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| 国立大劇場 12:00開演 一階下手前方花道外の席 |
*元禄忠臣蔵・第一部 六幕十二場 |
元禄忠臣蔵・第一部 大石内蔵助:吉右衛門 浅野内匠頭:梅玉 小野寺十内、奥田孫太夫:歌六 おりく:芝雀 多門伝八郎、堀部安兵衛:歌昇 片岡源五右衛門:信二郎 加藤越中守、奥野将監:東蔵 田村右京太夫、戸田権左衛門:彦三郎 井関徳兵衛:富十郎 江戸城の刃傷 第一幕 江戸城内松の御廊下 舞台は江戸城内 幕府が朝廷の年頭勅使を接待する日 将軍の出座を待っているところへ にわかに騒ぎが起こります。 播州赤穂城主・浅野内匠頭が吉良上野介に斬りつけたのでした。 松の廊下では梶川与惣兵衛に背後から抱き留められ 吉良に止めを刺すこと叶わず無念をこらえる浅野内匠頭に 目付・多門伝八郎が尋問をするのでした。 御用部屋 この事件の判決は 浅野内匠頭の切腹、吉良はお咎めなしというもので これを聞いた多門伝八郎は再考を促し、喧嘩両成敗を訴えるのでした。 第二幕 田村右京太夫屋敷大書院 浅野内匠頭はその日のうちに田村邸に送られましたが 公儀を恐れる田村家では警戒を厳しくし切腹の場も庭先に設けてありました。 多門伝八郎がこの取り扱いに抗議しますが聞き入れられずにいるところへ 浅野家小姓頭・片岡源五右衛門が暇乞いに来るのでした。 小書院 多門伝八郎の計らいによって片岡源五右衛門は浅野内匠頭と最後に会うことができます。 互いに話すことはできないのですが 浅野内匠頭は家臣の者への最期の言葉と辞世の歌を残すのでした。 第二の使者 第三幕 播州赤穂城内大広間 舞台は赤穂城内大広間 事件の知らせが届き、大石内蔵助は家中の者が騒ぎにならぬよう城門を閉じ 町民農民の生活を考えた行動を取り 城内に訪ねてきた嫡男・松之丞にも慌てて行動せぬよう言うのでした。 ここへ第二の使者が来て 浅野内匠頭の切腹の様子と、勅使饗応が滞りなく行われた事を聞きます。 勅使饗応が行われた事に安堵する大石内蔵助でしたが 浅野内匠頭の辞世の歌を聞き無念に涙するのでした。 またこの後 京都留守居役・小野寺十内が朝廷の様子を伝えに来ます。 禁裏への不敬を問われなかった事を知り 大石内蔵助は安堵します。 最後の大評定 第四幕 播州赤穂城下大石内蔵助屋敷玄関 舞台は大石内蔵助屋敷玄関先 浅野内匠頭切腹を聞きつけ赤穂の元藩士・井関徳兵衛は報恩の列に加わるべく息子・紋左衛門とともにやって来ます。 中座敷 舞台いは大石内蔵助屋敷の中座敷 奥座敷で内蔵助が配分金について大野九郎兵衛と話しているところ 岡島八十右衛門が大野九郎兵衛を糾弾しに来ますが これを内蔵助の妻・おりくが厳しく戒めます。 家臣、城下の者の事を思う内蔵助は 元服してともに行動したいと願う嫡男・松之丞に外聞を気にした忠義だと叱るのでした。 元の玄関 舞台は先ほどの玄関先 井関徳兵衛が内蔵助が出した酒を飲んでいるところへ 登城のため内蔵助がやって来ます。 内蔵助は、城を明け渡す気なのかと詰め寄る徳兵衛を振り払うと息子・紋左衛門に侍を捨て長く生きて欲しいと言います。 なおも、城内へ行くと言う徳兵衛に 内蔵助は、城内へは通さぬと言い 登城するのでした。 第五幕 赤穂城内表座敷竹の間 舞台は赤穂城内表座敷竹の間 籠城か殉死で緊迫する中 江戸から戻ってきた奥田孫太夫、堀部安兵衛ら主戦を主張する者たちと 同じく江戸から戻った側勤めの片岡源五右衛門らが言い争いをはじめます。 この様な中 多くの者が今後を思い内蔵助に面会に来るのでした。 黒書院の間 舞台は赤穂城内黒書院の間 評議に集まった最後の五十六人を前に内蔵助は、城を出る事、公儀政道への批判を慎む事、生死進退を預けて欲しい事、を話し さらには、自らの言葉に同意する誓紙血判を集まった者に求め 本心を伝えます。 集まった者は内蔵助の本心をしり血判に加わるのでした。 第六幕 赤穂城大手御門外 井関徳兵衛が息子・紋左衛門に かつて仕えていた城の建物を説明しながら歩いてきます。 城内へ入れずにいた徳兵衛でしたが 開城を知ると、息子を連れかつての自分の屋敷跡へ向かいます。 しばらくして 内蔵助が城から出てくると 一人、城を後にするのでした。 赤穂城外往還 舞台は赤穂城近くの往還 内蔵助は腹を斬った井関徳兵衛を見つけます。 息子・紋左衛門はすでに亡くなっており 徳兵衛は最期に内蔵助に本心を尋ねます。 内蔵助は徳兵衛の耳元で 天下の御政道に反抗する気だ、と言うのでした。 |
☆国立劇場開場40周年記念の舞台、3ヶ月通し上演のスタート「元禄忠臣蔵・第一部」を見てまいりました。 ベビーで超硬派な超重厚な舞台でございます。 女形さんは子役を含めて3人だけ あとは、みんな立ち役ばかり そのわりに、がさがさした男くささを舞台に感じないのは 品格、芸格のなせる技かと かなり見ていて嬉しくなってしまいました。 中心は内蔵助・吉右衛門さんですけれど 周りの役者さんがとても良いです。 歌昇さん、東蔵さん、隼人さん、梅玉さん、富十郎さん、そうして特に良かったと思いましたのが歌六さんでございました。 「第二の使者」での小野寺十内は、内蔵助の心を確実に決めさせるキーマンでございまして ここでの歌六さんの存在感は大きかったです。 と、いったところで 細かい事を書いてまいります。 「江戸城の刀傷」 第一幕:江戸城内松の御廊下 舞台は幕が開きますと、イキナリ騒ぎになっております。 すでに内匠頭が吉良に斬りつけた後からお話が始まります。 吉良は舞台の奥に逃げていく後ろ姿がチラッと見えるのみで その場に居合わせた大名や御坊主がざわざわしている所から、盆が回って抱えられている内匠頭に変わります。 ここの梅玉さんは、無念な思いの内匠頭を情のみにならずに、あくまでも城主としての格を持って見せてくれたと思います。 吉良に斬りつけた理由が明らかにならないので あくまでも、後の事を考えても それでも斬りつける‘何か‘が 内匠頭の中に‘感情‘としてではなく‘大義‘としてあったのだろうと思わせます。 で、多門伝八郎・歌昇さんが 梅玉さんとガップリに見えるのです。 新作歌舞伎ですから‘ガップリ‘とか‘コッテリ‘とか そういう舞台ではないのでございましょうし 表面的に感情がガンガン表れる様な場面でもないのです。 でも、内側から出てくる‘情‘が 互いに冷静に振舞う中で見えてきます。 花道を引込む時の内匠頭・梅玉さん、無念を秘めた感じが滲むようでした。 第一幕:御用部屋 ここは、歌昇さん頑張るな〜っと ひたすら感心するばかりです。 なにせ 台詞が多くて、難しい これを、シッカリと噛む事もなく これだけ聞かせてくれるのですからスゴイです。 多門伝八郎は役柄としては‘真っ直ぐな人‘なので 心情の中に紆余曲折を持っているわけではございませんけれど 歌昇さんの多門伝八郎がストレートに‘権力者の判断が間違っている‘と伝えることで 内匠頭の無念とか、これからの内蔵助の行動の起点がクッキリ見えてきます。 それと東蔵さんが ここでの加藤越中守と後の幕での奥野将監とを上手く演じ分けていたように思います。 第二幕:田村右京太夫屋敷大書院 ここもやはり歌昇さんが舞台を引っ張る感じです。 このあたりから だんだんと、お話の時代 元禄時代の‘政(まつりごと)‘の様子が見え隠れしてきます。 前の場面での吉良の‘侍こころ‘の無さを言う多門伝八郎もそうですけれど ここでの、田村右京太夫の行動も侍とか武士とかよりも文治の政治のあり方の中での行動として見えてきます。 内匠頭の殿中での行動や多門伝八郎の言動が‘政(まつりごと)‘の中で受け入れられなくなっていくのがわかる そういう感じの場面です。 新作歌舞伎の舞台の中であっても 彦三郎さんの台詞はタップリな歌舞伎で好きだったりします。(^^ゞ 第二幕:小書院 この舞台の梅玉さん、こんなに‘情‘のある梅玉さんを見たのは初めてでございます。(^^ゞ どうも、いつもはサラッとした舞台でございますけれど ここはかなりジックリで、いつもより‘重たい‘と思いました。 梅之さんの降らせる桜の花びらもGoodtimingでありました。 この場面は信二郎さんの片岡源五右衛門に泣かされます。 「第二の使者」 第三幕:播州赤穂城内大広間 ようやく!!!内蔵助・吉右衛門さん登場です。 舞台中央の奥から出ると、場内いっせいに拍手〜。 この場面では 江戸からの内匠頭切腹の様子などと、京からの朝廷の様子が伝えられます。 江戸での様子は舞台で客席も同時に見ているのですけれど 京の様子というのは客席も知らない事でありまして しかし、当時の政治は公家の力が‘無い様で有る‘、微妙な公家と武家の政治のあり様なわけなので 小野寺十内・歌六さんはとても重要な使者なのでございます。 ここでの事件後の謝罪の様子と、その事に対する公家の好意的な反応 さらには帝の内匠頭に同情的である様子などを伝える小野寺十内・歌六さんの存在感はとても大きくて これだけの長い舞台の中ですけれど シッカリ印象に残りました。 これを受けて内蔵助が一番気がかりであった禁中が、今回の事を遺憾に思っていない事を知って いよいよ次の行動へ移るのですけれど 喜び合う内蔵助・吉右衛門さんと小野寺十内・歌六さんが、もう最高に良いのです。 お腹の底から、体の中から、‘これで、居場所が確保できる‘喜び 生きていく、これからの行動の小さな導(しるべ)を見いだした感激 そんなものが舞台のお二人から感じます。 ここでもそうですけれど この後の舞台でも‘自分の仕事をしてきた‘という様な意味の台詞を何度も聞きます。 急な一大事の中で それぞれができる、それぞれの大事な仕事を 各自が見失うことなく 確実に実行していることが分かるのです。 この幕は吉右衛門さんも良かったですが 私は歌六さんがかなり良い感じであったと思いました。 「最後の大評定」 第四幕:播州赤穂城下大石内蔵助屋敷玄関 舞台の雰囲気が少し変わります。 初めてここで潮田又之丞の‘妻‘お遊で女形の京妙さんが舞台に出ます。 ようやく舞台に彩が出ます。 ほっとするんですよ〜。(^^ゞ で、さらにここまでとは雰囲気の異なる井関徳兵衛・富十郎さんの登場です やはり出と共に場内から拍手〜。 井関徳兵衛は内蔵助の竹馬の友ですけれど 富十郎さんの井関徳兵衛はマサニ吉右衛門さんの内蔵助と竹馬の友であります。 上手いわ〜。 ここの玄関の場面で井関徳兵衛という人物をシッカリ客席に伝えてくれます。 息子、紋左衛門の隼人さん マダ声が高くって‘可愛い‘感じなのですが これが、無理をせずに‘相応‘の紋左衛門でありますので かえって最後に哀れを誘います。 優しくて一途な純粋な少年を好演していると思います。 第四幕:中座敷 短い時間ですが ここは芝雀さんに注目してしまいました。(笑) だって、ホントニ女形さんのいない舞台ですので 目を引くのでございます。 シッカリと落ち着いたおりくで、内にある‘覚悟‘が見えます。 松江さんがここでは岡島八十右衛門をお勤めですが、先の‘御用部屋‘の稲垣対馬守との演じ分けがよくできていたと思いました。 第四幕:元の玄関 再び、富十郎さんの上手さが出るところです。 吉右衛門さんとガップリで、篤いし深いし 幕切れ前の「通るぞ〜」って台詞が腹から絞るようです。 第五幕:赤穂場内表座敷竹の間 ここ、前にかなりインパクトの強い役で出ていらっしゃった歌昇さん、歌六さんが別のお役で出ていらっしゃいまして 見ている方が切り替えるのに戸惑ってしまいました。(^^ゞ で、こちらのお役も 堀部安兵衛、奥田孫太夫と知られるお役ですので 私には切り替えがチョッとしんどかったです。 第五幕:黒書院の間 ここでも政治に対しての表と裏の様なところからお話が始まります。 内蔵助を説得に来た縁続きの藩にしたところで それはそれで必死なわけで、しかたのない事の様にも思えます。 なので、だからこそ この後の内蔵助の行動が光って見えるのだと思います 本が良いのでございましょうね。 大勢が居並ぶ中での内蔵助は 依然まだ本心を完全に表していませんが 吉右衛門さんの内蔵助の中からは これからの行動への強い決意を見る事ができます。 血気に逸って安易な行動をすることなく 周りを見回して行動できる政治的な能力を持ちつつ なお、主君の無念を晴らす志を秘めている かなり凄いキャラクターを演じて見せきる吉右衛門さんの自力はサスガだな〜っと思います。 第六幕:赤穂城大手御門外 どこにも加わることのできない、井関徳兵衛の寂しさを富十郎さんが 慣れ親しんだ城の開城を寂しく見つめる内蔵助を吉右衛門さんが まだ、何もわからないうちから死を選ぼうと決めている寂しさを隼人さんが それぞれ伝えます。 何で、こんなことになったかな〜っと思うのですね・・・。 第六幕:赤穂城外往還 やるせない感じで、暗いんですよね〜。(^^ゞ 富十郎さんの井関徳兵衛が腹を切って「聞かせてくれ〜」って言うのが・・・「耳が聞こえなくなりそうだ、早く聞かせてくれ。」って・・・。 この人は武士なのね〜っと思うわけです。 不器用なんだなって。 で、これに答えて吉右衛門さんの内蔵助が「天下の御政道に反抗する気だ」と これを、この一言を言わせるのが今回の舞台だったわけなのですね。 これから花道7・3で一度舞台を振り返ってお城を見上げて泣き崩れる内蔵助ですけれど キット今までだって心の底ではズット泣いていたのだろうな・・・なんて思います。 今回は花道外だったので ここは吉右衛門さんの背中を見ていたのですけれど わりと、花道に近い事もあってよく見えたのですが かすかに震える両肩が、もうなんとも言えない感じです。 それから、ゆっくり立ち上がって 袴を少しはたいて スッと前を見据えて歩き出すんです。 この後の、大変さ難しさ苦難 そういった事への覚悟がクッキリ見えて超カッコイイです。 で・・・ここで‘内蔵助!大当たり!‘って声が掛ったのですけれど これってどおなのでしょうね? ‘播磨屋‘で良いような気もしますけれど? 私は、できれば黙っていて欲しかったです・・・。(^^ゞ |