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| 歌舞伎座 昼の部 三階A中央の席 |
*八重桐廓噺(やえぎりくるわばなし) 嫗山姥(こもちやまんば) 一幕 *忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの) 将門 常磐津連中 *芝浜革財布(しばはまのかわざいふ) 二幕五場 *勢獅子(きおいじし) 常磐津連中 |
八重桐廓噺(やえぎりくるわばなし) 嫗山姥(こもちやまんば) 萩野屋八重桐:菊之助 白菊:萬次郎 太田十郎:亀蔵 沢瀉姫:松也 腰元お歌:市蔵 煙草屋源七 実は 坂田蔵人時行:團蔵 あらすじはこちらでどうぞ 忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの) 将門 傾城如月 実は 滝夜叉姫:時蔵 大宅太郎光圀:松緑 舞台は春の夜、相馬の古御所 平将門が滅ぼされて後、この古御所に妖怪が現れると噂が流れ 源頼信の命により将門の残党を捕らえに来ている大宅太郎光圀が詮議にやって来ます。 光圀が古御所で一人、うたた寝をしていると どこからともなく、如月と名のる京の島原の傾城が現れます。 いぶかしむ光圀に如月は 嵯峨の花見に行った折に光圀を見染め ここまで追って来たのだと言います。 これを聞いた光圀は、なお心底には疑いを持ち 将門が討たれた時の話をします。 光圀の戦物語りを聞いた如月は 思わず涙しますが、すぐに気を変えて廓話しをはじめます。 しかし、ここで如月は錦の御旗を落し 光圀に見咎められ、奪い合いになります。 あくまで疑いを持つ光圀に如月はついに正体を明かします。 傾城・如月は将門の娘・滝夜叉姫で 光圀を色仕掛けで味方にしようとしたのでした。 正体を現した滝夜叉姫は大蝦蟇の妖術を使い光圀らと大立ち回りになります。 芝浜革財布 政五郎:菊五郎 女房おたつ:魁春 金貸おかね:東蔵 錺屋金太:権十郎 桶屋吉五郎:亀蔵 大工勘太郎:團蔵 左官梅吉:彦三郎 大家長兵衛:田之助 舞台は芝浜 女房・おたつが魚河岸に出かける時刻より一刻早く政五郎を起こしてしまい それに気付かず出かけてきた政五郎は魚河岸が開いていないので芝浜で夜明けを待っています。 するとここで ふとしたことから、波打ち際で大金の入った革財布を拾います。 大金を手にした政五郎は大喜びで家に戻り 仲間たちと酒盛りを始めるのでした。 普段と様子の違う政五郎を見て 不審に思う女房・おたつでしたが、酔いつぶれて寝込んでしまった政五郎が大金の入った革財布を持っていることを知り これを隠してしまいます。 ようやく酔いが覚めた政五郎は おたつに革財布の事を尋ねますが おたつは、政五郎は革財布など拾ってこなかった きっと夢の事だろうと言うのでした。 不思議がる政五郎でしたが おたつの言葉に大金の入った革財布を拾った事は、夢の中の出来事だと思い込むのでした。 さんざん仲間と酒盛りをして支払いに困った政五郎は おたつの意見を聞いて真面目に働こうと決心します。 三年後の大晦日、政五郎の家 大金を拾った事は夢の中の事だと思い込んだ政五郎は、おたつの意見を聞いて商売に励み 今では立派な暮らしをしています。 折からここへ 政五郎の仲間の勘太郎がやって来て、新年を迎えるのに貧しく困っている人のために寄付を集めているのだか なかなか集まらないと話します。 これを聞いた政五郎は快く協力すると言います。 するとおたつが革財布を政五郎の前に差し出すのでした。 三年前に政五郎が芝浜で大金の入った革財布を拾ったのは夢ではなく本当の事だったのですが 真面目に働いて欲しいと政五郎を気遣ったおたつが革財布を隠して夢の事にしたのでした。 おたつは革財布を隠したことを政五郎に謝ります。 目の前の革財布を見て 芝浜での出来事は夢ではなかったのだと知り、驚く政五郎でしたが おたつのおかげで真面目に働くことができ、立派な暮らしができるようになったと感謝します。 そうして 二人は、革財布の大金を勘太郎に渡すのでした。 勢獅子(きおいじし) 鳶頭鶴吉:梅玉 鳶頭亀吉:松緑 芸者お京:雀右衛門 舞台は日枝神社 山王祭に鳶の者や芸者たちが賑やかに踊り 二人の鳶頭鶴吉と亀吉が、曾我兄弟の仇討の様子など踊り また、‘ぼうふら踊り‘や獅子頭をかぶっての踊りなどを見せ 芸者・お京も顔を見せると 祭りの気分はさらに盛り上がります。 |
☆「八重桐廓噺 嫗山姥(こもちやまんば)」は近松門左衛門作、1712年初演、全五段の時代浄瑠璃の二段目にあたります。 全体のお話は源頼光と四天王との出会いについて書かれています。 一段目:親の敵を討った糸萩(白菊)と恋人・喜之助を頼光がかくまいます。 喜之助は碓氷貞光と名のり、頼光の家臣となり清原高藤を追い払います。 二段目:今回の舞台で あらすじはこちらで見る事ができます。 三段目:美濃国に潜んでいた頼光は清原高藤方に知られるところとなり 美濃国の判官は頼光の首を差し出すように命じられますが 頼光の義弟・冠者丸が身代わりになります。 四段目:難を逃れた頼光は山賊を倒します。この山賊が家臣の卜部季武となります。また、信州上路の山中にて山姥となった八重桐のもとに宿を借り、その子を坂田公時とし家臣にします。 五段目:頼光と四天王(渡辺綱、碓氷貞光、卜部季武、坂田公時)は高懸山で鬼を捕らえた功により 清原高藤の讒言による罪を許され 清原高藤らを討ち、鎮守府将軍となります。 全体はだいたいこの様な感じでございます。 今回上演されました「八重桐廓噺」だけを観ますと いったい、どこが時代浄瑠璃なのかしら?っと思うのですが 全体を見ればチャンと竹本にのった時代浄瑠璃なのでございます。 それにいたしましても、何度観ましても‘しゃべり‘のところで意識がなくなってしまいます。(^^ゞ 本来は、この‘しゃべり(一人語り)‘がみどころのはずなのですが・・・。 今回は昼の部の初めの演目ですのでなんとか頑張ってみましたが それでも、時々意識がモウロウとしてまいりました。 前半がつらくて(笑) ‘しゃべり‘がやはりよくわかりません。 踊りなら踊りで見た目にも楽しいし、台詞なら台詞で聞いていて楽しいのですが しゃべっていないけれどしゃべるように見えて、こちらもその様に見るものなのでしょうけれど 私の力不足でございまして、さっぱり?でつらかったです。(^^ゞ ‘しゃべり‘が、本当はどの様なものなのかがハッキリ分かりません。 で、前半は松也さんが頑張っていらっしゃったな〜っというのと 團蔵さんの白塗りが良かったな〜 っと言った感じでありました。 團蔵さんの白塗りって、あまり拝見いたしませんけれど優しい感じでありました。 やわらかい感じの二枚目というより 優しいけれど、チョッとパリッとした江戸風の二枚目という感じです。 前半はよく分からなくて不完全燃焼でございましたが 後半は、見た目にもスグ分かりますので 楽しませていただきました。(笑) 今回、切腹した時行の魂が八重桐の体内に入るところは 普通に時行が八重桐を抱くようにして見せていました。 この後の立ち回りが華やかで良いです。 菊之助さんの決まり決まりの形が綺麗でスッキリ決まる線がとても良いです。 この方の舞台って結構クールだと思います。(笑) 他、萬次郎さんの古風な感じが好きだったのと 亀蔵さんの台詞が良かったと思いました。 亀蔵さんの台詞、お腹からオペラの様な感じで聞こえまして3階までとっても大きく響いて届いていました。 ☆「忍夜恋曲者 将門」は、1836年初演の常磐津の舞踊劇です。 開幕時、ドロドロドロっと風の吹き降ろす太鼓の音がして暗い場内の舞台には将門の古御所がございまして 花道スッポンから滝夜叉姫の時蔵さんが白い煙とともに面明かりで出ていらっしゃいます。 かなりドロドロと不気味で怪しげな雰囲気なのですが そのわりに、時蔵さんの滝夜叉姫は なんだか、健康的でありまして 怪しげに見えないのでございます。 立派な傾城には見えるのですが 時蔵さんの真面目な感じがそのまま出ている様です。 で、やはり前半がつらかったです。(^^ゞ クドキのところもサラッとしておりまして たぶんコレでは口説かれないだろうな〜っと思ってしまいます。 松緑さんの光圀は所作が綺麗です。 戦物語でもキッパリきれあじ良く、芝居味もあったと思います。 終盤の屋台崩しは大歌舞伎ならではの大仕掛けで見ていて楽しかったです。 あの、蝦蟇は 3階から見てもケッコウ大きかったですが 実際目の前で見るとどのくらい大きいのでございましょうね〜? チョッと触ってみたい気もいたします。(笑) 全体には古風な感じの舞台なのでしょうが 後半の盛り上がりで見切った感じでありました。 それにいたしましても 忍夜恋曲者の軍兵との立ち回り 八重切廓話の花四天との立ち回り 昼の部は立ち回りが続きますね〜。 ☆「芝浜革財布」は落語を元にしたお話で1922年の初演です。 歌舞伎はゼンゼン知りませんっとおっしゃる方でも、おそらくこのストーリはご存知なのではないかと思います。 今回の舞台ですが 昼の部で私が唯一意識がハッキリして最後まで見ることのできた舞台でございます。(笑) あまりゴチャゴチャいう事もなくて菊五郎劇団らしい生世話の舞台で単純に楽しんでしまいました。 菊五郎さんは、もう政五郎でございます。 手に入ってゼンゼン違和感なしです。 で、魁春さんがタップリと情があってとても良いです。 前半の裏長屋でも、けして‘すすけた‘様ではございませんで このあたりが、歌舞伎の舞台なのだなっと思えるような雰囲気です。 ここも、團蔵さんが頑張っていらっしゃってご苦労様でございます。 ちなみに、私は大工甚太郎が一番スンナリ見る事ができました。(^^ゞ ☆「勢獅子」は1851年初演で常磐津の所作事です。 今回の演出は(6)菊五郎丈、(7)三津五郎丈の舞台からのものでございます。 舞台は山王祭りの日なのですが 初演時には曽我祭でありまして お正月の曽我狂言が大当たりすると、5月の曽我兄弟の命日にお祭りをしたのだそうで これを後に舞台の所作事として残したのが「勢獅子」なのだそうです。 「勢獅子」の‘勢‘というのは‘勇み肌(‘勢い‘がよく、男気のある気風)‘の男のことだそうで その様な男気のある勢いのいい鳶頭が使う獅子なので「勢獅子」というそうです。 なので、「勢獅子」の鳶頭は見るからにきっぷのいい男気のある男伊達であるわけです。 さて、今月の鳶頭はいかがでございましょう。(^^ゞ 舞台には花道からの出で、舞台にみなそろったところで手打ちがあって、いきなり‘おめでとうございます‘っで始まりました。 チョッとびっくりしました。(笑) まあ、上の説明の様にお正月の狂言が大当たりしたためのお祭りであれば‘そうなのかな〜‘とも思えます。 で、踊りの方も はじめ、曽我ではじまります。 それから‘若衆の姿をした芸者‘と‘本当の若衆‘との大勢での踊りになって それから、眼目の鳶頭の踊りであったと思います。 ハッキリしないのですが、大勢で踊っている時の常磐津がチョッと感じが違ってユックリであったので帰宅後調べてみましたら ここは木遣りであったらしいです。 鳶頭は梅玉さんと松緑さんでございますが どちらも踊りの上手い方でございますので 動きがとても綺麗で、さらにおそらくスゴイ運動量なのだろうな〜っと思われまして かなり、圧倒されて見ておりました。 一度、上手から引っ込んで 頭巾を付けて、何という柄なのか?なのですが レンガ模様とでも申しましょうか(笑) 黒地のお衣装で‘ぼうふら踊り‘になります。 これがまた、どうもスゴク疲れそうな踊りでございまして 振りがあってないような、浮いたり沈んだり見ていて面白いのですが 変わった感じの踊りです。 ここで思いましたのは‘コレってよほど踊れる人でないとグチャグチャになっちゃうだろうな〜‘でございます。 梅玉さん、松緑さん きっちり形が崩れません、すごいな〜!!! この後に雀右衛門さんが舞台にいらっしゃるのですが いっぺんに舞台の雰囲気がパ〜ット華やぎます。 これはもう、体感以外ございません。 スッキリ綺麗で、きっぱりカッコよくって、それでいて可愛らしくって、艶やかです。 ほんと、動きの線が綺麗です。 それで、梅玉さんと並ぶと良い雰囲気で しっくりするのですね。 梅玉さんを圧倒しない、雀右衛門さんのスゴサを確認させていただきました。(^^ゞ ここから、獅子舞になります。 獅子は前足が松緑さん、後足が松江さんでございます。 その後、オカメ・ヒョットコの踊りになり 途中で、梅玉さんの外道(げどう)が加わり3人での踊りとなります。(外道のお面をこちらで見ることができます) やはり踊りはよく分かりませんけれど(^^ゞ 明るくて楽しい舞台でございました。 で、鬘ですけれど 以前、10月歌舞伎座の観劇記録に書きました「お祭り」の鳶頭の鬘「‘がりぶち付き‘の鬘」を確認いたしました。 やはり、今回の鳶頭と同じ鬘のようでございます。(^。^) |