2006年08月13日           もくじへ戻る トップページへ戻る 
    歌舞伎座 第二部   一階後方中央の席

  *吉原狐
    二幕三場
  *団子売
    竹本連中
    玉屋
    清元連中
    駕屋(かごや)
    常磐津連中


吉原狐
 おきち:福助
 お杉:扇雀
 花魁誰ヶ袖:孝太郎
 貝塚采女:染五郎
 越後屋孫之助:信二郎
 遠州屋半蔵:弥十郎
 おえん:橋之助
 三五郎:三津五郎

序幕 吉原仲之町中万字屋の二階座敷
  舞台は吉原中万字屋の二階 遠州屋半蔵の接待で旗本・貝塚采女が花魁の誰ヶ袖など
  と共に酒宴の最中です。
  しかしここへ、采女に嫉妬した 誰ヶ袖と良い仲の越後屋孫之助がやって来て騒ぎになり
  ます。
  孫之助が間に入った半蔵の話を聞き入れずにいるところへ 芸者のおえんが来て 無事
  に納めます。
  騒ぎの後で 采女が気分を変えようと 座敷に来る事になっている芸者・おきちは、まだ来
  ないかと尋ねます。
  おきちは腕は良いけれど そそっかしくてよく失敗をするので その噂話で盛り上がってい
  るところへ おきちがやって来ます。
  早とちりなおきちは おえんが悪口を言っていると勘違いして とうとう、おえんと喧嘩に
  なってしまいます。
  そのうちに おきちは、自分の早とちりであった事がわかりましたが おえんは怒って座敷
  を立ち去ります。
  別の座敷で飲みなおそうと 采女が皆と共に立ち去ると ひとり花魁・誰ヶ袖がおきちのと
  ころへやって来て 来月、年季が明けるので おきちの父親・三五郎に挨拶に行くと言うの
  でした。
  これを聞いた おきちは、誰ヶ袖と三五郎が良い仲だと勘違いするのでした。


二幕目 第一場 三五郎とおきちの家
  舞台は三五郎とおきちの家 芸者屋を営んでいる三五郎は、優しい人物で 今も、熱があ
  ると言う芸者見習いの娘に薬を与えたり 挨拶に訪ねて来た新内流しの夫婦に優しい言
  葉をかけています。
  この様子を見ていた仲働きのお杉が ここを出て親類の元へ戻ると言い出すのでした。
  三五郎とお杉は夫婦仲になっているのですが おきちの事を思い、二人の仲を言い出せ
  ないでいたのです。
  このままでは ここに居ることができないと言うお杉の話を三五郎が聞いているところへ 
  おきちが帰ってきます。
  おきちは お杉を使いに出すと 父・三五郎がかねてより後添えを迎えたいと思っていた事
  を知っていると話します。
  三五郎は 自分の気持ちを察してくれているおきちをありがたく思い また、今まで苦労を
  かけてきた事をすまないと思うのでした。
  三五郎とおきちの父娘が たがいを暖かく思いやりながら 以前の話などしていると そこ
  へ突然、貝塚采女が逃げ込んできます。
  采女は使い込みが発覚して追われているので一晩かくまって欲しいと言うのです。
  すっかり落ちぶれてしまった采女を見たおきちは 落ち目の男を見ると惚れてしまう性格
  が顔を出し 三五郎の止めるのも聞かずに 采女をかくまう事にします。
  おきちが采女を奥にかくまうと ちょうど、そこへ年季の明けた誰ヶ袖が三五郎に挨拶に来
  ます。
  誰ヶ袖が三五郎の後添えになるのだと思いこんでいるおきちは、二人の仲を取り持とうと
  するのですが 二人に話を聞けば また、おきちの早とちりであった事が知れるのでした。
  そこで 三五郎が良いチャンスとばかりに お杉を後添えに迎えたいのだと言い出そうとす
  るのですが またまた、おきちは早とちりで お杉が腹違いの妹だと思い込んでしまうので
  した。

二幕目 第二場 同じく三五郎とおきちの家
  舞台は数日後の三五郎とおきちの家 おきちは、ようやく落ち着き貝塚采女とも手が切れ
  た様子ですが 未だに、お杉の事は妹と早とちりをしたままです。
  折りしも、三五郎にお杉が身を引くと話しているところへ おきちが帰って来て、采女と手
  が切れた事を話します。
  するとここへ おきちを頼って采女が現れます。
  しかし すでに気持ちが落ち着いてしまったおきちが悪態をつくので 采女は怒っておきち
  に斬りかかろうとします。
  三五郎とお杉がおきちを庇うのですが 騒ぎの中 お杉は自分はおきちの妹ではない事、
  三五郎は後添えに迎えたいのはお杉である事を それぞれが話します。
  突然の事に驚くおきちでしたが これも早とちりが原因とわかり 二人を祝福するのでし
  た。
  すっかり 一人だけ取り残されてしまった采女は ここで思い立ったように、刀を振りかざし
  ますが 三五郎がこれを止めて、自らの過去を話し采女に意見します。
  采女は三五郎の話を聞いて あきらめたように立ち去るのでした。

  改めておきちは三五郎とお杉を祝福すると いつもの様に三五郎と 父娘そろって朝湯に
  出かけます。
  途中、店が潰れて落ちぶれた越後屋孫之助に出会いますが おきちは、もう懲りたと言っ
  て そのまま三五郎と楽しげに湯屋へ向かうのでした。






団子売
 杵蔵:扇雀
 お臼:孝太郎
  舞台はとある街角 ここへ団子売の夫婦・杵蔵とお臼がやって来ると 賑やかに餅をつ
  き、団子を作っていきます。
  続いて、杵蔵とお臼の手踊りとなり 賑やかな踊りを見せるのでした。
  楽しみのある踊りで納めると 二人は商いを終えてこの場を去ります。



玉屋
 しゃぼん玉売り:染五郎
  舞台はある夏の日の往来 ここへしゃぼん玉売りがやって来て 子供たちを集めると 
  しゃぼん玉を吹いて見せます。
  楽しくしゃぼん玉を吹きながら 玉尽くしを踊ると 今度は、蝶々の玩具を使って 蝶々売り
  の様子を見せるのでした。
  次には おどけ節に合わせて まぜこぜ踊りを踊り 次の場所へとこの場を去って行きま
  す。



駕屋
 駕屋三太:三津五郎
 犬:小吉
  舞台は川端の往来 駕の中で居眠りをしていた駕屋の三太が眼が覚めて 駕から飛び
  出せば 犬が三太の弁当を咥えて行こうとしています。
  驚いた三太は犬を呼び寄せ捕まえると ひとしきりかき口説き それから息杖を使って賑
  やかに踊ります。
  しかし、犬は三太の隙をうかがって再び弁当を咥えて逃げようとするので 息杖を振り上
  げ、三太は犬を追うのでした。




☆「吉原狐」は1961年(S36)初演で 作者の村上元三氏が十七世勘三郎丈にあてて書いた舞台だそうでございます。
 このお話、今回舞台で拝見いたしまして ケッコウ面白くて、後を引かない舞台なのですね。
 ですけれど どうも、上記1961年の初演以来 今回まで上演されていないようでございまして、45年ぶりの上演ということで なんだかもったいなかった感じでございます。(笑)
 なんで、今まで再演されなかったのでございましょうね。

 で、今回の舞台ですけれど チョッと見ていて全体的なお話の流れがイマイチすっきりしていないような気もいたしました。
 もっと上手くお話全体が整理されて 流れが良くなっていると 人情的な篤みが出てきたように思います。
 役の持つキャラクター的な面白さだけで舞台を引っ張りすぎると やはり奥行きが見えてきません。
 舞台を観ている時は笑えて面白いのですけれど 後に余韻が残りません。
 まあ、総じて面白かったとは思います。

 まずは、橋之助さんのおえん。
 綺麗でした。
 チョッと、大きかったですけれど 線が細くて、とても綺麗です。
 幕開きからしばらく、舞台中央に座って団扇など持っているだけでしたけれど 絵になります。

 で、福助さんのおきち これはピッタリでしたね。(笑)
 こういうお役は福助さん最高ですね。
 “え〜え〜〜”って耳に残ってしまいました。(^^ゞ
 ですけれど・・・このほか、何にも残っていなくて・・・。
 軽くて面白くて後を引かないのは良いのですけれど ホントニそれだけでございまして(笑) ‘あれ、なんだったかな〜‘っという感じです。
 福助さんの持ち味がとっても良く生きていた舞台ですけれど ‘そのまんま‘でもあるわけで ヤッパリ、少しもの足りない気分です。
 
 染五郎さん、ご苦労様でございます。(笑)
 後半、刀を抜いたままで 三五郎とお杉の馴れ初めなんぞ聞かされて
 “俺の事を覚えているか〜〜〜”
 客席、大うけでした。

 今回、拝見したところでは孝太郎さんの誰ヶ袖が 良い雰囲気でありました。
 一番‘歌舞伎らしい‘と言うか ‘範囲内‘と言うか ‘はじけすぎていない‘というか そんな感じです。

 まあ、総じてみなさんギャグ路線マッシグラって感じでございました。
 「平成の吉原狐」って ギャグコメディーって事なのでしょうか?
 最後に三津五郎さんが人情噺風にまとめますけれど それなら、やっぱりもう少しはじめっから奥行きを持たせないと コメディーで終わってしまいます。
 で、幕切れ前 花道7・3で おきちの福助さんと、三五郎の三津五郎さんが並ぶと やっぱり、どうも父娘に見えない感じなのです。(^^ゞ
 今回の舞台はとても面白かったですし 納涼歌舞伎ですから まあ、軽くても良いのかもしれませんけれど もっと、じっくり落ち着いた深みがあれば 人情噺風で、これからも楽しめると思うのですけれど。
 できれば、もう少し‘なんとか‘していただいて再演して欲しい感じでございます。(^^ゞ





☆「団子売」は1879年の初演で もとは、人形浄瑠璃の景事であったものが歌舞伎の舞台に移されたのだそうです。
 なので、この舞踊は竹本なのですね。
 歌詞を「音の会」のHP内の“音の会公演・第七回”で見つけました。
 歌詞についての説明も上部に書いてございまして 3パートからできているようで はじめの、餅をついて団子を作るあたりは
‘>臼と杵とは女夫(めょうと)でござる‘と杵と臼を夫婦に見立てての子孫繁栄の歌詞 
‘>お月様さえ嫁入をなさる。‘からが童歌風で‘十三七つ‘と続き
‘>高砂尾上の、爺様と婆様が箒を手に持ち・・・‘と 高砂、松、鶴、亀などおめでたい歌詞になります。

 で・・・肝心の観劇の感想なのですが、どうも幕開き間近から意識が遠のきまして(^^ゞ よくわかりません。
 m(__)m





☆「玉屋」は1832年初演で 四変化舞踊“おどけ俄煮珠取(にわかしゃぼんのたまとり)”の中の一つだそうでございます。
 玉屋というのは しゃぼん玉売りのことなのだそうですが しゃぼん玉って昔からあったのですね〜。
 で、江戸の頃から しゃぼん玉は‘夏‘の物で 今でも、夏になると子供たちが近所の駄菓子屋さんとかコンビニとかで しゃぼん玉を買ってくるのは 江戸の頃からすでにあった事だったのですね。(^^ゞ
 三津五郎丈の公式HPの‘演目豆知識・平成17年12月‘の書き込みにございましたが 江戸の頃の‘しゃぼん‘は、無患子(ムクロジ:羽付の玉です)、芋がら、烟草(エンソウ:タバコのことだそうです)などを焼いた粉を水に浸したものを使っていたようで 今の石鹸とはズイブン違うようです。

 すみませんm(__)m。
 「玉屋」も上記「団子売」に引き続いて 意識が戻ってまいりませんでした。





☆「駕屋」は1847年に上演された“十一段返しの舞踊「仮名手本忠臣蔵」の六段目”として上演されたのだそうです。
 で、これ よくわからなかったのです。
 なにせ地歌とか筝曲とか、自分でやった事がございませんから・・・。(^^ゞ
 さらには舞踊とも縁がございませんで “十一段返しの舞踊「仮名手本忠臣蔵」”が よくわかりません。

 曲の演奏の度合いを区切る‘段‘が複数段ある様な曲で 同拍数(同じリズム?)の段構造を持つ二つの段を合奏し それから互いのパートを交換して、二つの段を合奏する あるいは、二人の奏者がそれぞれ逆からの段を合わせる様な奏し方を どうも、段返しと言うらしいです。
 で、この時 同じ曲の段で段合わせをする場合と(逆から合わせる時の様にです) 異なる曲で合わせる時(打ち合わせ)があるそうです。
 イメージとしては同じ種類の楽器 例えば筝とかで合奏した時 和音の効果が大きくなって 派手な感じになるのかしら?っと思ったのですけれど・・・。
 で、‘十一段返し‘なので段が十一あって合奏できるように作られた曲の舞踊の六段目っと言うことでしょうか???
 調べている時に「仮名手本忠臣蔵俗曲十二段返し」というのを見つけまして これ、「日本舞踊の心」という本に演目解説などが載っているようでした。
 チョッと思ったこと・・・十二段で仮名手本なの???
 で・・・こちらは舞踊なので 1748年初演の人形浄瑠璃とは違うのでしょうね。

 ここで、ようやく意識が戻りまして 舞台を拝見する事ができました。(^^ゞ
 で、文句なしで‘これよ、これ!!!‘って観ていられた舞台です。
 三津五郎さん、きっぱりカッコイイです。
 着物を脱いで踊りますけれど 背中の火焔太鼓に不動明王の刺青が見えると客席から‘お〜‘って声が上がりました。
 これって着ているんですけれどね(笑) でも、カッコよかったです。
 着物を着ておりませんから 体の線がオモイッキリ見えます。
 ‘うかれ坊主‘より着ていないです。
 で、こちらはシャープです。
 スゴク体の線が綺麗なのです。
 チャキチャキ感がいいです。
 初舞台の小吉さんが犬のお役で出ます。
 とってもシッカリしていて振りも綺麗で可愛くて これから楽しみです。






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