましくツラネを述べる巴御前を 轟坊震斎や女鯰若菜などが追い返そうとするのですが 巴御前は引き下がりません。 さらに今まで巴御前を追い返そうとしていた女鯰若菜が 蒲冠者範頼の宝を持ってきます。 実は女鯰若菜は巴御前の味方でした。 巴御前は 驚く悪人たちから清水冠者義高一行を助け出し引き揚げます。 今回の舞台は(17)市村羽左衛門追善の舞台でしたので幕外での巴御前・萬次郎丈の口上がありました。 この後の舞台番は三津五郎丈で、巴御前に六方を教えますが 巴御前は恥じらいつつ花道の引っ込みとなります。 雨の五郎 曽我五郎:松緑 あらすじはこちらでどうぞ 三ツ面子守 子守:三津五郎 お面の付いた笹を持った子守の娘が赤ん坊を背負ってやって来ます。 赤ん坊をあやす子守は、笹に付いた‘おかめ‘‘えびす‘‘ひょっとこ‘のお面を交互に替えて踊ります。 >わしら生まれは山家の在所 子守の娘がお面の付いた笹を持ってやって来ます。 >ねんねこよう 〃 ねんねが守はどこへいた 娘は赤ん坊に子守唄を唄います。 >負けず唄うた臼挽唄も しおらしく >いつか雉子や黒髪や 羽根の禿も聞き覚え 臼挽唄しか唄えなかったのに メリヤスの‘雉子‘や‘黒髪‘も覚え ‘羽根の禿‘も唄います。 >五重に七重に 琴は十三十四十五 ここは‘羽根の禿‘の一節です。 >駄々と無理とは苦になれど・・・これ見やしゃれや 駄々をこねる赤ん坊をあやし お面を使っておどけてみます。 >ヤ面白やのお亀が招く >悋気恵比須の痴話喧嘩 ‘おかめ‘と‘えびす‘の面を交互に替えてクドキを見せます。 >よその恋よと差し足抜き足 ここから‘ひょっとこ‘の面も入り 三面の踊になります。 >やんれ掛け声 まっ黒くろに ここから黒いものづくし >坊さん誰がよとまた抱きあげて ぐずる赤ん坊をあやして終わります。 神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ) め組の喧嘩 辰五郎:菊五郎 お仲:時蔵 柴井町藤松:松緑 九竜山浪右衛門:海老蔵 島崎楼女将おなみ:萬次郎 宇田川町長次郎:権十郎 伜又八:虎之介 葉山九郎次:家橘 露月町亀右衛門:團蔵 江戸座喜太郎:左團次 尾花屋女房おくら:田之助 焚出し喜三郎:梅玉 四ツ車大八:團十郎 序幕 品川島崎楼 舞台は品川・島崎楼 大名家の留守居役がお抱えの相撲取り・四ツ車大八らと宴の最中 酔って騒いだ力士が 隣の鳶・藤松の座敷に倒れこんだことから 両者の喧嘩となってしまいます。 折りしもここへ め組の頭・辰五郎が現れ喧嘩を止めます。 同席していた侍の顔を立ててこの場は引いた辰五郎でしたが 力士と鳶は身分が違うと言われ腹立たしくこの場を去ります。 帰り道、八つ山下の闇の中で辰五郎は四ツ車を襲おうとしますが、果たせず 通りかかった喜三郎が辰五郎の落とした煙草入れを拾います。 二幕目 芝居木戸前 舞台は芝居小屋の木戸前 芝居の最中に酔って騒いだ客を鳶の長次郎が表に連れ出します。 この騒ぎを四ツ車の弟分の九竜山が仲裁に入り 鳶と相撲取りがにらみ合うことになってしまいます。 通りかかった辰五郎が 四ツ車と向かい合い 緊迫した状態になります。 折りしもここへ 芝居の座元が現れ仲裁に入るのでした。 三幕目 焚出し喜三郎内(今回は上演されておりませ) 参考:下方、感想欄 浜松町辰五郎内 舞台は辰五郎の家 喜三郎のところから酔って戻って来た辰五郎はそのまま寝てしまおうとします。 これを見た 女房・お仲は辰五郎が喧嘩をあきらめてしまったと思い 仕返しをしないのかと詰め寄ります。 お仲は、黙ったままの辰五郎に愛想をつかし 伜を連れて出て行こうとします。 辰五郎は酔い覚ましの水と言って水杯を済ませると お仲を呼び、横になっていたのは相撲の終わる時間を待っていたのだと言います。 仕返しをしなくてどうする と、本心を話すと お仲と伜・又八に別れを告げ、一気に駆け出して行くのでした。 大詰 舞台は神明町の普請場 鳶の者が勢揃いして水杯を交わすと いよいよ相撲小屋へ押し出し 神明社内で待ち受ける相撲取りと大喧嘩となります。 しかしここへ 寺社奉行と町奉行の命を受けた喜三郎が仲裁に入り喧嘩はおさまるのでした。 |
☆「女暫」は(十七)市村羽左衛門の追善狂言で 巴御前を萬次郎丈がお勤めです。 とても様式的な舞台で 囃子神楽で幕開きで 舞台には範頼・彦三郎丈、義高・権十郎丈、ほか松緑丈、菊之助丈、團蔵丈、など皆様板附で並んでいらっしゃいます。 で、海老蔵丈の成田五郎が舞台に出て それから、鳥屋で「しばら〜く」の声が聞こえて巴御前・萬次郎丈が花道に出ます。 ここから‘つらね‘になるのですが 私、こんなにたくさんまとまった萬次郎丈の台詞って聞いた事があったかしら?っと思ってしまいました。(^^ゞ 舞台が様式的な古風な感じなわけですが 萬次郎丈の歌舞伎味のある雰囲気がピッタリでございます。 女形の萬次郎丈ですが、とても大きくて立派な巴御前です。 菊之助丈とのやり取りも‘貫禄あり‘ですが 幕切れ前の花道での「お〜恥ずかしっ」っとおっしゃるのが とても可愛らしくていいです。(^。^) 追善狂言ですので口上がございますが 最後に幕外で萬次郎丈がお一人でなさいます。 まあ、いろいろあるのでしょうけれど (十七)市村羽左衛門の追善という事ですから ご兄弟お3人での口上であっても良かったのではないかしら〜などと余計な事を思ってしまいました。(^^ゞ で、この舞台 海老蔵丈がいいです。 やはり 海老蔵丈は荒事がニンなのでしょうね。 とても大きくて立派、華があって豪快です。 それと、三津五郎丈の舞台番が スッゴク良いです。 マズ舞台に姿を見たときから スッキリした雰囲気のカッコいい事。 何にもしてなくって 上手から歩いてくるだけなのに華があって、パ〜ット明るく見えるのです。 粋なのですね〜。 舞台では幕外で 萬次郎丈に「暫」の引っ込みを教える っと、いう設定なのですが これが、実際に本当に三津五郎丈で見たくなるくらい良いのです。(^^ゞ ‘バタバタバタ・・・バ〜ッタリ‘とか言いつつ見せてくれるのですよ〜。 結局、萬次郎丈は「お〜恥ずかしっ」っと女形で可愛らしく引っ込むのですが できれば、この後に三津五郎丈で荒事の引っ込みをして欲しいと思ってしまいました。(笑) ☆「雨の五郎」は曽我五郎が化粧坂の少将のもとへ通うところを舞踊にした舞台で 曽我物の長唄舞踊です。 松緑丈は、やっぱり上手いです。 所作が荒事風なのですが ドカドカしたところがなくとても綺麗です。 所作事での五郎の衣装は黒地に蝶の模様なのですが 今回は白地に蝶の模様で 5月のこの時期に合っていると申しましょうか スッキリした感じで明るくて良いと思いました。 ☆「三ツ面子守」は・・・これ、すごいですよ。 ほんと、上手い!!! ‘子守の少女‘に見えるのですもの。 可愛らしい子守の子に見えるのです。 それで、所作が美しい・・・。 ‘三ツ面‘という事で ‘おかめ‘‘えびす‘‘ひょっとこ‘のお面を付け替えて踊るのですが 見ていて嬉しくなってしまうくらい踊りわけがスゴイです。 それにいたしましても・・・ほんと、可愛い子守なんです〜。 ☆「め組の喧嘩」は いかにも!菊五郎劇団の舞台! っといった感じです。 菊五郎丈の辰五郎が大きくていいです。 序幕は出入の屋敷の侍を立てて若い者を抑え引く加減が わきまえた懐の大きさを感じさせますし 逆に、四ツ車が出入の屋敷の葉山九郎次・家橘丈に身分が違うと言われた時のムッとする感じの根の深さ、と申しましょうか かなり、頭にきたゾ!の雰囲気がシッカリ伝わります。 ここは それほど大きな動きがあるわけではございませんので ハラで心情を伝えるところなのかと思うのですが 発端になるだけの思いがシッカリ伝わります。 なので この後の八つ山下で四ツ車を待ち伏せする根性も理解できるのでしょう。 島崎楼での團十郎丈のドッシリした四ツ車 やたらと気持ちを逆なでするような葉山九郎次・家橘丈が印象に残ります。(笑) 八つ山下のだんまりは よくある様な蛇籠になるのではなくて それぞれが決まりながらのだんまりで ここで、焚出し喜三郎・梅玉丈が辰五郎の煙草入れを拾います。 二幕目は やはり喧嘩の仲裁で 三幕目が辰五郎内になります。 元は、三幕目の前半に焚出し喜三郎内の場があるのですが 今回は辰五郎内の場からで お仲・時蔵丈と辰五郎・菊五郎丈の お互いに‘本当のところ‘を知っていてのやり取りが自然でとても良いです。 足手まといにならないように家を出ようとするお仲 水杯のつもりで酔い覚めの水を飲む辰五郎 それぞれがお互いを想う気持ちが伝わってきます。 ここは辰五郎・菊五郎丈はもちろんなのですが 時蔵丈のお仲がキッパリしていて良いです。 この場で、お仲が頻繁に言う‘しっこしないじゃないか‘って 意味がわからなくてですね(^^ゞ 調べてしまいました。 これ漢字で書くと‘尻腰のない‘と書きまして‘意気地がない‘という意味なのですね。 これって・・・江戸弁っというのでしょうか? それと伜又八・虎之介くんが頑張っています。 座る時に衣装の裾をパッと 尻っぱしょりしてストンっと座るのですが 粋なんですよ〜。 で、できれば三幕目は前半の焚出し喜三郎内の場も見たかったです。 そうすると 四幕目の梯子にぶら下がっての仲裁がモット引き立つような気がいたします。 単純に、梅玉丈の焚出し喜三郎がモット見たかったっという事なのですけれどね。(^^ゞ 四幕目は菊五郎劇団ならではの立ち回りが見られます。 身軽な鳶を意識した立ち回りで 舞台いっぱいを使って見応えあるものです。 ですが・・・やっぱり、幕切れ間近の梅玉丈・焚出し喜三郎の梯子でしょう! あれ、着地が決まって舞台中央の前面に降り立った時って気分いいでしょうね。 参考 三幕目:焚出し喜三郎内 舞台は焚出し喜三郎内 相撲取りへの遺恨から喧嘩をする覚悟を決めた辰五郎は 兄貴分の喜三郎に 見延山の五重塔へ足場をかけに行く っと、言って 暇乞いに来ます。 しかし喜三郎は 先日、八つ山下で拾った辰五郎の煙草入れを見せ、意見します。 はじめは本心を隠していた辰五郎でしたが 喜三郎が八つ山下での事で、証人まで連れて来たので 辰五郎は隠し立てしていた事を詫びます。 喜三郎は、辰五郎の本心を知って 骨はおれが拾ってやろう っと、後の事を引き受けるのでした。 |