2007年02月11日・25日        もくじへ戻る トップページへ戻る 
    歌舞伎座 夜の部   三階A中央の席・三階B中央の席

  *通し狂言 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)

   五段目   :山崎街道鉄砲渡しの場
            二つ玉の場

   六段目   :与市兵衛内勘平腹切の場

   七段目   :祗園一力茶屋の場

   十一段目 :高家表門討入りの場
           奥庭泉水の場
           炭部屋本懐の場


五段目:山崎街道鉄砲渡しの場
     二つ玉の場
六段目:与市兵衛内勘平腹切の場

 早野勘平:菊五郎
 斧定九郎:梅玉
 お才:時蔵
 千崎弥五郎:権十郎
 おかや:吉之丞
 源六:東蔵
 不破数右衛門:左團次
 お軽:玉三郎

 五段目、六段目のあらすじはこちらでどうぞ





七段目:祗園一力茶屋の場

 大星由良之助:吉右衛門
 お軽:玉三郎
 大星力弥:児太郎
 鷺坂伴内:亀鶴
 斧九太夫:芦燕
 寺岡平右衛門:仁左衛門

舞台は祗園・一力茶屋 ここへお軽の兄で足軽の寺岡平右衛門を供にして 浪士の者たちが大星由良之助に会いに来ます。
浪士たちは遊興にふける由良之助の真意を確かめるために来たのでした。
供の平右衛門も仇討の供に加えて欲しいと願うのですか 由良之助は酒に酔い 取り合おうとしません。
怒って由良之助を斬ろうとする諸士たちを 平右衛門が抑え 由良之助の酔いが醒めるのを待つことにして この場を去ります。


しばらくして 大星力弥が顔世御前からの書状を届けに来ます。
由良之助は用心深く 書状を受け取るのでした。


折りしもここへ元塩冶家家臣で今は師直に内通している斧九太夫がやって来て 由良之助を酒宴に誘います。
九太夫は由良之助の本心を探るため逮夜であるにもかかわらず蛸を進めるのでした。
由良之助が大勢の茶屋の者と共に奥の座敷に行くと 入れ替わって、鷺坂伴内が現れ、由良之助には仇討の意志はないと思い込み九太夫と共にこの場を去ろうとしますが 九太夫は先刻の力弥が持参した書状の内容を確かめるべく 一人残って縁の下へ隠れるのでした。


座敷に人気のなくなった頃 由良之助は一人で戻って来て 先ほどの書状を読み始めます。
ところが、酔い醒ましに隣の二階の部屋にいた遊女・お軽が 恋文と思い鏡を使い書状を読んでしまいます。
さらに、縁の下では座敷からたれ下がってきた書状を九太夫が読んでしまうのでした。


書状を読むのに夢中になって お軽が簪を落とし この音で由良之助は、二階のお軽と縁の下の九太夫に気付きます。
由良之助は仇討の事を知ったお軽を殺さねばならず そのための身請けの話を始めるのでした。
酔ったふりをして お軽を呼ぶと 身請けの話を決め 奥へ入って行きます。
お軽は身請けしても三日で自由にしてやると言う由良之助の言葉に喜び この事を知らせるため 実家へ文を書く事にするのでした。


折りしもここへ お軽の兄・平右衛門が 勤めに出ている、妹・お軽を捜しに来て 二人は再会します。
由良之助の身請けの話をして喜ぶお軽でしたが 平右衛門は、これを聞いて 由良之助に仇討の覚悟はないと嘆きます。
しかし、お軽が先刻の書状の事を話し 由良之助の本心を知った平右衛門は 由良之助の手を煩わせることはないと考え お軽に斬りかかります。
突然、兄・平右衛門が斬りかかるので 驚くお軽でしたが 平右衛門から、勘平の死を聞かされ 自ら命を断つ覚悟をします。
この様子を見ていた由良之助は 平右衛門に仇討の供を許し お軽に勘平の代わりに九太夫を討たせるのでした。






十一段目:高家表門討入りの場
       奥庭泉水の場
       炭部屋本懐の場

 大星由良之助:吉右衛門
 小林平八郎:歌昇
 竹森喜多八:松江
 富森助右衛門:家橘
 原郷右衛門:東蔵

舞台は師直の屋敷 塩冶浪士は由良之助の打つ太鼓と共に討入りし ついに本懐を遂げるのでした。



 昼の部と同様に夜の部も 通し狂言ですがはぶかれたところがございます。
 以下に床本と並べてみました。

床本 歌舞伎 今回の舞台
五段目 山崎街道出会いの段
二つ玉の段
山崎街道鉄砲渡しの場
二つ玉の場
六段目 身売りの段
早野勘平腹切りの段
与市兵衛内勘平腹切の場
七段目 祗園一力茶屋の段 祗園一力茶屋の場
八段目 道行旅路の嫁入 道行旅路の嫁入 上演なし
九段目 雪転かしの段
山科閑居の段
山科閑居 上演なし
十段目 天河屋 天河屋 上演なし
十一段目 花水橋引揚の段 高家表門討入りの場
奥庭泉水の場
炭部屋本懐の場
歌舞伎のみの舞台です
大詰 光明寺焼香の段 引揚の場 上演なし


細かい部分は省略いたしましたが おおよそ上記の様な流れだと思います。
で、五段目から十段目までは 五段目の定九郎のキャラクター、七段目の平右衛門とお軽のじゃらじゃらしたやり取りなど 違う所もございますが お話の流れはだいたい同じです。
大きく異なりますのが歌舞伎の十一段目にあたる‘討入り‘が床本の方にはございません。
‘天河屋‘の後が もう、本懐を遂げて引揚げる場面になります。
元々の歌舞伎の原作とも少し異なりまして 今の歌舞伎での十一段目は 後に明治のころ実録風な舞台を付け加えたのだそうです。


八段目:道行旅路の嫁入
加古川本蔵の妻・戸無瀬と娘・小浪は 山科に閑居している由良之助の一子・力弥の元へ婚礼のため 二人きりで旅立ちます。


九段目:山科閑居
雪の山科閑居に戸無瀬と小浪がやって来ます。
しかし、由良之助の妻・お石は いまや浪々の身となったゆえ 婚約はなかった事にしたいと言います。
驚く戸無瀬でしたが お石は一方的な‘姑去り‘をします。
力弥との婚儀がかなわぬうえは 娘ともども死のうとする戸無瀬でしたが お石に止められ それほど婚儀を望むのであれば 殿中にて主・判官を抱きとめた本蔵の首を渡すように言うのでした。
折りしもここへ 虚無僧に姿を変えた本蔵が戸無瀬と小浪を追ってやって来ると 自ら力弥の槍先にかかり 聟になる力弥への引出物として 師直の屋敷の図面を与えます。
由良之助は図面を見て鎌倉へ旅立つ事を決めるのでした。


十段目:天河屋
堺の廻船屋・天河屋義平は由良之助らの仇討のための武器を鎌倉へ送っていました。
義兵は秘密を守るために女房・おそのを実家へ帰し、使用人も暇を出し 丁稚・伊吾と、子供のよし松の三人で暮らしています。
ある日の夜 役人が踏込んで来るのですが 義平はよし松の身に危険が迫っても 決して口を割りませんでした。
ここへ荷物の内より由良之助が現れ 全ては義平の忠義を見極めるためであった事が分かります。

一方、義平は 戻って来た女房・おそのを 秘密を守るために家に入れません。
しかし由良之助の計らいで 髪を切り尼の姿になることで難を解決し 義平とおそのは復縁できる事となります。

由良之助は義平の忠義に感心し討入りの合言葉を‘天‘‘河‘と決めると旅立つのでした。


大詰
ここは床本では‘花水橋引揚の段‘にあたるところです。
本懐を遂げた由良之助他浪士たちが菩提寺・光明寺へ向かう途中で 若狭之助が来て浪士の苦労をねぎらい もし、師直の追っ手が来るような事があれば自分がここで道を塞いでいますので 早く、光明寺へ行ってください っと、言います。

ちなみに 床本での大詰は光明寺に着いて 判官の位牌に師直の首をそなえ 浪士たちがお焼香をする場面です。
ここで 一番に、矢間十太郎 二番に、ふびんな最期を遂げた早野勘平が平右衛門が名代となって お焼香をするのでした。





 ここからは夜の部の感想を書かせていただきます。


☆「五段目」は すでに、お軽の実家・山崎に舞台が移っております。
ここで、勘平は猟師をしていることになっています。
 雨音の太鼓で幕が開き 浅葱幕を落として 舞台中央に勘平がいるのですが 舞台は夜で 猟をしているくらいなので まあ、山の中 さらに、雨が降っていて 勘平は火縄の火が雨で消えてしまったところから始まります。
 菊五郎丈の衣装は黄色い感じでありまして(たぶん)‘茶縮緬格子着付‘であると思います。
 少し色合いが明るい(黄色っぽい)感じもいたしましたが・・・。
 で、次回に確認できたらっと思いますけれど おそらく、肩の部分の格子が‘菊五郎格子‘ではないかな〜っと思います。
 3階からだとよく見えないのですけれどね。(笑)
 何でこんな事が気になったかと言えば 昨年の10月とパッと見の印象がずいぶん違って見えたからでございます。
 まあ、それだけの事なのですが・・・。(^^ゞ

 菊五郎丈の勘平は一つひとつを決まって型で見ると言うより ごく自然な感じの流れの中で決まる美しさがございます。
 型で決まって姿が美しいっと言うより 心情本意っと言いましょうか さりげない息遣いに‘らしさ‘を感じます。
 その分、義太夫狂言の粘っこさより アッサリした感じかもしれません。
 「鉄砲渡し」での引っ込みの時の花道での笠をソット火縄に寄せる仕草などは とても‘さりげなく‘見えるのですが 後から姿が思い浮かぶほどのインパクトがあるのですね。
 戻りますが 千崎弥五郎とのやり取りも わりと、軽い雰囲気です。
 それと、権十郎さんが 勘平の雰囲気に実に良く合った、千崎弥五郎であると思いました。
 「二つ玉」は今回は2回鉄砲の音がいたしまして 舞台に勘平が出ます。
 火縄を廻しながら舞台に出て ここから、下手の松のところに来て火が消え手探りになるのですが いろいろある段取りが段取りに見えなくて ホントニ、自然に‘そこに勘平がいる‘感じなのです。
 ここから 鉄砲を置くために稲束の水を切って決まり 闇の中で山刀で探った後、汚れを取って決まり 猪の足に掛かるはずの細紐を持って決まり で、定九郎の足を引っ張るまでに3度の決まりがありますけれど どれも、流れの中でスッと決まっていくので 決まりが‘、‘や‘。‘にならずに 決まる時の心情が表面に出るような気がいたします。
 良い意味で歌舞伎の‘わざとらしさが‘ないのだと思います。
 世話なのですね。(笑)

 で、「二つ玉の場」の梅玉丈・定九郎ですが さすがに、上手いですし姿も良いです。
 が・・・チョッとやっぱり雰囲気が違いませんかね〜。(~_~;)
 ‘不気味なほどの怖さ‘には見えないんです。
 さらに 倒れているのを見て 客席で‘梅玉さん、大丈夫ですか?‘とか思ってしまうんですよ。(笑)


○25日に追記
 梅玉丈の定九郎の雰囲気が良くなってますね。(笑)
 特に、前半 元は家老の子息の品も段取りの中に感じますし 何より、カッコイイです。
 破れ傘をさすところなど とってもカッコイイです。





☆「六段目」は勘平が悲しいです。
 花道からの出で 金を千崎弥五郎に渡すことができ、嬉しい雰囲気で戻ってきて ここから、転がるような身の不運なのですが 家の中の妙な雰囲気と、嬉しい気持ちの交錯する感じを 菊五郎丈の勘平は心情で見せていくようです。
 普通の中に暗雲が広がる感じなのです。
 お才の出した財布を袖で隠しながらソット見ますが ここも、大きく‘っ‘っと言う感じではなく 自身の胸のうちの驚きが思わず出てしまったような‘っ‘っと言う感じなのです。
 このあたりも 時代風に見た目に大きく決まってくるのではなく 世話風に繊細に見せていくようです。
 で、腹に刃を突き立てるとき‘わ〜‘っと叫ぶのですが これって、まさに「勘平‘腹切‘の場」にぴったりなのですね。
 ちなみに・・・同じ様に腹を切るのでも 昼の部の判官は「判官‘切腹‘の場」でございまして この違いが見事に舞台で見られるわけです。

 さて、いよいよこの場から玉三郎丈のお軽が舞台に出ます。
 (‘いよいよ‘って 私が勝手に思っているのですけれど・・・)
 里で猟師の女房ですので 衣装は地味ですが、とても可愛い感じで しっとりとした‘情‘を感じます。
 以前は腰元であったという品の良さもありますけれど それ以上に勘平に対しての‘情‘を感じるのです。
 やはり‘型・動き‘という事ではなくて心情として‘思い入れたっぷり‘に見えるのです。
 なので この後の七段目の お軽が対比として生きてくるように思います。

 時蔵丈のお才が手馴れた雰囲気でございますし 東蔵丈の源六もノリが良くて嫌味がなく ともに、お軽を連れて行くことへの後味の悪さを残しません。
 お二人がいらっしゃることで 暗くなる一方の舞台に息を抜く軽さが生まれて それでいて篤みが増し 舞台が大きくなります。
 吉之丞丈のおかやは 勘平を‘ただ責める‘感じではありませんで ‘これほど勘平の事を思っていたのになんて情けない‘っと言うような感じであります。
 より情が深いおかやです。
 これって ただカンカン怒られるより 心情的にはつらいかもしれませんね〜。(^^ゞ


○25日に追記
ここは葵太夫のHP「今月のお役」にございました下記の部分を確認してまいりました。

『母が入った気配を感じたお軽が、勘平にちょっとものを言いかけようとするのが~\トーン」とカラ二。門口が開いているので思い直すのが~\トーン」。立って下手の煙草盆を取りに行き立ち上がるのが~\トーン」。これだけカラ二がございます。源六に煙草盆を渡し、戸を閉めますのが黒御簾の合方のカカリ。お軽のセリフ「…気をつけてくださんせ、エ…(チン)、エ……(チン)」と『ウケ』が入ります。こういう2撥あるところは変えて弾くもので、稽古中に5玉三郎丈からもご注文がございました。つまり「エ」からの間合いと音色を両者で変えるわけです。』





☆「七段目」は いよいよ私のだ〜い好きな七段目!でございまして(笑) ワクワクでございます。
 (また‘いよいよ‘で スミマセン)
 超オモイッキリ特大のミーハーなのですけれど 「七段目」の玉三郎丈のお軽がだ〜い好きなのです。\(^o^)/
 上手の二階、ス〜っと障子が開いて 団扇を手にした玉三郎丈のお軽の美しいこと・・・。
 横向きで団扇を使うのですが スゴク団扇が柔らかく動くのです。
 よ〜く見ておいて同じ様にできるか試してみてくださいませ。
 できないんですよ〜。(笑)
 それから後ろ向きで鏡を使って手紙を読むところの姿の美しいこと。
 衣装も藤色で(まあ、これはみんな藤色ですが)とっても艶っぽい。
 由良之助に言われて梯子を降りるときのチョッとはにかんだ様な様子とか 身請けの話で、三日だけっと聞いた時の嬉しそうな様子・・・なんで、あんなに可愛らしいのでございましょうね〜。
 で、とびっきり嬉しいのは 仁左衛門丈の平右衛門が舞台に出てからです。
 「たのむ、たのむ、と書いてしもうた」から お二人のじゃらじゃらしたやり取りがとっても楽しいです。
 ここで、生きてくるのが「六段目」の勘平に対する時のお軽の‘思い入れたっぷりの情‘かと思います。
 「六段目」の‘しっとり‘と「七段目」の‘じゃらじゃら‘の雰囲気の違いが あ〜・・・夫・勘平と兄・平右衛門の違いなのねっと思うのです。
 七段目のお二人、息がピッタリでとっても楽しそうです。
 平右衛門がお軽に よく姿を見せてくれっと言って「こうかえ〜」っと ス〜っと決まる立ち姿の素敵なことって! 平右衛門でなくったって綺麗だって思います。
 実際、ここで客席から拍手がありましたのも。
 それで、はじめが平右衛門との 明け透けな‘じゃらじゃら‘であったものが 勘平が腹を切ってしまった事を知って 今の嬉しいから、家を出た時の心情へ戻るのですね。
 何のためにいま自分はここにいるのか 勘平がいなくなってしまって いったいどうしたらいいのか・・・で、「兄さん、どうしょう〜」。
 このスイッチが絶妙で サッと場内の空気が変わります。
 もしかすると ここからが「七段目」の忠臣蔵なのですね。
 ‘主‘のために‘お家‘のために お軽と平右衛門が行動しようとするわけです。

 今回、3階席からでしたので上半身くらいしか花道のお軽が見えなかったのですが ここの玉三郎丈のお軽、可愛いですね。(^。^)
 ぶつぶつ‘あ〜怖かった‘とか‘突然、斬りかかるから‘とか・・・でもぉ〜この、なが〜い平右衛門が焦れる‘間‘って なかなか言うとおりに動いてくれない子供の‘間‘と同じだったりします。(爆)
 見ておりまして‘家の子どもらといっしょやな〜‘っと(~_~;)こんな感じになりました。(笑)


 勢いで玉三郎丈・お軽の事を書きましたけれど(^^ゞ 幕が開きましてから先に舞台にいらっしゃるのは吉右衛門丈・由良之助でございます。
 目隠しをして‘てのなるほ〜へ ゆ〜らおにゃまたい〜‘などという声とともに舞台に出ていらっしゃいます。
 で、これが 色気があって 大きくって とってもカッコ良いのです。
 紫の着付がとても素敵です。
 お軽に気付いて‘おっ‘となるところ 足元に九太夫を見つけるところの鋭い感じ ハラがあって大きいです。
 この後の お軽とのやり取りは遊心を感じます。
 さらに 身請けの話に喜ぶお軽に扇子で顔を隠してチョッと決まるところなどは ‘思うところあり‘の辛さを感じさせます。
 幕切れ少し前 九太夫を引きずり出してからの由良之助の怒りが 真から怖い感じで やはり、ここに「七段目」の由良之助の忠臣蔵が見えるのだなっと思いました。
 姿といい、内に秘めた心情といい、みごとな由良之助です。


 仁左衛門丈の平右衛門は優しいです。
 姿の決まりが美しいですし 台詞の調子も良いです。
 それにやはり 玉三郎丈のお軽とのやり取りが絶妙です。
 場内がオモイッキリ盛り上がります。(笑)
 軽くなりすぎず強くなりすぎず でもやはり‘優しい‘っと言うのがピッタリな気がいたします。
 遊女になったお軽に 綺麗だからよく姿を見せてくれっと言って お軽が立ち姿を見せたときの嬉しそうな表情が、なんとも言えないくらい優しいのです。
 花道へ逃げてしまったお軽が なかなか戻ってこなくて怒る時も やっぱり、どこか優しい感じがして きつい感じがありません。


○25日に追記
 仁左衛門丈、玉三郎丈のお二人が最高に良かったです。
 玉三郎丈は前回よりさらに良くて(笑) 二階からの出の風情の良いこと、梯子を降りる時や身請けの話を聞いて喜ぶ時の可愛らしさ、兄・平右衛門との楽しい感じ、勘平の事を聞いてからの悲しさを姿の美しさで見せる具合・・・どれを見てもこれ以上のお軽がいるかしらっと思えるほどです。
 特に今回は勘平の死を知った後 声もなくゆっくり体を後ろに倒していく時の美しさは 見ていて息をのみます。
 兄・平右衛門に対して 子供の様にあどけなく接する妹・お軽ですが 勘平の死を聞いて「どうしょう」っとすがるお軽を見たら 平右衛門でなくとも抱きすくめたくなるでしょ。
 今日の玉三郎丈のお軽を見る事ができたのは最高にラッキーであったと思いました。





☆「十一段目」は本懐をとげる舞台です。
 雪の中でのチャンバラでございますが 通し狂言で、さらに昼夜通しで見ておりますと この舞台は‘ようやく討入りだよ!‘っと思えまして 「エイエイオー!」の声に‘良かった〜‘っと思うのですね。(笑)
 歌昇丈と松江丈、ご苦労様でございます。
 で、吉右衛門丈・由良之助・・・昨年の10月の想いを果たす事ができましたね・・・とか思ってしまいました。(^^ゞ






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