| |
| 歌舞伎座 夜の部 三階B上手よりの席・三階B中央の席 |
*源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき) 実盛物語(さねもりものがたり) 一幕 *二代目中村錦之助襲名披露 口上 一幕 *双蝶々曲輪日記 角力場 一幕 *新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ) 魚屋宗五郎 二幕 |
源平布引滝 実盛物語(さねもりものがたり) 斎藤実盛:仁左衛門 葵御前:魁春 瀬尾十郎:彌十郎 太郎吉:千之助 九郎助:亀蔵 小よし:家橘 小万:秀太郎 舞台は琵琶湖のほとり九郎助の住居 臨月を迎えた木曽義賢の妻・葵御前と 葵御前を匿う九郎助の女房・小よしが 源氏の白旗を持ったまま行方知れずになっている小万をの身を案じています。 すると 漁に行った九郎助と小万の息子・太郎吉が 白絹を掴んだ腕を拾って戻って来ます。 九郎助と小よしが取ろうとしても取れない白絹でしたが 太郎吉が指を開けば腕はすぐに白絹を放しました。 葵御前が改めると 白絹は、源氏の白旗であることがわかります。 ここへ ならず者の甥・仁惣太の訴人で 葵御前の詮議に平家の侍、斎藤実盛と瀬尾十郎がやって来ます。 瀬尾十郎は強引な振る舞いをしますが 斎藤実盛は、葵御前の子が女子であれば助けると言う、平重盛の命を伝えます。 九郎助が葵御前の出産が済むまでの猶予を願い出ますが 瀬尾十郎は聞き入れません。 この様子を奥で聞いていた小よしは 、葵御前が産み落としたと言って先刻の腕を包んで持ってきます。 これを見て呆れて笑う瀬尾でしたが 実盛は唐の皇后が鉄の玉を産んだ故事を話し 腕を産み落とす様な不思議もあると言うのでした。 瀬尾が清盛への言上のためこの場を去ると 残った実盛は、先刻の腕は小万と名のる女の腕で 自らが斬り落としたと その折の仔細を語ります。 宗盛に従い竹生島詣の帰途 琵琶湖の波間に泳ぐ小万を見つけ 助けようとしますが 小万が源氏の白旗を持っている事を知り 白旗を平家に渡してはならぬと思い しかたなく、白旗を掴んでいた小万の腕を斬ったと言うのでした。 皆が悲しむところへ 漁師の仲間が小万の遺骸を運んできます。 実盛は先刻の腕に温かみがあることから思いたち 腕を遺骸に継ぎ合わせ、皆で小万の名を呼びますと 小万は息をふきかえすのでした。 源氏の白旗が無事であった事を知った小万は 太郎吉に言いたい事があると言って息絶えてしまいます。 九郎助は小万の気持ちを察し 小万は捨子で、もとは平家に仕える者の娘であり証拠の刀もあるのだと言います。 折りしも葵御前が産気づき男子を出産します。 実盛は赤子に駒王丸と名付け 太郎吉を手塚太郎光盛と名のらせ、駒王丸の家臣に勧めます。 しかし、葵御前の意見で 小万が平家にかかわりある者の娘であることから 功を立てた後の事となります。 先刻、立ち去った瀬尾が 中の様子を窺い再び現れます。 駒王丸の命はないと言いながら 早く差し出せと、小万の遺骸を足蹴にします。 これを見た太郎吉は怒って 形見の刀で瀬尾を刺します。 実は、瀬尾は小万の本当の父親でありました。 瀬尾は孫の太郎吉を 平家の侍を討ち取った功により 駒王丸の家臣に取り立てて欲しいと頼み 自らの首を太郎吉に討たせるのでした。 駒王丸の家臣に取り立てられた太郎吉は、実盛を小万の仇と言いますが 実盛は太郎吉が成人した後 戦場にて再会し その折は、実盛とわかるよう髪を黒く染め 潔く討たれようと約束するのでした。 二代目中村錦之助襲名披露 口上 下手 中央 上手 吉歌歌獅種隼七勘勘時錦富雀仁秀福門彌東魁我梅芝 右六昇童太人之太三蔵之十右左太助之十蔵春當玉翫 衛 郎 助郎郎 助郎衛衛郎 助郎 門 門門 双蝶々曲輪日記 角力場 放駒長吉・山崎屋与五郎:錦之助 藤屋吾妻:福助 平岡郷左衛門:彌十郎 仲居おたけ:歌江 角力弟子閂:隼人 三原有右衛門:獅童 茶屋亭主金平:東蔵 濡髪長五郎:富十郎 あらすじはこちらでどうぞ 新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ) 魚屋宗五郎 魚屋宗五郎:勘三郎 おはま:時蔵 小奴三吉:勘太郎 召使おなぎ:七之助 父太兵衛:錦吾 磯部主計之助:錦之助 浦戸十左衛門:我當 序幕 芝片門前魚屋内の場 舞台は芝片門前の魚屋宗五郎の家 奉公先での不義密通により主・磯部主計之助に手討ちとなった 宗五郎の妹・お蔦の葬儀が行われています。 父・太兵衛や女房・おはまが悲しむところへ 宗五郎が寺から戻ってきます。 お蔦が不義をしたとはいえ 手討ちにされた事に怒る太兵衛らが 屋敷へ押しかけようとするのを 宗五郎は、お蔦の支度金で借金が返せたのだからと 悲しさをこらえて説得するのでした。 おはまが、怒っている太兵衛を慰めているところへ お蔦の朋輩のおなぎが進物に角樽を届けさせ、訪ねてきます。 太兵衛は、おなぎにお蔦の死について尋ねるのでした。 お蔦の不義は 実は、濡れ衣で お蔦に横恋慕する岩上典蔵の悪事であり 磯部主計之助は岩上典蔵の讒言を信じて お蔦を古井戸で手討ちにしたと話します。 これを聞いて家族の者たちが嘆き悲しむ中 宗五郎は悔しさのあまり、金毘羅様への禁酒の願掛けを破り酒を飲み始めます。 はじめは憂さ晴らしのはずであったものが 一杯、二杯、と重なるうち ついに、酒樽の酒を全て飲み干し 酔った勢いで暴れまわると ついには、お蔦の恨みを晴らそうと磯部主計之助の屋敷へ向かうのでした。 二幕目 第一場 磯部屋敷玄関先の場 舞台は磯部主計之助の屋敷玄関先 宗五郎は酔った勢いで暴れ込みますが岩上典蔵に取り押さえられ縛られてしまいます。 心配して後を追って来たおはまが詫びますが 岩上典蔵は宗五郎を手討ちにすると言うのでした。 折りしもここへ 磯部家家老・浦戸十左衛門が現れます。 浦戸十左衛門は玄関先を血で汚さぬよう説くと 酔いが醒めるまで宗五郎を預かることにします。 岩上典蔵が、この場を去ると 浦戸十左衛門は宗五郎の縄を解き 言い分を聞きます。 宗五郎は 罪のない妹・お蔦が殺されたことが悔しくてたまらないので、酒を飲んでここまで来たのだから磯部主計之助に会わせて欲しいと言うのでした。 これを聞いた浦戸十左衛門は 気のすむように取り計らうが とりあえずは、酔いを醒ますよう言います。 宗五郎は話を聞きながら居眠りを始めるのでした。 二幕目 第二場 磯部屋敷庭先の場 舞台は磯部屋敷の庭先 宗五郎は酔いつぶれて寝ていましたが ようやく酔いも醒め目を覚ますと 付き添っていたおはまから事情を聞き驚きます。 おはまが、お咎めを心配しているところへ 浦戸十左衛門が現れ宗五郎の乱暴は許すと伝えます。 折りしもここへ磯部主計之助がやって来ると お蔦を殺害したのは酒乱ゆえであると宗五郎に詫び お蔦をねんごろに弔い、父・太兵衛には扶持を与えると約束します。 また、讒言をした岩上典蔵はお蔦の仇として成敗すると言い 宗五郎にお蔦の弔いの金子を与えるのでした。 |
☆8日観劇の感想など 「実盛物語(さねもりものがたり)」は人形浄瑠璃「源平布引滝」の三段目「九郎助内の段」にあたります。 歌舞伎では「実盛物語」の前のお話として「義賢最後」と「御座船」があります。 舞台の設定は実盛がまだ若い頃でございます。 私は歴史とか古典とかはよくわからないのでございますが 実際に実盛という人は義賢の子・義仲を助けた人物で、義朝の死後、平宗盛に仕え 後に、義仲追討に加わり北国篠原で手塚太郎光盛に討たれたのだそうです。 で、この時に老武者であった実盛は髪を黒く染め若武者の鎧であったことから 逆にたどって若い頃の実盛と手塚太郎光盛(舞台での太郎吉)との出会いを書いたのが「実盛物語」です。 ここまでのお話として・・・ 平治の乱で源義朝が破れた時 弟・義賢は平家に降りますが 源氏の白旗を後白河法皇から密かに賜ります。 清盛はこのことから後白河法皇を鳥羽に送ります。 『義賢最後』 義賢の妻・葵御前は先妻の侍女でしたが 今は、義賢の子を懐妊しています。 先妻との間には待宵姫がおりますが 待宵姫は下男・折平と忍び合う仲でした。 しかし、折平は実は源氏ゆかりの多田蔵人行綱で 平家を倒す機会を窺いながら身を隠し 近江の百姓・九郎助の娘・小万との間に一子・太郎吉をもうけた後、姿を隠し七年の歳月が経っていました。 折平が実は行綱であると知った百姓・九郎助は小万と太郎吉を連れ 義賢のもとを訪ねると 行綱を返してくれるよう頼むのでした。 義賢はもとより折平がただ者ではないと思っており 自らの源氏を思う心底を明かします。 折りしもここへ清盛の命により源氏の白旗の詮議に現れた使いを義賢は討ってしまいます。 覚悟を決めた義賢は 行綱に待宵姫と共に頼朝を訪ね再挙を託し 九郎助には葵御前と白旗を匿うよう頼むと 追手を相手に壮絶な討死をするのでした。 『御座船』 九郎助は葵御前を連れ逃げ延びますが 小万は矢走の浦で追手に囲まれ白旗を咥えて琵琶の湖に飛び込みます。 折りしも 竹生島参詣の帰りの平宗盛一行の船が通りかかります。 供をしていた斎藤実盛が波間に泳ぐ小万を助けようとするのですが 白旗を持った女を捕らえよとの声にやむなく白旗を握ったままの小万の腕を斬りおとすのでした。 この後が今回の舞台「実盛物語」となります。 何だか、ことの起こりは‘また‘あの今様大好き後白河院なのね〜っと言う感じでございまして 源氏も平氏もオモイッキリこの稀代の人物に振り回されてマッタクお気の毒な事なのでございます。(^^ゞ さて、今回の舞台ですけれど マズはなんと申しましても 実盛・仁左衛門丈がとても良いです。 颯爽として優しくて思慮分別のある まさに‘和実‘の見本の様な実盛です。 仁左衛門丈の場合、この‘和‘の部分が際立って良いのです。 決まり決まりのキッチリ美しく決まるところはもちろんですし ‘物語‘の口跡の良さ、姿の大きさ 歌舞伎座の大きな舞台がけして大きく見えません。 ‘物語‘ながら舞台中央でグルッと回るところの芯の真っ直ぐで美しいこと。 こんなにキッパリしているのに優しいのですね。 このお話、展開としてはかなりムチャクチャなお話です。(^^ゞ 葵御前が産んだのは‘女の白い腕‘でした とか その腕と死んでしまった小万の遺体をくっ付けたら蘇生した とか いったい、何をどう思ってこうなったのかしら〜っと思ってしまうような 展開なのですが それを‘まっ、いいか‘っと軽く受けとめる事ができる様な おもいっきりな歌舞伎味を持った実盛なのです。 ブッチャケタ話、こんな展開のお話にチョッとでもリアルな現実味が混じってしまったら これほど興醒めなものはないように思います。 これは、歌舞伎ですからね〜っと おもいっきり歌舞伎の舞台として嘘を真に見せてくれる地力のある仁左衛門丈ゆえの舞台かと思います。 また、今回は太郎吉が千之助くんでしたので どうも、太郎吉を見る仁左衛門丈のお顔がなんとも優しくって、嬉しそうで・・・孫って、やっぱり可愛いのよね〜っと思ってしまいました。(笑) 後半、懐紙で鼻をチンってするところや 馬に乗せるところ ホントニ優しいくって素敵です。 おそらく、七つになる太郎吉は この時の実盛を絶対に忘れないだろうな〜っと思わせます。 で、同じ年の千之助くんも たぶん。 仁左衛門丈〜うますぎますって!!! 幕切れ前、舞台で太郎吉を馬から降ろしてから ピット手綱を引くところのカッコいいこと。 カッコつけすぎじゃないっと思いつつも あまりのカッコよさに嬉しくなってしまいました。(笑) ほか、魁春丈は品格のある葵御前ですし 秀太郎丈が小万をお勤めである事で舞台にグッと篤みが出たと思います。 さらに、今回 亀蔵丈の九郎助 彌十郎丈の瀬尾十郎が良かったと思います。 亀蔵丈の九郎助は家橘丈の小よしと並んでも それほど違和感を感じることもなく、適度な渋さと押しが利く感じが良かったです。 彌十郎丈の瀬尾十郎は初役だそうですが ハラがあり、はじめの敵役と‘もどり‘からの太郎吉を思っての場面とのメリハリが心情として伝わりとても存在感がございました。 そうして、やっぱり この舞台は千之助くんでしょ〜。(笑) 舞台でグ〜ンと大きく手足を伸ばしての見得や ‘のりじ‘での台詞も一生懸命で、チャンと糸に乗っていましたし 本当に、元気いっぱいで頑張っているのがわかります。 オバサンは見ていて嬉しくなってしまいましたよ〜。(^。^) ☆22日観劇の感想など 他の日はもちろん?なのですが 私の感じでは22日の歌舞伎座では昼夜通して一番華があって一番客席が盛り上がったのが この「実盛物語」ではないかしらっと思いました。 大向こうさんの掛け声もガンガン良いところでかかっていましたし ダレル場面がなくてノリがとても良いです。 舞台そのものは九郎助の家ですので 田舎の農家で、けして御殿の様な華やかさはございません。 ですけれど やはり、仁左衛門丈の持つ‘華‘が場内を圧倒するのですね。 それと 後半のノリ地の台詞が とても良いです。 舞台のテンポを上げると申しましょうか すごく効果的に聞こえるのです。 今までも 何度も いろいろな舞台でノリ地の台詞を聞いておりますけれど 今回ほど聞いていて テンポ良く、楽しく、心地良く聞こえた事ってなかったような気がします。 おそらく、舞台全体のリズムがとても良いからなのだと思います。 後半 実盛が馬に乗る前の盛り上がりがとても効果的に思えました。 で、仁左衛門丈のカッコよさはもちろんなのですが 千之助くんが頑張っています。 ノリ地の台詞も前回見ました時よりもズット上手になっていました。 それと今回も亀蔵丈の九郎助が良かったと思います。 声が良いかと思うのですが とにかく、押しが利くのですね。 また、彌十郎丈の瀬尾が義太夫味があってタップリ重い感じが良かったです。 前半の九郎助の家に入って 九郎助と上手下手に入れ替わるときの威圧感、腕を挟んでの実盛との決まりの見得・・・ここなどは、仁左衛門丈の実盛に対してガップリ組んで十分でした・・・ 後半の太郎吉に首を討たせる時の迫力 どれも、とても大きく重量感があると思います。 ☆二代目中村錦之助襲名披露 口上 総勢23人の口上でございまして 歌舞伎座の間口の広い舞台もイッパイイッパイでございます。(^^ゞ 中央の二代目錦之助丈を挟みまして 上手側が舞台でご縁のある方、下手側がご親戚関係の方 っといった感じでございます。 はじめのご挨拶は二代目錦之助丈の師でございます富十郎丈です。 初代の錦之助丈との事などもお話でした。 昼の部で足を痛めたとお話でしたので 大丈夫なのかしらっと思っておりましたが 夜の部での口上では舞台中央・二代目錦之助丈の上手側に正座でご挨拶されておりました。 続きまして雀右衛門丈。 雀右衛門丈は今月は口上のみですが 足の具合が気遣われます。 それから仁左衛門丈、秀太郎丈と続きます。 この後 福助丈、門之助丈、彌十郎丈が猿之助一座に居た頃のことを述べていらっしゃいました。 福助丈は舞台ではチョッと言えない様な事もあったとおっしゃっておりましたが・・・。 さらに 東蔵丈、魁春丈、我當丈、梅玉丈、芝翫丈の順で上手にまいります。 魁春丈と梅玉丈は お二人とも二代目錦之助丈は子供の頃はかなりヤンチャであったとおっしゃっていらっしゃいました。 また、梅玉丈は時蔵丈のご苦労にも触れていらっしゃいました。 下手にまいりまして、こちらからがご親戚関係の方になり吉右衛門丈からはじまります。 歌六丈、歌昇丈、獅童丈、種太郎丈、隼人丈、七之助丈、勘太郎丈、勘三郎丈、時蔵丈、と並びます。 勘三郎丈はご自身の経験から(笑) 襲名は大変だとおっしゃっていました。 全体には二代目錦之助丈のお人柄を思わせる様な アットホームな感じの口上でございます。 富十郎丈、仁左衛門丈、福助丈、梅玉丈、勘三郎丈と、まあ いつのも方々が笑いを取っておりました。(^^ゞ ☆8日観劇の感想など 今月の「双蝶々曲輪日記 角力場」は二代目錦之助丈の襲名披露の舞台ですので 出演なさっていらっしゃる役者さんがとっても良いのです。 ですので全体に大きな舞台でございます。 その中で、頑張っているな〜っと 思わず応援したくなるのが二代目錦之助丈です。 昼の部にも書きましたが もっと、大きく前に出て良いと思います。 っと、申しますか 本当はもっと篤さを持った役者さんのはずなのですが 今回は声の感じといい、動きといい、イマヒトツ流れが良くございません。 与五郎も‘はんなり‘した雰囲気になっておりますし 長吉も‘勢いのいい若さ‘を見る事ができるのですが 一つひとつを確認して先に進む感じがいたします。 舞台が始まって間がない事もあるのだと思いますので 慣れて流れが良くなると、もっとおもしろくなると思いました。 ですが、後半の長五郎とやりあう 若いヤンチャな感じの長吉は 気持ち的に長五郎に押されまいとする頑張りが、そのまま二代目錦之助丈と重なりまして ‘とりあえず、頑張れ!‘っと応援してしまいました。(^^ゞ で、対する濡髪長五郎の富十郎丈は、やはり貫禄十分で大きいです。 嫌だと駄々っ子の様に言い立てる長吉に ついに怒って立ち上がるあたりからの迫力は ほんと、怖いくらいです。(笑) それまで、押さえ気味にしていた声の調子が グンッと大きくなって、それが重くて押しがすごいのです。 ほか、東蔵丈の金平 歌江丈のおたけ など、舞台に篤みが出たと思います。 ☆22日観劇の感想など 新錦之助丈が やっぱり、良くなっています。(^。^) そう!こうでなくちゃ! 与五郎のつっころばしの なんとも、頼りない感じがオモイッキリ良いですね。(^^ゞ 上方のはんなりした雰囲気とは少し違う感じなのですが 若旦那の品の良さがあり、なんとも頼りない感じがあり 良い与五郎だと思います。 もう少し‘艶っぽさ‘があると はんなりした雰囲気が増すのではないかと思うのですが・・・。 また、新錦之助丈の長吉には‘まっすぐ‘な雰囲気が感じられて 好感の持てる長吉に感じました。 なんと申しましょうか ‘若い‘という感じもあるのですが‘爽やかさ‘を感じる若者に思えます。 ‘好青年‘っという言葉がピッタリな長吉で 新錦之助丈の長吉らしいと思いました。(^^ゞ 対する、長五郎・富十郎丈は 抑えていても、重圧です。 で、今回の舞台は長五郎の衣装が黒地ではないのですが 私はこの衣装、好きですね。 え〜もう、単純に好みなのですけれど 波模様の豪快な感じと、羽織の微妙な色合い光沢がとっても品良くおしゃれです。 長吉に対して‘大人‘の雰囲気を感じる衣装で 力の強さばかりではなく心情の幅がある風情に思えます。 今回も、東蔵丈の金平 歌江丈のおたけ それと、福助丈の吾妻が良かったです。 ☆8日観劇の感想など 「新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎」 この舞台、勘三郎丈の宗五郎が上手いですね〜。 結果がわかっていて、次にどうなるのか知っていて 理屈ぬきで笑えます。 あんまり、 お近づきにはなりたくないキャラクターですけれど。(笑) 見ておりまして‘お〜‘っと思いましたのが お酒を飲む時の下座です。 どちらもピッタリです。 それから、上手いな〜っと思いましたのが時蔵丈のおはまです。 時蔵丈って 長屋の女房とか、上手いですね。(^^ゞ 傾城などですと 真面目な感じがいたしまして手堅く見えるのですが グンッとくだけてチャキチャキしたお役はピカイチです。 ですけれど、ただ はじけているわけではございませんで 酔いつぶれていく宗五郎を気遣う様子に垣間見える優しさとか 後を追いかける気丈夫な感じとか 細やかな心情が笑いの中にもシッカリ見ることができます。 笑いを取る事に執着しない良さ、お役のキャラクターをしっかり見せることで自然に起きる笑い こういう事がとても大事なのだな〜っと思わせてくれます。 後半の舞台では 我當丈の浦戸十左衛門が重圧感を出していたと思います。 ワイワイと騒ぎになる舞台をしっかり押さえて落ち着かせる感じで やはり貫禄がございます。 そうして二代目錦之助丈の磯部主計之助ですが このお役が一番‘らしく‘思えました。 っと、申しますより 肩の力が抜けていると申しましょうか 普段の二代目錦之助丈でございました。(^^ゞ あまり‘良い人‘なので ‘どうして、この人が濡れ衣でお蔦を斬るかね?‘っと思ってしまうところもございますが ここで、磯部主計之助が‘とっても良い人‘に見えないと たぶん、宗五郎も納得しなくって お話が終わらないのだろうな〜(笑)っと・・・その様な雰囲気の磯部主計之助でございまた。 ☆22日観劇の感想など 前回の観劇の時、イマヒトツわからなかったのですが観劇記録を書くためにあらすじを調べておりましたら 磯部主計之助は宗五郎と同じく酒乱で そのために、お蔦を殺してしまうのですね。 ここの場面は一幕目でございまして あまり上演されていない事もあり 私は見た事がございませんでした。 お酒をマッタク飲まない私から見ますと‘これだから酒飲みは嫌なんだよ!‘っというお話なのですね〜。(笑) で、今回 一番良かった!っと思いましたのが下座です。(^^ゞ 前回もチョッと書きましたが 宗五郎がお酒を飲んでいくときの下座の三味線が最高に良いです。 勘三郎丈の息にピッタリですもの。 これ、もし三味線がなかったらチットモ面白くないと思いますよ〜。 どなたがお勤めなのかは存じませんけれど 拍手を送らせていただきたいと思います。 パチパチパチパチパチ・・・・・!!!\(^o^)/ 参考 一幕目 お家乗っ取りを企む磯部家家臣・岩上典蔵は 主計之助の愛妾・お蔦に横恋慕して お蔦の預かるお家の重宝の茶碗を盗み出し 奥庭の弁天堂で猫の声に驚き 茶碗を割ってしまいます。 猫を探しに来たお蔦に岩上典蔵は言い寄るのですが お蔦は来合わせた、浦戸紋三郎に助けられます。 岩上典蔵は、お蔦に悪事を知られたので 二人に不義の汚名を着せ、茶碗を割ったのもお蔦のせいにしてしまいます。 酒に酔い、酒乱の主計之助は 岩上典蔵の讒言を聞いて お蔦を責め殺し井戸の中へ落としてしまいます。 不義の疑いのため謹慎中の浦戸紋三郎は自害しようとするのですが ここへお蔦の亡霊が現れ岩上典蔵の悪事を伝えます。 するとここへ密書を咥えた猫が来て 浦戸紋三郎は証拠を手に入れるのでした。 二幕目 上記の 芝片門前魚屋内の場 三幕目 上記の 磯部屋敷玄関先の場 と 磯部屋敷庭先の場 宗五郎夫婦がお蔦の弔いの金子を貰い屋敷を去った後 主計之助は浦戸十左衛門に詫び 浦戸紋三郎を許すと 岩上典蔵を討つのでした。 |