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| 国立大劇場 12:00開演 一階下手前方花道外の席 |
*元禄忠臣蔵・第二部 四幕十場 |
元禄忠臣蔵・第二部 大石内蔵助:藤十郎 浮橋:秀太郎 江島:魁春 瑤泉院:時蔵 堀部安兵衛:松江 大石主税・羽倉斎宮:愛之助 富森助右衛門:翫雀 小野寺十内・新居勘解由:我當 お喜世:扇雀 不破数右衛門・寺坂吉右衛門:亀鶴 浦尾:歌江 おうめ:吉弥 落合与右衛門:東蔵 進藤八郎右衛門:彦三郎 徳川綱豊卿:梅玉 伏見撞木町 第一幕 揚屋笹屋の表二階 舞台は伏見撞木町の揚屋笹屋の表二階 遊女・浮橋と共にいる大石内蔵助の姿があります。 ここへ芸州広島藩のお船奉行・進藤八郎右衛門が江戸へ向かう途中に訪ねてきます。 広島と赤穂・浅野家は縁戚で 進藤八郎右衛門は親藩の広島藩の嘆願として‘内匠頭の弟・大学による浅野家再興‘を願い出るために江戸へ行くのでした。 浅野に同情する世評に動かされての事でしたが もし、浅野家が再興されれば 仇討はできなくなってしまいます。 内蔵助とは遠縁の進藤八郎右衛門は浪士の事を思い 嘆願の事を知らせ、早く仇討をするように言いに来たのでした。 この話を聞いた内蔵助は それでも、仇討の意志を見せません。 折りしもここへ、小野寺十内が来て 急進派の堀部安兵衛と不破数右衛門を連れて来たと言います。 堀部安兵衛と不破数右衛門は内蔵助の本心を確かめるために来たのですが 内蔵助は会いたくないと言うと、逃げるように座敷を後にするのでした。 奥庭離室のあたり 舞台は笹屋の離れのあたり 折から揚屋の衆と共に遊興にふける内蔵助を見て、訪ねて来た不破数右衛門は怒ります。 さらに父・内蔵助の姿に希望の持てなくなった子息・松之丞は自ら元服し主税と名を改め堀部安兵衛や不破数右衛門と共に江戸に下る事を願い出ますが 内蔵助はこれを許さず 主税を叱ります。 ここへ先刻の進藤八郎右衛門が江戸に向かうため別れを言いに来ます。 進藤八郎右衛門は もし、浅野家が再興されれば 仇討はできなくなると念を押してこの場を去るのでした。 じっと、黙っていた内蔵助でしたが進藤八郎右衛門が去ると人払いをさせ主税に本心を話すのでした。 内蔵助自らが混乱を防ぐために言い出した浅野家再興が 今になり、現実になるかもしれず もし、自らが願い出たお家再興がかなうことになれば仇討は道理に合わず 今はただ、この成り行きを見ているほかないのだと言うのでした。 内蔵助の辛い心情を知り 隣室にいた堀部安兵衛と不破数右衛門は無礼を詫びます。 しかし、成り行きを見守るうち吉良が死んでしまうのではないかと気にする三人に 内蔵助は、その時は内匠頭の眠る泉岳寺で追腹を切ればすむ事で‘至誠が第一、敵討は第二‘と言うのでした。 御浜御殿綱豊卿 第二幕 御浜御殿松の茶屋 舞台は年に一度の‘お浜遊び‘が催されている徳川綱豊卿の浜手屋敷 折りしも、上臈浦尾に綱豊の愛妾・お喜世は届いた文を渡すよう迫られ困っています。 この文は身元保証人となった赤穂浪士・富森助右衛門から預かった、浅野家お家再興の願いを書き記した文でした。 しかしこの場は右筆を勤める江島がお喜世を助けます。 口惜しげに上臈浦尾がこの場を去ると そこへ、綱豊卿がほろ酔い機嫌でやって来ます。 お喜世は預かった文を綱豊卿に渡すと 富森助右衛門が‘お浜遊び‘の隙見をしたいと願っている事を伝えます。 綱豊卿は現在の将軍・綱吉の甥であり、後継者と注目されていますが この事が幕府内での立場を微妙なものにしていました。 それゆえ綱豊卿は政治から遠ざかっているのでしたが 周囲には綱豊卿を頼り政治向きの事柄を頼むものもいます。 お喜世の預かった浅野家お家再興の願いもその一つでありましたし 今宵の演能に上杉と共に吉良上野介が来る事も一つでした。 上野介が演能に来る事になっている‘お浜遊び‘を隙見したいという赤穂浪士・富森助右衛門の願いを聞いた綱豊卿は 赤穂浪士の侍心に気付き隙見を許すのでした。 第三幕 御浜御殿綱豊卿御座の間 舞台は綱豊卿御座の間 綱豊は儒学の師・新井勘解由を呼び 浅野家再興の願いを将軍に進言しがたい心を打ち明けます。 綱豊はお家再興を進言することが義務である事を承知の上で しかし、なお内蔵助らの仇討を支持していました。 これを聞いた新井勘解由も綱豊に同意します。 御浜御殿入側お廊下 隙見を許された富森助右衛門は江島の元へ案内されます。 吉良の事ばかりが気になる富森助右衛門でしたが 綱豊に対面する事を知り慌てます。 御浜御殿元の御座の間 綱豊がお喜世と共にくつろぐところへ助右衛門がやって来ます。 綱豊は赤穂浪士の仇討の志を確かめようとしますが 助右衛門はなかなか本心を表しません。 綱豊と助右衛門の真意をめぐっての激しい言葉のやり取りが始まるのですが 綱豊が先刻の文の内容に触れ、大学による浅野家お家再興の話をすると 文の内容を知らない助右衛門は予想外の事に黙ってしまいます。 助右衛門の様子をみた綱豊は 赤穂浪士の志に確信を持ちこの場を去ります。 しかし、お家再興がかなえば仇討はできなくなると知った助右衛門は動揺します。 早急な行動を諌めるお喜世でしたが 助右衛門の覚悟に手引きする事を決め 今宵の演能で吉良を討つ事にします。 御浜御殿御能舞台の背面 舞台は能舞台の後ろ 助右衛門が息を殺して待ち受けるところへ、後半の舞台に向かうためのシテが顔を隠して出てきます。 今宵の演能にシテを勤める事になっている吉良をこの場で討ち果たそうと 物陰から助右衛門が飛び出し槍で突きかかります。 しかし、顔を隠した人物はこれをよけ 逆に、助右衛門を押さえ込むのでした。 覆いの取れたその顔は吉良の代役に立った綱豊でありました。 驚く助右衛門に綱豊は 大事なのは吉良の首を討つ事ではなく、そのためにいかに至誠を尽くすかだと言うのでした。 南部坂雪の別れ 第四幕 三次浅野家中屋敷 舞台は師走の三次浅野家の中屋敷 煤払いの最中に東へ下った大石内蔵助がやって来ます。 中屋敷には内匠頭の奥方、今は剃髪した瑤泉院が夫・内匠頭の菩提を弔っています。 東へ下った内蔵助は瑤泉院に面会を求めるのでした。 三次浅野家中屋敷瑤泉院居間 内蔵助の訪問に瑤泉院は仇討への期待を持つのですが ここでも、内蔵助は自らの意思を話しません。 瑤泉院の落胆は大きく 内蔵助は内匠頭の位牌に焼香もできないまま ただ、懐中の袱紗包みを置いてこの場を去るのでした。 三次浅野家中屋敷門外 舞台は雪の中の中屋敷門外 屋敷から出てきた内蔵助を見咎めた国学者・羽倉斎宮(いつき)は 内蔵助にわざと突き当たります。 羽倉斎宮は仇討に賛同し吉良屋敷の絵図面を届けるなどしてきた人物でしたが 内蔵助のはっきりとしない態度に不満を持っていたのです。 羽倉斎宮は内蔵助を打ち据えてこの場を去ります。 折りしも 内蔵助が黙って立ち去ろうとするところへ屋敷の中から奥家老・落合与右衛門が声をかけます。 先刻、内蔵助が置いてきた袱紗包みには仇討の志を示す歌日記が入っていたのでした。 内蔵助の本心を知った瑤泉院は 長屋門の窓辺にたつと、内蔵助に詫びと礼を言うのでした。 ちょうどここへ寺坂吉右衛門が来て吉良の様子を伝えます。 これを聞いた内蔵助は瑤泉院に頭を下げると静にこの場を去るのでした。 |
☆ようやく楽日になりまして 国立11月元禄忠臣蔵・第二部を見てまいりました。 で!!! 私の今月の一番は「御浜御殿綱豊卿」の梅玉さんでございました。(^。^) ○伏見撞木町 第一幕 伏見撞木町の揚屋笹屋の表二階 〃 奥庭離室のあたり 藤十郎、秀太郎、彦三郎、松江、愛之助、亀鶴、我當 幕開きスグの衝立(?)の後ろから登場の藤十郎さんが いかにも‘今月の内蔵助‘らしくて 先月から引きずっていた内蔵助のイメージを ここで、サッと一新したようでした。 サスガに和事の藤十郎さん 貫禄があり さらに、どことないやわらかさがあり ‘伏見撞木町‘という舞台にぴったりであったと思います。 また逆に、今回の内蔵助の様なお役で藤十郎さんの舞台を拝見する事は あまりないように思いますので じゃらじゃらしていない、チョと硬い感じの(笑) 藤十郎さんの内蔵助を拝見できたのはラッキーであったかもしれません。(^^ゞ 今月の内蔵助は とにかく、自分は動くことができずに ただひたすら我慢して、内側にすべてを納めて、状況の変化を見守る‘忍耐‘のキャラクターかと思います。 舞台上の藤十郎さんの内蔵助は、ほとんど渋い顔つきでしたが シッカリと篤さのある武士で 状況の変化を見守る‘忍耐‘を遊興の中にも違和感なく見せていました。 やはり内側から出てくる思いが十分なのだと思います。 彦三郎さんの台詞がとても良くて 今回の舞台でも彦三郎さんの台詞・口跡の‘歌舞伎らしさ‘は一番ではないかしらっと思いました。 秀太郎さんは 幕開きスグ、藤十郎さんの内蔵助と一緒に登場なさいます。 藤十郎さんと共に上方の風情を漂わせて‘元禄忠臣蔵‘という硬派なお話の中で‘伏見撞木町‘に緩急を持たせているようでした。 優しく自然な心遣いを感じる浮橋だと思います。 ○御浜御殿綱豊卿 第二幕 御浜御殿松の茶屋 梅玉、扇雀、歌江、魁春 第三幕 御浜御殿綱豊卿御座の間 〃 入側お廊下 〃 元の御座の間 〃 御能舞台の背面 梅玉、魁春、翫雀、扇雀、我當 私の中の今月の一番でございます。 舞台からの熱を感じて客席が動くような、ちょっとなかなか見ることのできない舞台だったと思います。 御浜御殿って、浜離宮のことですけれど 今も、‘松のお茶屋‘とか‘潮入の池‘とかございまして 舞台の背景を見ましてチョッと面白く感じました。 まっ・・・どうでもいいことですけれど。(^^ゞ で、思いっきりミーハーで月並みではございますけれど 綱豊卿・梅玉さん カッコイイです。 本が良くて、綱豊卿というキャラクターそのものが カッコイイのでしょうけれど それを、申し分なく最高にカッコよく見る事ができました。 まあ、よ〜く冷静に見れば かなり傲慢な感じであって けして、お近づきにはなりたくないキャラクターかもしれませんけれど そんな事を思う間も与えず、梅玉さんの綱豊卿はカッコ良かったです。(^^ゞ こういう品格が土台にないといけないお役は 梅玉さん最高に良いです。 今回も綱豊卿の大きさが十分に舞台で出ていて ハラの深さ篤さがシッカリ見えます。 おそらく、私の中で後々まで残るのは 11月国立元禄忠臣蔵では‘御浜御殿‘の綱豊卿・梅玉さんだと思います。(笑) で、‘元の御座の間‘で綱豊卿・梅玉さんとガップリ組んだのが富森助右衛門・翫雀さんですけれど ホントニ、綱豊卿・梅玉さんとガップリで見応えございました。 とても温度の高い舞台だったと思います。 お喜世・扇雀さんは綱豊卿・梅玉さんと富森助右衛門・翫雀さんの間にいて ‘おもわれもの‘の可愛さもあり、また 義兄の志を思う芯の強さもあり 良い舞台だと思いました。 今回、ご兄弟で富森助右衛門とお喜世でしたけれど 息がピッタリあっていて相乗効果というのでございましょうか お二人とも存在感のある舞台でした。 まっ、一ヵ所 吉良を今すぐ討とうと逸る富森助右衛門をお喜世が押さえる場面は チョッとお二人とも大きくて柔道みたいでしたけれど・・・だって、お喜世が富森助右衛門の襟首を掴んで止めようとするんですもの。(笑) 魁春さんの江島は 格、品 共にピッタリで存在感十分でございました。 ○南部坂雪の別れ 第四幕 三次浅野家中屋敷 〃 瑤泉院居間 〃 門外 藤十郎、時蔵、愛之助、亀鶴、吉弥、東蔵 ここは二ヶ所。 一つは、愛之助さんで この場面での羽倉斎宮のキッパリした感じと‘伏見撞木町‘での主税の初々しさの演じわけが良かったです。 二つ目は、内蔵助・藤十郎さんの花道からの引っ込みのところ グッと噛み締めるように 決意・思いをハラに納める感じが伝わってきました。 以上、元禄忠臣蔵・第二部の感想を書かせていただきました。 |