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| 歌舞伎座 第三部 一階後方中央の席 |
*南総里見八犬伝 五幕十一場 |
南総里見八犬伝 犬山道節、網干左母二郎:三津五郎 伏姫、山下定包:扇雀 浜路、犬村角太郎:孝太郎 犬塚信乃:染五郎 犬川荘助:高麗蔵 安西景連の霊、犬江親兵衛:松也 犬飼現八:信二郎 犬田小文吾:弥十郎 犬坂毛野:福助 発端 第一場 房州富山山麓の場 舞台は房州富山の山麓 里見義実の娘・伏姫が 父・義実の約束に従い 敵将・安西景 連の首を持ち帰った犬の八房と共にこの山に入ってより 富山は立ち入る事を禁じられ ています。 敵を討ち取った里見義実でしたが この後、山下定包(さだかね)に滅ぼされてしまいま す。 発端 第二場 庵室の場 舞台は富山の山中にある伏姫の庵室 ここへ安西景連の亡霊が現れ 山下定包によって 里見を滅ぼし さらに、伏姫を苦しめると 怨念の言葉を残していきます。 すると伏姫は、景連の怨念によって八房の子を身籠ります。 驚く伏姫の前に現れた仙女天香(てんこう)は 身籠ったのは八人の勇士で、明神の数珠 の徳により 里見を再興するであろうと言うのでした。 折りしもここに里見の家臣・金鋺(かなまり)大輔が鉄砲を打ち込み 八房ともども伏姫も 打ち抜いてしまいます。 金鋺大輔はお家再興のため 伏姫を助けに来たのでした。 誤って伏姫をも打ち抜いてしまい驚く金鋺大輔に 伏姫は、先刻の仙女天香の言葉を伝 え 八人の勇士を捜すよう頼むと自害してしまいます。 この時、伏姫の持つ水晶の数珠は八方へ飛び去るのでした。 序幕 第一場 大塚村庄屋蟇六(ひきろく)内の場 舞台は庄屋蟇六の家 折りしも、代官・簸上宮六(ひがみきゅうろく)との祝言が決まった 蟇六の娘・浜路は 思いを寄せる犬塚信乃が、里見家の再興のため宝剣・村雨丸を滸我 成氏(こがなりうじ)に献上しに行くというので悲しんでいます。 犬塚信乃は里見家の旧臣の子で里見家再興を志しておりますが 以前は侍で犬川荘助 と名のった、蟇六の下男・額蔵と 文字が浮かぶ玉と同じ牡丹のアザがあることから 義 兄弟の縁を結んでいます。 信乃が部屋を立ち去り誰も居なくなったところへ 蟇六が現れ村雨丸の刀身を差し替えま す。 しかし、これを見ていた 代官・簸上宮六(ひがみきゅうろく)の居候で浜路との縁談を取り 持っている、網干(あぼし)左母二郎は 蟇六が居なくなった隙に さらに自分の刀と村雨 丸をすりかえてしまいます。 支度をして戻った信乃は、止める浜路を振り切って滸我成氏(こがなりうじ)のところへと旅 立ちます。 哀しみのあまり自害しようとする浜路を左母二郎が止め 共に信乃を追って行こうと言い 浜路を連れ出すのでした。 序幕 第二場 表座敷の場 左母二郎が浜路を連れ出したことが知れ 蟇六は下男に二人を追いかけさせます。 折りしも、ここへ代官・簸上宮六(ひがみきゅうろく)がやって来て 浜路が居なくなった事 を知ると怒り出します。 蟇六は先刻すりかえた村雨丸を差し出しますが これもまた、左母二郎がすりかえている ので偽物で 簸上宮六はますます怒り出すのでした。 二幕目 円塚山の場 舞台は円塚山、寂寞(じゃくばく)道人が行をしている祭壇前です。 ここへ網干左母二郎が 駕籠に浜路を乗せてやって来ます。 村雨丸を手にした左母二郎は 浜路も騙し、女房にしようとしますが それと知った浜路が 刀を抜いて斬りかかるので 逆に斬りつけてしまいます。 するとその時、祭壇の炎の中から寂寞(じゃくばく)道人が現れ 左母二郎を斬ると炎の中 に引き入れるのでした。 寂寞(じゃくばく)道人は里見家家臣の子で犬山道節、浜路の兄でありました。 浜路は兄・道節に村雨丸を犬塚信乃に渡して欲しいと頼み息を引き取ります。 折りしも ここへ、信乃を送ってきた額蔵(犬川荘助)が通り合わせ さらに、犬坂毛野 犬 田小文吾 犬村角太郎 犬江親兵衛らも現れますが 互いに気付く事もなく闇の中で別 れて行きます。 三幕目 第一場 滸我成氏(こがなりうじ)館の場 舞台は滸我成氏の館 馬加(まくわり)大記らが待つところへ 犬塚信乃がやって来ます。 しかし、信乃が村雨丸は掏り替えられてしまったと話すと 馬加大記らは信乃が敵だと言 い出し、捕らえようとするのでした。 信乃は 芳流閣の大屋根へ逃れ これを追って、滸我成氏の家臣・犬飼現八が芳流閣の 大屋根に上がります。 三幕目 第二場 芳流閣屋上の場 大勢の捕手をかわした犬塚信乃は犬飼現八と立合い 互いに芳流閣の下を流れる利根 川に落ちてしまいます。 三幕目 第三場 行徳入江の場 芳流閣の大屋根から落ちた犬塚信乃と犬飼現八は 運良く小船に落ち そのまま行徳入 江まで流されてきます。 舞台は行徳入江 ここに夜釣りをしに来た犬田小文吾が二人を見つけ 三人が互いに同 じアザ、同じ様に文字の浮かぶ玉を持ち 犬田小文吾と犬飼現八 犬塚信乃と犬川荘助 それぞれが義兄弟の契りを交わしていることがわかります。 するとここへ 出家して、ちゅ大法師と名のる金鋺(かなまり)大輔が現れ 伏姫と八人の 勇士の事を語るのでした。 折りしも 小文吾の父が、犬川荘助が浜路殺害の罪で火あぶりになると知らせに来たた め 三人は荘助を助けるため刑場へ向かいます。 三幕目 第四場 庚申塚刑場の場 舞台は犬川荘助が引き立てられてきた刑場 ここへ犬塚信乃、犬田小文吾、犬飼現八が 荘助を助けに現れますが 荘助の足元の薪に火が点けられ炎が上がります。 しかし村雨丸を持った犬山道節と犬坂毛野が現れ 村雨丸の威徳で雷雨が起き 燃え上 がる炎はたちまち消えるのでした。 荘助を助け出した犬士たちは捕り手を振り払ってこの場を去ります。 大詰 第一場 馬加(まくわり)大記館の場 舞台は馬加大記の館 かつての滸我成氏(こがなりうじ)の重臣・馬加大記は 今では天 下を狙う山下定包(さだかね)に従っています。 折りしも 宴席へ招かれた田楽一座の朝毛野を気に入った山下定包は 宴席の場を移す 事にして 朝毛野を伴って対牛楼(たいぎゅうろう)に向かいます。 大詰 第二場 対牛楼の場 舞台は対牛楼 ここで朝毛野は犬坂毛野であると正体を明かし馬加(まくわり)大記を討 ちます。 そうして犬山道節、犬坂毛野、犬塚信乃、犬飼現八、犬川荘助、犬田小文吾、犬村角太 郎、犬江親兵衛 の八犬士が現れ山下定包(さだかね)を取り囲みます。 犬山道節と天下を狙う山下定包は 後日、改めて戦う事を約束するのでした。 |
☆「南総里見八犬伝」は曲亭馬琴の原作で 歌舞伎では1834年に初演され 今回の舞台は1947年(S22)に渥美清太郎氏が脚色したものに今井豊茂氏が補綴したものだそうでございます。 で、ワタクシ的には「南総里見八犬伝」はNHKの「新・八犬伝」でございまして(^^ゞ 何が何でも、ここから抜けられないのでございます。(笑) 玉梓の怨霊が文楽人形の様に大きくてスッゴク怖かったのですけれど 一番好きなお人形でございました。 で、こちらで動画など見る事ができます。 八犬士と玉梓さんはいらっしゃるのですけれど なぜか、伏姫さんはおりません。(^_^;) 伏姫さんを御覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 っと、まあ舞台に あまり(まったく)関係のない事ではございますけれど“わたしのはなし”でございますから お許しくださいませ。m(__)m さて、今回の歌舞伎座の舞台ですけれど 3時間弱で五幕十一場でして 場が変わるごとに幕が引かれますのでお話が飛び飛びな感じです。 さらに 三幕目あたりからは それそれの場が盛大に盛り上がりまして 普段の上演であれば‘もうこれでおしまい‘になるような盛り上がり方をするのですが お話はさらに続くのでございます。(^^ゞ いえ、それが‘良くない‘っと言うのでは ケッシテございません。 ある意味、‘コレゾ歌舞伎の醍醐味‘でございましょう。 ストーリーでグ〜っと入り込めるのも歌舞伎ですけれど 見た目で絵になるのも歌舞伎でございますから。 ちなみに・・・二幕目のおしまい円塚山の場は‘早がわり‘と‘花道引っ込みの三津五郎さんの六方 ‘芳流閣屋上の場は‘大屋根での立ち回り‘と‘ガンドウ返し‘ 庚申塚刑場の場は‘スッポンからの出‘と‘立ち回り‘と最後が‘絵面の見得‘ と、なります。 六方で引っ込んじゃったら もう、おしまいでもいい感じでございましょ。(笑) とにかく、受けそうな事をかき集めましたって感じです。(^^ゞ なので もちろん、受けていました。 六方とかガンドウ返しとか一気に盛り上がりましたもの。 でも・・・チョッと 盛り上がりっぱなしって雰囲気もございました。 盛り上がるので 面白いのですけれど よ〜く見てみると筋書きを追っている展開になっていて あまり、中身に篤さ重さ思い入れの様なものがありません。 すらすらす〜っと進んでしまう感じです。 それを大盛り上がりで押し切ってしまっている舞台です。 ですが、面白いです。 13日の終演は9時25分でしたので初日の頃よりは 段取りが良くなっているのではないかと思います。 頻繁に幕が引かれるわりには それほど、気になりませんでしたから・・・ですが、もうチョッと上手い具合に場面が転換してくれると お話の流れが途切れずに見ることができたと思います。 発端 森の絵が描いてある道具幕の前で 事の経緯が語られて 幕を落として 庵室の場、になりますが ここの松也さんの安西景連の亡霊が低いトーンでなかなか良いのです。 こういうチョッと抑えた低いめの声はお父様によく似ていらっしゃいます。 それにしても・・・はなっから、すごくアダルトなお話でございます。(爆) 序幕 ここはチョッとつらかったです。 時より意識が遠のきました。(^^ゞ 二幕目 円塚山の場は、三津五郎さんと孝太郎さんの舞台で 三津五郎さんの早がわりがあります。 演技や所作を見るというより ドロドロドロの怪しげな雰囲気と早がわりを楽しむ感じです。 だって・・・各それぞれの場が短いんですもの・・・。(^^ゞ 三津五郎さんの左母二郎の‘したたかな悪い奴‘な感じが、とても良かったのですが とにかく、ジックリ見る間もなくドンドンお話が進んでしまいまして あれよあれよというまに 早がわりで道節になってしまいました。 三津五郎さんの道節も大きくて良かったですが やはり、左母二郎の悪っぽい感じが良かったです。 三津五郎さんも孝太郎さんも良かったので ここはもう少し深く見たかったです。 三幕目 滸我成氏館の場は、まあ 明るい奥殿の舞台です。 亀蔵さんが渋くていい感じです。 声が良いのですよね。 芳流閣屋上の場は、大屋根での大立ち回りで 屋根が斜めなので足場が斜めで、そこでの立ち回りはスゴク迫力がありました。 この立ち回りは第一部・慶安太平記での立ち回りとチョッと違っていて 下座に合わせて様式的に決まっていきます。 途中、はしごから転がってしまった捕手がおりましたけれど・・・大丈夫だったでしょうか・・・。 で、最後がガンドウ返し(強盗返し)です。 染五郎さんと信二郎さんが上に乗っていらっしゃるのですけれど ギリギリまで立っていらして最後にす〜っと滑っていました。 でも、かなりの高さですから怖そうだな〜。 行徳入江の場、ここは前の芳流閣の大屋根から滑った二人が小舟で流れ着いた所です。 見所は花道の引っ込みでございましょうか・・・。(^^ゞ だって、お話は捕まった仲間の犬川荘助を助けに行く事になった経緯が語られるだけなのですから。 弥十郎さん、染五郎さん、信二郎さん、お三人が花道に並びまして引っ込むのですが それぞれに順番に掛け声が掛かりました。 ピッタリの掛け声でした。 庚申塚刑場の場は、弥十郎さん、染五郎さん、信二郎さんに三津五郎さん福助さんが加わって立ち回りになり 最後が絵面の見得で決まります。 三津五郎さん福助さんはこの時はスッポンから出てきて 村雨丸を抜けば、にわかの水気で犬川荘助の処刑の火が消えるのですが 水気が舞台後方に白い紐の様な物がサッと幾本も下がって 綺麗でした。 大詰 馬加大記館の場は、扇雀さんが迫力があります。 いつもはあまり見ない感じですが 良いんですね〜。 で、ここは福助さんの見せ場です。 白拍子姿で舞います。 毛野は男ですが女装をしています。 なので・・・女装する男を演じる女形・・・です。(^^ゞ 面白いものでドカドカ男でいる時より、女装で女のふりをしている時の朝毛野の方が違和感がないのです。(笑) 対牛楼の場は、全員勢ぞろいで‘ここから先の決着はマタ後日‘って事で見得で決まって幕です。 この場の衣装が それぞれ皆さん違っていらっしゃって(あたりまえですけれど) 並んで決まると、とっても綺麗なのです。 着せ替えフィギュアが欲しいですね〜。(笑) |