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| 歌舞伎座 昼の部 三階B中央の席 |
*通し狂言 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら) 序幕 :鳥居前 二幕目 :渡海屋 大物浦 三幕目 :道行初音旅 竹本連中 清元連中 |
序幕:鳥居前 佐藤忠信 実は 源九郎狐:菊五郎 静御前:福助 笹目忠太:亀蔵 武蔵坊弁慶:左團次 源義経:梅玉 頼朝から謀叛の嫌疑を受け 堀川館では鎌倉からの追っ手を弁慶が討ち果たしてしまい ついに、頼朝との仲もこれまでと思った義経は九州へ都落ちする事になります。 舞台は稲荷の森 伏見稲荷の鳥居前で義経一行に追いついた静御前は九州への同道を願いますが聞き入れられません。 そこへ 堀川館で追っ手を倒した弁慶が やはり義経一行を追ってやって来ます。 義経は、なぜ鎌倉の追っ手を討ったのかと弁慶を打擲しますが 弁慶は自らの主君を守るためであったと悔し泣きするのでした。 様子を見ていた静御前が 弁慶をとりなし、弁慶は九州への同道を許されます。 しかし、静御前は京へ戻るよう言いわたされ 義経は形見に朝廷から拝領した‘初音の鼓‘を静御前に渡すと 後を追うことができないように木に縛り付けて この場を去るのでした。 すると ここへ、鎌倉からの追っ手がやって来て静御前を連れ去ろうとしますが これを、義経の家臣・佐藤忠信が助けます。 この様子を影から見ていた義経は 忠信に‘源九郎‘の名と‘着背長‘を与え 静御前の守護を命じると大物浦へ向かうのでした。 二幕目:渡海屋 大物浦 渡海屋銀平 実は 新中納言知盛:幸四郎 源義経:梅玉 相模五郎:歌六 入江丹蔵:高麗蔵 武蔵坊弁慶:左團次 お柳 実は 曲侍の局(すけのつぼね):藤十郎 渡海屋 舞台は大物浦の廻船問屋渡海屋 九州へ落ちのびる義経一行は船を出すための日和を待っています。 折りしも、ここへ義経詮議のために鎌倉方の相模五郎と入江丹蔵か来るのですが 渡海屋主・銀平が二人を追い払うのでした。 銀平が船出のためにこの場を去ると 様子を見ていた義経が現れます。 女房・お柳は銀平は日和を見るのが上手いのだと義経に話すのでした。 義経が銀平の働きに感謝して出船のためこの場を去ると 奥から幽霊装束の銀平が現れます。 銀平は平家復興と義経への復讐を考える平知盛、お柳は乳人曲侍の局、娘は安徳帝でありました。 幽霊装束の知盛は義経を討つために出陣するのでした。 大物浦 舞台は大物浦 十二単衣の曲侍の局は安徳帝を守護しながら沖の様子を見守ります。 義経は知盛の計略に気付いており 平家側の戦局は思わしくないのでした。 折りしも 相模五郎と入江丹蔵が次々現れ味方の敗北を伝えます。 相模五郎と入江丹蔵も平家の武士で先刻の詮議は廻船問屋主人になりすました知盛を義経に信用させるためのものでした。 しかし、全てを見抜いていた義経に味方・平家は敗戦してしまいます。 覚悟を決めた曲侍の局は安徳帝と共に海へ入水しようとするのですが 義経の家来に捕らえられてしまいます。 一方、知盛は深手を負いながら義経を捜しています。 そこへ義経が安徳帝と曲侍の局を伴いやって来るのでした。 義経は安徳帝を守護する事を誓い 安徳帝も‘義経が情けなれば、仇に思ふな‘と言うのでした。 これを聞いて曲侍の局は安徳帝を義経に託し自害します。 あくまでも義経を討とうとする知盛でしたが 安徳帝の言葉と曲侍の局の自害によって ついに覚悟を決め、安徳帝を義経に託し 我が身に碇の綱を巻きつけると碇もろとも海へ入水するのでした。 全てを見とどけた義経は安徳帝を守護し九州へ向かいます。 三幕目:道行初音旅 佐藤忠信 実は 源九郎狐:菊五郎 逸見藤太:仁左衛門 静御前:芝翫 あらすじはこちらの「吉野山」でどうぞ |
4日に歌舞伎座「通し狂言・義経千本桜」を見てまいりました。 今月は国立へ行く予定もございまして 歌舞伎座は本日の昼夜通しの観劇一度のみになります。 三大歌舞伎の一つでございますし 皆様手馴れていらっしゃる役者さんですけれど 2日が初日でございましたので マダ多少馴染んでいないかなっと思うところもございました。 おそらくこれからドンドン良くなっていくのだろうと思うのですが とりあえず、4日に見ましたところでの感想など書きます。 全体的には先月の「仮名手本忠臣蔵」より疲労感を感じることなく(笑)見る事ができます。 通し狂言ですが こちらは序幕から大詰まで通しての展開が‘狐‘でございますし お話の展開がオムニバスな感じですので 重く感じる事が少ないのだと思います。 こちらの感想欄に床本と歌舞伎の上演を並べてございますが 今回は通しでの上演で、昼の部の最期に所作事の「道行」がございまして‘歌舞伎その2‘の流れで大詰に‘河連館・奥庭の場‘となっています。 また、序幕は‘堀川館の場‘ではなく‘伏見稲荷鳥居前‘からです。 昼の部は 序幕「鳥居前」〜三幕目「道行初音旅」 までです。 ☆「鳥居前」は 頼朝に疑われた義経が 堀川館(義経の館)から逃れてきたところからのはじまりとなります。 弁慶が後から舞台に出てきて 義経に打擲されるところがございますが ここは、堀川館へ押し寄せた鎌倉方の海野太郎を弁慶が討ってしまったからです。 まあ、理由はともあれ逃げる事となった義経を静御前が追ってくるわけでございます。 まず、幕開きスグから梅玉丈の義経が良いです。 品格があって御大将に見えます。 衣装は、これは決まりなのでしょうけれど陣羽織の衣装が五月人形の桃太郎さんみたいです。(^^ゞ 今月は梅玉丈は序幕「鳥居前」から大詰「奥庭」まで ズット義経をお勤めでございます。 今月の舞台の幕開き第一声が義経ですが サスガに、大歌舞伎の格を感じるところかと思います。 福助丈の静御前は とりあえず、やるべき事をキッチリ見せている感じです。 想い者の可愛さとか艶っぽさとかは まだ、あまり感じませんが 時代狂言の静御前の感じはあると思いました。 ここでの忠信って筋隈の肉襦袢で荒事なのですが 菊五郎丈の忠信はフットワークが軽くってあっさりです。 五つ頭で花道からの出で 舞台に上がって三つ太鼓で立ち回りですが チットモ重たくないのですね。 まあ・・・菊五郎丈に荒事って言うのもね〜。(^^ゞ ドッシドッシと重圧な感じではなくって フットワーク良く決まっていきます。 ここ、オモイッキリ荒事で硬派の舞台も良いのですが ‘狐‘の感じでポップにあっさりでも良いものです。 とにかく 一つひとつ決まるところはキッチリ決まるのでポップであっても綺麗です。 やはり綺麗に決まってくれるので良いのでしょうね。 左團次さんの弁慶も無難な感じで 義太夫狂言ですが、コッテリ感の少ないところが ここの場面での‘大泣き弁慶‘に違和感を感じさせません。 勢い込んで花道から出て 義経に怒られて 大泣きして せっかくとりなしてくれた静御前の頼みはあっさり断る・・・ケッコウすごい展開の弁慶なのですが あっさり感と、面白みで見せきってしまいます。 うまいな。(^。^) 亀蔵丈ご苦労様でございます。 この舞台、主要な立ち役の 菊五郎丈・忠信、梅玉丈・義経、左團次丈・弁慶 お3人ともあっさり系でございますので(笑) 舞台全体もテンポ良くあっさりと展開するようでした。 ですけれど華がございまして 品格を感じ、動きの綺麗な舞台です。 ☆「渡海屋・大物浦」は「渡海屋」から書きます。 「渡海屋」は銀平が男伊達の雰囲気で世話風ですが 実は、知盛ですので底に平家の武将が見えるわけです。 で、こういう大親分の雰囲気は幸四郎丈はうまいです。 >町人の家は武士の城郭、敷居の内へ泥脚を切り込むさへあるに、この刀で誰を切る。 このあたりは、ワクワクする面白さがございます。 流れるような台詞がケッコウ聞いていて楽しく耳に入ってくるのです。 今回は台詞も良かったですよ。 ですけれど、この感じが後半の能ががりな舞台になっても‘軽さ‘の感じで残ってしまいます。 どちらかというと幸四郎丈って感情を外に発散するような舞台ですので 内側からヒシヒシと伝わる様な怨念的な感情が見えてこないのです。 後半は前半の感じと替わってかなり重圧で心情本意であるかと思うのですが 下座や義太夫の音色はガラット変わるのですが イマヒトツ重圧感が伝わりません。 十分に大きく見えるのですが心情が内側に向かないのですね。 藤十郎丈のお柳はうまいな〜とは思うのですが う〜ん・・・何ででしょう、やはりあっさりしていて雰囲気が違うような気もいたします。 男伊達の世話女房が藤十郎丈の雰囲気ではないのかなっと思うのですけれど・・・そんなことないでしょうか? 歌六丈・相模五郎、高麗蔵丈・入江丹蔵、ご苦労様です。 魚づくしの台詞はなかなか良くって シッカリ、言っている事がわかりました。 まあ、まだ初日から3日目ですので 心情的に伝わるところは薄いような気もいたしました。 でも、これからモット良くなってくるのだろうなっと思います。 左團次丈の‘何か思うところありげ‘な弁慶 梅玉丈の‘全てを見抜いているけれど、我が身は追われる者の寂しげ‘な義経 どちらも‘らしい‘感じです。 「大物浦」はマズ、十二単の典侍の局・藤十郎丈が良いです。 たっぷりで迫力がスゴイです。 台詞に押しがあって「渡海屋」のあっさりした感じとはまるで違います。 やっぱり こってり、たっぷり、押しの強い藤十郎丈は良いです。(^^ゞ 相模五郎と入江丹蔵が注進に来て戦況がおもわしくなく遠見で見ていた船の明かりが消えていよいよとなってからの 安徳帝を守護しての毅然とした、でも品格を感じさせるところはさすがです。 >ああ勿体ない。このお乳が美しう育て上げたる玉体を、あのなんなんたる千尋の底へやりまして、何と身もよもあられふぞ。このお乳もお供する。いとし可愛ひの育ひ君、何とお一人やられふぞ。 >いかに八大竜王恒河の鱗、安徳帝の御幸なるぞや。守護し給へ。 このあたりは思いいれたっぷりで わりとあっさりした感じの今月の舞台の中では もしかすると一番こってりと義太夫狂言らしいところかと思います。 今回の舞台は ‘いかに八大竜王恒河の鱗‘からも 舞台中央で安徳帝を抱きかかえての演出で 下手には行きません。 まあ・・・かなり重たそうに安徳帝を抱えていらっしゃいましたから。(^^ゞ この場面、移動の時は安徳帝の子役のお子を後見の黒子さんと藤十郎丈が抱きかかえるのですが まだ、日数が浅いからでしょうか チョッと見ていて危なっかしい感じでした。 注進の歌六丈・相模五郎、高麗蔵丈・入江丹蔵は もっと思いつめた感じが欲しいです。 味方は全滅っという、事態の深刻さがイマヒトツ伝わりません。 ここも、これからを期待したいところです。 で、毎回 見ていて思うのですが 戦況が思わしくなくて安徳帝の身が危険なのに 入江丹蔵は何で一人で海に飛び込んじゃうんでしょうね〜。 安徳帝を守って最後まで頑張れ〜っとか思ってしまいます。(笑) いよいよ後半の知盛ですが 良かったです。 やはり幸四郎丈のニンのお役なのでしょうね。 大きくて良いです。 やはり内側に向かう心情は薄い感じもいたしますが この場面って、お話の展開そのものが壮絶ですので かえって重々しいよりは見ていて見やすいです。 こういうところはマッタクの好みなのかとも思うのですが ここで重圧であると、私などは見終わってから海の中に沈む知盛が思い浮かんでしまって怖くなります。 チョッと派手目に「さらば」で吹っ切ってしまってくれた方がラクに見られるのですね。(^^ゞ 上手く書けませんけれど 適度な悲壮さ、適度な執念が伝わって 後に残らない程度に泣けました。 で、「大物浦」で私が一番好きなのが 梅玉丈の義経なのです。 知盛が いい加減、舞台で立ち回りをした後に 上手から安徳帝や典侍の局とともに出てくるわけですが 品格のある御大将もさることながら 知盛に対しての‘哀れに思う心情‘がとても良いのです。 今の自らの立場を思い、知盛の無念を思い 強引でない静かな口調の中に心を救うべく手を差し伸べる様な感じがするのです。 知盛の最後を見届けながら 「さらば」に「さらば」と答える時の思いいれ、花道からの引っ込みで思いを吹っ切る様に首を振る感じ いかにもこの世は諸行無常 っと言う雰囲気があるのです。 以前見ましたときは ここで、チョッと振り向くように舞台の方を見てからフット頭を振ったのですが 今回はそのまま下を向いてフット首を振る感じでした。 左團次丈の弁慶は ここでも、あっさりした雰囲気です。 ‘らしくて‘良いとは思うのですが やはりもう少し内側に向かう心情が欲しい様な気もいたします。 ここでの弁慶は知盛の怨念を静めようと 数珠をかけたり、法螺貝を吹いたりするのですから 知盛への源平を超えた思いが伝わらないと 何で、こんな事するんだい? っと思えてしまいます。 ここも これからを期待するところかと思います。 ☆昼の部で私が一番おもしろいと思ったのが「道行初音旅」でございます。 どうも、舞台の展開が「鳥居前」と重なるところが多いので どうしても、見ていて比較してしまうところもあるのですが ダンゼン「道行初音旅」の方が良く見えてしまいます。(^^ゞ 山おろしで幕開き 舞台は満開の桜で 見た目も鮮やかですが 私は昼の部で一番面白い舞台だと思いました。 「道行初音旅」って こんなに面白い、見応えのある舞台だったけ?っと思うほど 良かったです。 見ておりまして とても楽しい舞台です。 芝翫丈も菊五郎丈も踊りが上手いし綺麗です。 ホントニ、所作がキッチリ綺麗です。 踊りに味があるって、こういう事を言うのでしょうね。 まず、芝翫丈が良いです。 お姫様のこしらえで、吹輪の鬘で四段の花簪 白地遠山に鳳凰織物常盤衣 銀の杖と透き通った市女笠 小さい紫色の包みを背負って 花道からの出です。 これ、おおよそ決まりのこしらえなのですが 七三で >馴れぬ茂みの紛い道 弓手も馬手も若草を・・・ からの舞台へ出るまでの吸引力がすごいのです。 見慣れている所作なのですが目を引きます。 舞台に出て鼓を打つと花道スッポンから 菊五郎丈の忠信が出ます。 あの、ドロドロドロで出て >背に風呂敷 しかと背たら負うて 野道畦道ゆらり ゝ ・・・ 花道での踊りの後 舞台へ出ます。 ここも 台詞を言いながら出て行くわけですが もう、こちらの気持ちをしっかり持って行ってしまっています。 >見渡せば 四方の梢もほころびて・・・ ここから舞台での踊りになっていって >里の男が声々に わが妻が天井ぬけて据える膳・・・ 里で聞いた話を踊って見せるところで お互いの立場を意識しながらのチョッと艶っぽい雰囲気のある踊りとなります。 で、ここから >弥生は雛の妹背仲 女雛男雛と並べて置いて・・・ で、静御前と忠信で立ち雛の見立てになるあたりまで 芝翫丈と菊五郎丈の踊りの素敵な事と言いましたら、見とれてしまいます。 とくに、菊五郎丈の忠信がとても良いです。 踊りそのものが見ていて楽しいですし 両袖をスッと伸ばして決まった時の お二人の美しい事と言いましたら・・・もう、これは劇場でゼヒ見てください!っと言いたいくらいでございます。(^^ゞ なんと言ったらいいのやら 袖を伸ばして決まる間合いが絶妙なのです。 4日は ここで、「御両人!」っと声がかかっていました。 >姓名添えて賜わりし御着長を取り出し・・・ ここから 忠信が義経からもらった鎧と、静御前の初音の鼓を 義経に見立てての戦物語りになります。 ここも、舞台を見ていて 何を語っているのかがハッキリ分かるのです。 語られている場面がイメージとして再現できて さらに、それが所作として面白く感じます。 影清と三保の谷の四郎が兜の‘しころ‘を引き合うところなどは 上手いな〜と思いますし また 話に聞き入る舞台と言う感じです。 >兄継信はわが君のお馬の矢面に駒をかけすえ立ちふざがる・・・ から、忠信の兄・継信が教経の放った矢に倒れた事を語ります。 戦物語りの場面で下手の清元に上手の竹本が加わり掛け合いとなるのですが 所作と語りがとてもよくあっていて良い感じで盛り上がります。 後半、静御前と忠信が出発しようとするところへ 待ってました(笑)で、仁左衛門丈の逸見藤太が出てきます。 花道での花四天とのところも楽しいですし 舞台での‘役者尽くし‘の台詞で場内が盛り上がります。 これは、仁左衛門丈オリジナルバージョンなのでしょうね。 で、ヤッパリ踊りが上手いんですよ〜。 当然のことながら 仁左衛門丈の藤太で この舞台の篤みがグント増します。 静御前、忠信、藤太のバランスが こんなに良い舞台って あんまりないかもしれませんね〜。(^^ゞ 菊五郎丈・忠信のフリスビー笠を 仁左衛門丈・藤太が舞台でナイスキャッチ。 仁左衛門丈の立ち位置が舞台中央でしたので ケッコウ飛距離が長かった様に思えましたが・・・。(笑) 定式幕が引かれて 花道外になります。 静御前の後から忠信は花道に行くのですが 静御前が前を向いていると‘狐‘に戻るのですね。 で、芝翫丈が引っ込むと 狐の本性を見せての‘狐六方‘での引っ込みになります。 菊五郎丈の引っ込みは ぶっかえっての引っ込みとは感じが異なりますが いかにも‘狐‘らしい(笑)身軽い感じでの引っ込みでした。 今月はもう歌舞伎座に行かれないのですけれど 昼の部「道行初音旅」と夜の部「木の実」「すし屋」はもっと見たいです。(^^ゞ 『おまけ』 笹目忠太 と 逸見藤太 この二人ですが 笹目忠太は「鳥居前」 逸見藤太は「道行初音旅」に登場します。 ですがこれは現在の歌舞伎の舞台の事でございまして 床本では「鳥居前」に逸見藤太(逸見の藤太)が登場するのみです。 もともとは この道化方の侍は「鳥居前」の逸見藤太だけなのです。 見取りでの上演で「道行初音旅」は 忠信(実は狐ですが)と静御前のみのであったところに 趣向として道化役の逸見藤太を登場させていたのですが 通し狂言として上演されますと、逸見藤太は「鳥居前」で狐忠信に踏み潰されて死んでしまっているので 同じ人物が「道行初音旅」に登場するのもおかしいということから 「鳥居前」の方が笹目忠太に替わったのだそうです。 1808年に初演されました「幾菊蝶初音道行(いつもきくちょうはつねのみちゆき)」という歌舞伎舞踊が後に清元に改調され義太夫との掛け合いとなり(九)團十郎によりまとめられ これが通し狂言での上演に組み込まれるようになりました。 現行の歌舞伎の通し狂言では「道行初音旅」は上記の歌舞伎舞踊として上演され 道化方の侍に逸見藤太を登場させ、演出によっては狐六方で忠信の引っ込みを見せます。 参考 http://homepage2.nifty.com/hachisuke/index.htm http://blog.goo.ne.jp/takasagoumeyuki 舞踊手帳 |