2006年04月23日            もくじへ戻る トップページへ戻る 
    歌舞伎座 昼の部   一階後方花道よりの席

  *狐と笛吹き
    五場
  *高尾
    萩江社中
  *沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)
    一幕二場
  *関八州繋馬(かんはっしゅうつなぎうま) 小蝶蜘
    常磐津連中
    長唄囃子連中
    竹本連中


狐と笛吹き
 春方:梅玉
 ともね:福助
 秀人:我當

 一、真葛ガ原の森の中
  舞台は春の京・東山 若い楽人たちが桜のもと酒など酌み交わしていると 同じ楽人仲間
  の秋信がともねという女を連れてきます。
  楽人たちの中で 先ごろ最愛の妻・まろやを亡くし一人心優れぬ春方は ともねが亡き妻
  ・まろやに生き写しである事に驚きます。
  楽人の仲間がともねに舞を舞って欲しいと頼むのですが ともねと春方が舞ううち楽人た
  ちはこの場を去ります。
  ともねと二人になると 春方は亡き妻・まろやの話をはじめ 毎夜、まろやが琴を弾きに館
  へ戻ってくると言うのでした。
  これを聞いて、ともねは春方の笛のためにまろやが琴を弾くのだろうと励まし 清水の鐘
  が響く時分に近江国の家へと帰るのでした。


 二、春方の家
  夏のある日 春方のところへ同門で筑紫から戻ってきたばかりの秀人が訪ねてきます。
  ともねの事を知らない秀人は まろやの面影を求める春方に仕えているともねを見て驚き
  ます。
  春方はともねはまろやの面影だと説明すると 今度は、今年の豊明(とよのあかり)の節
  会での笛師に自分が選ばれそうだと話すのでした。
  よかったと喜んでくれる秀人に春方は これも、亡きまろやが 毎晩、笛の稽古のために
  琴を弾きに館へ戻ってきてくれるからだと言います。


  ちょうどここへ酒の支度をして ともねがやって来ます。
  春方と秀人は以前を偲び かつてのまろやの思い出話をするのですが ともねは春方へ
  の想いからこの場を立ち去るのでした。
  しばらくして清水の鐘が鳴り 亡きまろやの琴の音が響き始めます。
  春方はこれにあわせて笛を吹きます。
  合奏が終わると庭にいたともねが突然泣き出し庭から駆け去ってしまいます。
  ともねを気遣う春方は秀人を残し ともねの後を追うのでした。


 三、森の中
  舞台は、ある秋の日の森の中 ともねがまろやの琴を焼いて、形見の着物を近くで遊ぶ子
  供たちに与えてしまいます。
  ちょうどここへ春方が来るのですが ともねの様子を見て驚きます。
  泣いているともねから訳を聞けば ともねは、自分をまろやの面影としてではなく ともねと
  して想って欲しいと言うのでした。
  ともねの話を聞いて春方はともねと夫婦になろうと言うのですが 今度は、ともねが春方と
  は夫婦にはなれないと言います。
  いぶかしく思う春方が尋ねれば ともねは以前、春方が助けた狐の子で 一度でも夫婦の
  契りを交わせば死んでしまう掟があるのだと言うのです。
  はじめは驚く春方でしたが それでも、ともねを大切にすると誓うのでした。


 四、春方の家
  舞台は春方の家 ともねは春方の帰りを待っています。
  春方のともねに対する想いはとても深く ともねは、そのことで春方が掟を破ってしまうの
  ではないかと不安がつのるのでした。
  春方がともねに贈った檜扇を手に ともねは故郷の近江国へ帰ることを決心します。


  ところが ここへ豊明の節会の笛師に選ばれず、落胆して酒を飲んでひどく酔った春方が
  楽人の仲間に送られて戻って来ます。
  楽人仲間が帰ると春方は、笛師に選ばれたのは秀人であったことを話し それでも生きる
  望みを失わずにいられるのは ともねがいるからだと言うのでした。
  そうしてついに春方は掟を破る決意をします。
  ともねは春方の様子に戸惑いますが ついに掟を破ってしまうのでした。


 五、明け方近い森の中
  舞台は森の中 明け方近く、春方が姿の見えなくなったともねを捜しています。
  ふと見れば ともねの打掛と檜扇が落ちています。
  走りよる春方は打掛と檜扇の下に 子狐の姿に戻って亡くなっているともねを見つけるの
  でした。
  ともねは掟を破ったために命をなくしたのです。
  涙ながらに詫びる春方は子狐のともねを抱きかかえると ともねの故郷・近江国の琵琶湖
  に身を沈め共に死のうと歩きはじめるのでした。






高尾
 高尾:雀右衛門
  舞台は浅草・西方寺 ここに今は亡き高尾太夫の亡霊が現れます。
  高尾は苦界に身を沈めた身の上や廓勤めのつらさを舞で見せます。
  続いて、気分を変えて 四季の廓の様子を華やかに踊ると 間夫を持つ切なさを舞いま
  す。
  しかし、この世での様々な想いから 地獄にあっては責めの苦しみにあうのだと語り 姿を
  消すのでした。






沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)
 淀の方:芝翫
 秀頼:勘太郎
 石川銀八:国生
 正栄尼:吉之丞
 大野修理之亮:東蔵
 大蔵の局:秀太郎
 氏家内膳:左團次

  豊臣、徳川が争う中 千姫を助け出す企てがあったのですが これを淀の方が見抜きま
  す。
  怒る淀の方は千姫を責め ますます狂気へと落ちていくのでした。
  しかし正栄尼や大野修理之亮らは秀頼母子の命を助けようとするのでした。


 第一場 二の丸乱戦の場
  舞台は炎に包まれる大阪城です。
  徳川に内通する大住与左衛門が千姫を救出するために大台所に火をつけ それが燃え広
  がってのことでした。
  大住与左衛門が戦場で千姫を捜しているところへ 裸武者の石川銀八が徳川軍と戦いな
  がらやって来ます。
  しかし、多勢の前についに討ち取られるのでした。
  するとそこへ 梶の葉の局に連れられて千姫が逃げてきます。
  これを見つけた大住与左衛門は千姫を案内して城内を落ちのびるのでした。


 第二場 城内山里糒庫(ほしいぐら)階上の場
  舞台は城内の糒庫 ここに、戦火を逃れてたてこもる 淀の方や正栄尼、大蔵の局たちが
  おりました。
  ここへ大野修理之亮が駆けつけ、淀の方の狂気の様子を知るのですが なんとしても
  秀頼母子の命を助けたいと思い 淀の方の乱心を幸いに淀の方が徳川への降伏を認め
  たことにするのでした。

  戦火が糒庫にもおよび 淀の方を気遣う秀頼が氏家内膳を伴いやって来ます。
  しかし、淀の方は秀頼の顔さえわからず ますます心乱れるばかりです。
  思いあまった秀頼は淀の方の命を自ら奪おうとしますが 正栄尼や大蔵の局がこれを止
  めます。
  そうして 落ち着きを取り戻したかの様に見える淀の方に 秀頼は、潔く自害したいと申し
  出るのですが やはり淀の方の心は乱れたままなのでした。


  戻ってきた大野修理之亮が 徳川方に淀の方の降伏の意志を伝えたと報告します。
  これを聞いて怒る氏家内膳でしたが 大野修理之亮、正栄尼、大蔵の局らは豊臣家と
  淀の方のために開城するように言います。
  秀頼は狂気の中にいる淀の方を見て ついに、開城を決意するのでした。






関八州繋馬(かんはっしゅうつなぎうま)
 如月姫
 実は小蝶蜘の精
 実は土蜘蛛の精:魁春
 将軍太郎良門:仁左衛門
 伊予の内侍:時蔵
 源頼平:松江
 梅松:玉太郎
 小百合:東蔵
 萩作:梅玉
 藤内:吉右衛門
 源頼信:菊五郎

 第一場 頼信館の場
  舞台は源頼信の館 御台所の伊予の内侍は毎夜、胡蝶の夢を見るので病になってしまい
  ました。
  伊予の内侍を看病していた四天王の妻たちは、この話を聞いて不思議に思うのですが
  頼信は伊予の内侍の話から、小蝶という腰元のことを話します。
  小蝶は平将門の娘で兄・良門と共に天下転覆を企てていたが 頼信に心を寄せたことか
  ら斬り殺されたので その怨念から、御台所の伊予の内侍は病になったのだと言うので
  した。


  ここへ院の御所からの使いで如月姫が 病の伊予の内侍のために妙薬を持って現れま
  す。
  如月姫は伊予の内侍のために舞を舞います。
  そうして気分の良くなった伊予の内侍と頼信、如月姫の三人が舞うところへ 頼信の弟・
  頼平が現れ、院の御所には如月姫という名の女官はいないので 如月姫は小蝶の執念
  から現れたものだと言うのでした。
  実は如月姫は恨みを抱いて斬り殺され土蜘蛛の精が乗り移った小蝶でありました。
  正体を現した小蝶の怨霊・小蝶蜘の精は 蜘蛛の糸を飛ばすと伊予の内侍を取り殺し
  姿を消すのでした。


 第二場 葛城山麓の場
  舞台は葛城山麓 ここで里に暮らす藤内、子供連れの小百合、萩作が出会います。
  挨拶など かわすと野辺の風景に踊り始めるのですが ここへ里の子供が通りかかり里に
  蜘蛛や蝦蟇が出て騒ぎになっていると話します。
  藤内たちはこれを聞くと 先ごろ蜘蛛に取り殺された伊予の内侍の事などを話 恐れて
  この場を去って行きます。


 第三場 葛城山中の場
  舞台は葛城山中 ここに四天王を伴い 伊予の内侍を取り殺した土蜘蛛の精を追って頼
  信がやって来ます。
  さらに弟・頼平も良門追討のためにやって来ます。
  みながそろうところへ現れたのは土蜘蛛の精と将軍太郎良門です。
  土蜘蛛の精と将軍太郎良門は頼信たちを襲い、戦いとなるのですが 頼信が名刀・膝丸
  を抜くと 刀の力に土蜘蛛の精は押されてしまい 将軍太郎良門も四天王と頼信、頼平
  兄弟に囲まれてしまうのでした。




☆「狐と笛吹き」は北條秀司の作品で1952年(S27)初演の舞台で この時のともねが六世歌右衛門でした。
 北條作品ですので全体的に新しい感じの歌舞伎です。
 お話の元は「今昔物語」なのだそうですが 私、こういう感じのお話大好きでございます。
 と、言うより元々「今昔物語」が好きなのでございます。
 「今昔物語」って何でもありでしょ。(笑)
 狐だって、幽霊だって、百鬼夜行だって、まあそれはいろいろで でも、何だか人よりよほど人らしいとか・・・。
 なので、今回の舞台はあまり考えずに(笑)雰囲気で観て楽しんでしまいました。

 音楽が三味線ではありませんで琴でございます。
 なので、これだけで場内の雰囲気は違ってまいります。
 まず、幕開きスグ目に入ったのが春方・梅玉さんの衣装でございます。
 淡い玉子地に桜と柳(でございましょうか)の模様の衣装で とても素敵です。
 春夏秋冬でお話が展開するのですが 各場で春方の衣装が違います。
 いいな〜と思いましたのは 前記の春の玉子地の狩衣と二場の白地に紫の雲に鳥の模様の狩衣でございます。
 梅玉さんの春方は とにかく、上品で優しくていい人です。
 でも・・・最後は、もしかすると‘とんでもない‘のかな〜。(^^ゞ
 死んでしまうのがわかっているわけですし 酒に酔ってのことだったりもするわけですから。
 この感じ、‘とんでもない‘かもしれないけれど あっさり、そう思わせないのは たぶん梅玉さんのものでございましょう。
 人によっては‘押し倒してる〜‘ってなりません?(笑)
  幕切れ前、狐に戻って死んでしまったともねを抱いて「二人で湖の底から」って、さらさらっとすごいことをおっしゃる春方なのですが その覚悟が暗く重たく残らずにすむのは、やはり梅玉さんだからなのでしょう。
 筋書きにも‘清々しい気持ちになれるお役‘と書いてございますし・・・。
 たぶん‘清々しい気持ち‘なので 客席で見ていてもよけいな事が思い浮かばないのでしょう。
 実際、ほんとうに後に重たいものが残りません。
 見終わってとてもいい気分が残ります。

 元が「今昔物語」ですから 物語として見る事ができないと、舞台の雰囲気に乗りそこねてしまうと思います。
 春方はお話の中での‘物語の要‘だと思うので 春方が物語の中の人物になりきっていないと 妙に生々しいラストになってしまう気がいたします。
 春方というキャラクターそのものが 普通に見たらチョッと変なのです。
 亡くなった妻のまろやが毎晩、琴を弾きに戻ってくる・・・って、あっさりとおっしゃる、それが変に思えなくて そんなこともあるわけねっと思わせるのでございます。
 さらには狐と夫婦になろうとおっしゃる。
 それも、契りを交わすと死んでしまうことがわかっている狐と夫婦になると言うのですね。
 なのに、舞台を見ていてチットモ違和感なく‘物語り‘を観ていられるのは やはり、梅玉さんの技ありかと思います。
 梅玉さんの春方はとてもいい感じでありました。

 福助さんのともねは‘幼い系のかわいい‘です。
 この‘幼い系‘の感じはやはり福助さんだからではないかと思うので 私はケッコウ良かったと思います。
 ‘いまどきの娘‘なのでございます。
 このあたり、同世代の感覚でわりとすんなり見ていられました。
 それから、我當さんが 舞台を篤くしていたように思います。
 やっぱり、優しいです。

 で、舞台の三場で子供たちが唄っていた唄は梁塵秘抄の四句神歌で、たぶんこの唄ではないかと思います。
 ・・・・・舞え舞え蝸牛 
     舞はぬものならば 
     馬の子や牛の子に蹴させてん 
     踏み破らせてん 
     まことに美しく舞うたらば 
     華の園まで遊ばせん・・・・・





☆「高尾」は長唄のために作られた「高尾さんげの段」を萩江に移したものなのだそうでございます。
 と、言う事なので元は長唄なのですけれど チョッと地味な感じです。
 筋書きには‘萩江は長唄以上に繊細な節回しを用いるのが音楽的特色‘と書いてございますが このあたりはよくわかりません。(^^ゞ
 ただ、長唄より地味な感じでありました。

 高尾と言うのは吉原の傾城で、名跡が受け継がれたのだそうです。
 で、今回の舞台の高尾は二代目なのだそうです。

 とりあえず見た目で(笑)舞台は緑の楓の明るい舞台です。
 ストーリーは明るいものではありませんけれど 舞台は明るくて衣装も綺麗です。
 白地に楓の刺繍で ほんのり光の加減で淡い緑の楓が浮かびます。
 雀右衛門さんの動きに合わせてゆっくり衣装の模様も変わります。
 セリ上がりで舞台に出るのですが この時に‘ヒュ〜‘って怖い笛が鳴るのですね・・・亡霊ですから・・・。
 照明は明るいのですけれど ず〜んと重たくなるのでございます。
 でも、綺麗!!!
 さらに、いいところでバシバシ声がかかっていました。
 これって スゴク舞台が盛り上がります。
 あまり動きのない舞台でございましたので いいところで声が掛かるのは場内が盛り上がっていいです。
 掛け声の勝利〜って感じでした。(笑)
 いい掛け声でシッカリ拝見させていただきました。(^^ゞ





☆沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)は坪内逍遥の小説が原作の舞台でございます。
 初演は1905年(M38)ですが 今回の舞台の様な演出で上演されたのは1906年(M39)で この時、淀の方を演じたのが五世歌右衛門でした。
 もとは三幕六場の舞台で 片桐且元のお話が根底にあるのですけれど 最近の舞台では‘乱戦‘と‘糒庫‘の上演が多いようでございます。
 近年、通しでの上演はS51年の国立劇場だけのようでありますが 配役に且元の名がないので どのような感じの舞台であったのかしらと思います。
 下に↓あらすじを書いてみましたけれど このお話、且元をメインに観てみたい気がいたします。

 まず‘乱戦‘は、立ち回りがケッコウ大変かな〜と思いながら観ておりました。
 大人同士での立ち回りはともかく 相手が子供であったりすると感覚が違うのだろな、などと観ていて思いました。
 今月から梅玉さんの部屋子になった梅丸さん、幕開きのすぐ後でしたが頑張って立ち回りしていらっしゃいました。
 さらには、裸武者の国生さんの階段落ちは立派です!!!
 ちょうど観劇に行きましたのが23日でありまして五月人形を飾った後だったのですけれど コロコロ体型の国生さんはまるで五月人形のようでございまして なんとなく観ていて微笑ましくなってしまいました。
 ここでの大住与左衛門の信二郎さん、千姫の松也さんは まあ、とくべつ何があるといったことでもございませんので 雰囲気この様なものなのでございましょう。(^^ゞ

 で、‘糒庫‘は・・・チョッと(-_-;)でした。
 何と言うのか?なのですけれど・・・‘どうしたいのかな〜?‘なんて思ってしまいました。
 良かったのは芝翫さんの台詞で
 「六十余州はわらわの化粧箱も同然」
 っとキットしておっしゃるあたり カッコイイです。
 その後、淀の方はズット異次元に行ったままでございますし ほか、秀頼・大野修理之亮・大蔵の局・氏家内膳・・・イマイチ重みがないです。
 すすす〜って終わってしまいました。(~_~;)
 一つだけ‘わ〜‘っと思いましたのは 勘太郎さんの口跡がお父様にそっくりなのですね。(笑)


 「沓手鳥孤城落月」のあらすじを書いてみました。
 第一幕
 大阪城奥殿で淀の方は千姫救出のための企みを見破り、これを阻止します。
 この企てに怒る淀の方は千姫を責め、狂気をつのらせていきます。
 この様な状況の中 正栄尼や修理亮らは秀頼母子を助けようとするのでした。

 第二幕 第一場
 茶臼山の家康の本陣に 病の片桐且元が秀頼母子の助命のためにやって来ます。
 家康は且元の願いを聞き届け 助命の使者に且元を立てます。
 しかし、本多佐渡守と井伊直孝は秀頼母子を滅ぼす計画を立てるのでした。

 第二場
 乱戦の大阪城二の丸から千姫が助け出されます。(上記参)

 第三場
 場内の糒庫では淀の方が狂気となり、修理亮らの説得で秀頼は城を出ることを決めます。(上記参)

 第三幕 第一場
 本多佐渡守と井伊直孝は秀頼母子が城を出るのを阻止しようとします。

 第二場
 家康の使者として桜御門前まで来た且元でしたが 病のため先に進めなくなってしまいます。
 名代を立て使者に差し向け 且元自身も後を追います。
 しかし 井伊直孝の指示で、お庫に攻撃が仕掛けられ火の手があがり みな自害してしまいます。
 城内から火の手が上がるのを見た且元は秀頼母子助命の願いが消えたことを知るのでした。

 参考:カブキ101物語





☆「関八州繋馬(かんはっしゅうつなぎうま)」は1724年初演の全五段の時代浄瑠璃で近松門左衛門の舞台でございます。
 お話は、平将門の遺児・将軍太郎良門と妹・小蝶 対する源頼信と頼平の兄弟を書いたものです。
 しかしながら、初演以来再演される事がなく ようやく近年になり原作の四段目、五段目を中心に舞踊劇として再構成され上演されました。
 この復活上演での如月姫を六世歌右衛門が演じています。
 お話の感じは「土蜘」に似ています。
 女形の「土蜘」といった感じでございます。
 「土蜘」は松羽目物でありますけれど 「関八州繋馬」ははじめから歌舞伎の雰囲気で展開する三場の構成の舞踊劇です。
 なので、舞台も華やかな感じです。
 この舞台、全五段の時代浄瑠璃であることがわかっているわけなので 全五段の時代浄瑠璃として観てみたいな〜と思いました。
 浄瑠璃にのっての頼信や良門を観てみたいです。

 一場
 この第一場は頼信の館で 頼信と御台所の伊予の内侍のところへ、小蝶が如月という女官になりすましてやって来る場面です。
 小蝶・魁春さんは赤姫の装いで、舞扇を二つ持っての舞いの後で引き抜いて薄墨色の衣装で小蝶蜘の精に変わります。
 舞台は上手に竹本、下手に常磐津が出て掛け合いとなります。
 後半、小蝶蜘の糸がピュ〜っと飛んで面白いですけれど やはり女形さんですから全体に動きがユックリなんですね。
 スローモーションな感じでございます。

 二場
 ここは、吉右衛門さん梅玉さん東蔵さんと初舞台の玉太郎さんでの口上の舞台でございます。
 ここでも、梅丸さん台詞のあるお役で頑張っていらっしゃいました。
 お話の流れでは 踊りがあって、間狂言の感じです。

 三場
 二場の舞台に浅葱幕がかかりまして三場に変わります。
 舞台は長唄で、上からロウソク(電気でしたけれど)がたくさん下がっておりまして‘るり灯‘と言うのだそうです。
 歌舞伎の舞台ではチョッと古風な感じを演出したりする時に使うことがあるのだそうです。
 花道から四天王が登場いたします。
 衣装は大口袴で能風でございます。
 この四天王、歌昇さん信二郎さん松緑さん権十郎さんっと と〜ても豪華な四天王です。
 大詰で舞台にセリ上がりで 仁左衛門さんの良門、魁春さんの土蜘蛛の精が出て 舞台上手と花道と二ヶ所での立ち回りとなります。
 良門の仁左衛門さんもケッコウ普段はあまり見ない感じのぶっかえりのお役ですし 魁春さんの隈取りも凄かったです。
 筋書きに書いてございましたが 魁春さんが隈を取るのははじめてなのだそうで(まあ、女形でそんなにたくさん隈を取ることってないですよね)かなりインパクトのある土蜘蛛の精でありました。
 全体に舞台も美しいですし、立ち回りや蜘蛛の糸や、楽しめる舞台です。
 また今回は松江さんの襲名、玉太郎さんの初舞台でもございますので 舞台上の役者さんも豪華でございました。






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