2005年09月18日            もくじへ戻る トップページへ戻る
    歌舞伎座 夜の部   一階後方東の席

  *平家蟹(へいけがに)
     一幕二場
  *歌舞伎十八番の内 勧進帳
     長唄囃子連中
  *忠臣蔵外伝 
    忠臣連理の鉢植(ちゅうしんれんりのはちうえ):植木屋
     二幕三場


平家蟹(へいけがに)
 玉蟲:芝翫
 玉琴:魁春
 那須与五郎:橋之助
 雨月:左團次
  壇ノ浦の源平の合戦に破れた平家一門でございましたが これより少し前 義経が四国
  の屋島に攻め入った折の事でございます。
  平家方の一艘の小舟が檜扇をかざした上臈(身分の高い女官)・玉蟲を乗せ 源氏方へ
  向かってまいりました。
  玉蟲はかざした檜扇を的に射抜いてみよと源氏方に言います。
  これにこたえた者が那須与市とうい武士でございました。
  那須与市は見事に檜扇の的を射抜き 檜扇は夕日の中、海の波間へと落ちたのでござい
  ました。
  この檜扇こそが この後の平家の行く末を暗示するものであったのです。


  時は平家が滅んでしばらく後 生き残った平家の女官たちは海藻を拾ったり身を売ったり
  して命をつないでおりました。
  舞台は壇ノ浦に近い浜辺、ここに元平家の武士であり今は出家した雨月がやってまいり
  ます。
  雨月が浜辺で平家蟹を捕らえる子供たちに 平家が滅んでから後に現れるようになった
  平家蟹を逃がしてやるように諭しておりますと、そこに玉琴がやってきます。
  玉琴は生き延びるため身を売り さらに 客として来ていた、檜扇を射抜いた那須与市の
  弟・与五郎と末を誓う仲となったのですが これを知った姉・玉蟲が怒って勘当すると言っ
  ていると雨月に話します。
  雨月は玉蟲と玉琴のとりなしを引き受け 玉琴は気を取り直して帰っていくのでした。


  その夜のこと、姉・玉蟲の許しを得ようとする玉琴でございましたが 姉・玉蟲の怒りは強
  く 許してもらえそうにはありません。
  そこへ、与五郎の使いがやって来て玉琴は いそいそと出かけて行くのでした。
  一人残った白の小袖に緋の長袴姿の玉蟲が檜扇を手に外を見ると 庭にどこからともなく
  大きな平家蟹が幾匹も幾匹も現れ 玉蟲は平家蟹に亡き平家一門の人々の名で呼びか
  けるのでございました。


  そこへ玉琴が与五郎とともにやってまいります。
  与五郎は二人の仲を許して欲しいと頼み 玉蟲も二人と共に与五郎の本国へ来て欲しい
  と言います。
  これを聞いて玉蟲は二人の仲を許し 祝言の杯を交わすように進めるのでした。
  祭壇に捧げてあった神酒で杯を交わすと 玉蟲は祝の舞を始めます。
  ところが玉琴、与五郎は突然苦しみだし これを見た玉蟲は酒は源氏調伏を願った毒酒
  であったと言い 苦しむ二人を打ち据え とうとう玉琴と与五郎は息絶えるのでした。
  訪ねて来た雨月は息絶えた二人に手を合わせながら 生きながら魔道に堕ちた玉蟲を救
  う事はできないと言い残し去って行きます。
  一人になった玉蟲は どこからともなく現れた平家蟹に導かれるがごとく 波の底にも都は
  ある と水の中へと歩んで行くのでございました。






歌舞伎十八番の内 勧進帳
 弁慶:吉右衛門
 源義経:福助
 富樫:富十郎
  舞台は加賀国の安宅の関です。
  兄・頼朝に追われ山伏姿となって都を落ちる義経の一行を探し出すための新関で、富樫
  左衛門が番卒などを率いて現れます。
  そこへ 山伏姿の義経一行がやってまいりました。
  安宅の関を前に自害も覚悟する義経と、力づくで関を通ろうとする一行を押さえ 全て任せ
  るように言う弁慶でございました。
  弁慶は安宅の関で富樫と向き合い どうしても関を通さぬと言う富樫に怒り最後の勤めを
  するといい山伏一行と共に祈祷を始めます。
  その怒りと気迫に押された富樫は勧進のため関を通るのであれば 勧進帳を持っている
  であろうから それを読み上げるよう言うのでした。
  ありあわせの一巻を勧進帳に見立てて読み上げる弁慶。
  なお 不審に思う富樫はそっと近づき 弁慶の勧進帳を覗き込もうとするのでしたが・・・。
  とっさにしのぐ弁慶に 富樫は数々の問いを投げかけるのでございました。


  勧進帳の読み上げと問答により 関を通ることを許された一行でありましたが番卒の一人
  が義経を見咎めます。
  弁慶は疑われるのは不注意ゆえと 強力姿の義経を金剛杖で打ち据えますが富樫は聞
  き入れず 双方が攻め合いとならんばかりでございます。
  とうとう弁慶は強力を打ち殺すと言うと杖を振りかざすのでした。
  これを見て富樫は義経主従であると知りながら 山伏一行を通します。


  関を無事に通った一行はしばらく休息し、義経は弁慶の機転ある働きを褒めます。
  弁慶は関を通るためとはいえ義経を打ち据えた事に涙し詫びるのでした。
  けれど、義経はそのような弁慶の手を取り感謝し 弁慶はこれまでの義経との戦の日々を
  思い出し語るのでした。


  ここへ富樫が酒宴の支度をして現れます。
  弁慶は喜んで酒を飲み、延年の舞を舞い この間に義経一行を旅立たせます。
  一人残った弁慶は、富樫の情けに感謝しつつ義経一行の後を追うのでした。






忠臣蔵外伝 忠臣連理の鉢植(ちゅうしんれんりのはちうえ):植木屋
 小春屋弥七
 実は千崎弥五郎:梅玉
 おたか
 後にお蘭の方:時蔵
 植木屋杢右衛門
 実は竹森喜太八:歌六

 第一幕 浅草観音の場
  舞台は浅草観音の参道、小間物屋の前でございます。
  お昼時とあって杢右衛門たちは妹が持ってくる弁当を待っておりますが 弥七は恋仲の
  おたかを待っておりました。
  そこへ杢右衛門たちの妹が弁当を届けにまいりましたが 妹たちはどうも弥七が気になる
  様子。
  兄の杢右衛門や太四郎たちがいなくなると サッソク弥七を口説き始めるのでした。
  するとちょうどそこへ おたかがやってまいります。
  弥七の様子を見て怒るおたかでしたが 弥七は娘たちに立ち去るよういい、末を誓った約
  束を反故にする事はないと 機嫌を直すよう取り繕うのでした。
  機嫌を直したおたかは弥七と話しているうち 弥七のことを‘千崎弥五郎さま‘と呼びかけ
  ます。
  驚く弥七でございましたが おたかは弥七の浅草観音での願書に書かれた本当の名を見
  たのでした。
  弥七は仇討ちのため名を変え 師直の局の腰元であるおたかに近づいたのも師直の屋敷
  の様子が知りたかったからなのでした。
  弥七はおたかを殺そうとしますが その身を投げ出すおたかを見て本心を知り おたかの
  手引きで仇討ちをしたいと言います。
  何かよい考えを思いついたおたかは弥七と共に小間物屋の中へ入って行くのでした。
  しばらくして おたかが帰り杢右衛門がやって来ます。
  弥七が杢右衛門に師直の屋敷の様子を知る手立てができたと話していると 師直方に内
  通している太四郎と師直の家臣が打ちかかってきますが 弥七は二人を斬り捨てるので
  した。


 第二幕 第一場 染井植木屋の場
  舞台は秋、植木屋杢右衛門の家です。
  ここへ師直の愛妾・お蘭の方がやってまいりますが ちょうど居合わせた弥七は、お蘭の
  方を見て驚くのでした。
  弥七が見たお蘭の方は末を誓ったはずのおたかでございました。
  ですが、お蘭の方は弥七の事は知らないと言います。
  この様子に弥七は 自分との約束を違え師直の愛妾となったおたかを恨んで仕返しをしよ
  うとするのですが 師直の家臣・兵内に阻まれてしまうのでした。
  何とかその場を収めた杢右衛門に お蘭の方に茶を出すよう言われる弥七でしたが や
  はり自分を裏切ったおたかが許せません。
  仕返ししてやりたいと思うのですが これも杢右衛門に止められてしまいます。
  お蘭の方は杢右衛門に勧められて 奥庭の菊を観に行く事になり 弥七に案内を頼むの
  でした。


 第二幕 第二場 染井植木屋奥庭菊畑の場
  舞台は美しく咲く菊畑でございます。
  お蘭の方は折りしも聞こえてきた歌に寄せて 弥七のために師直の愛妾になった事を話
  します。
  ようやくお蘭の方の本心を知った弥七でしたが 時はすでに帰館の時となっております。
  お蘭の方は弥七に植木の代金と言って師直の館の絵図面を渡すと 駕籠に乗り覚悟の
  自害をします。
  気付いた弥七は驚きますが おたかに感謝し手を合わせるのでした。




☆平家蟹(へいけがに)は岡本綺堂作の新歌舞伎でございまして 草双紙をヒントに書いたお話だそうで 初演は明治四十五年でございます。
 
 舞台は壇ノ浦の合戦の後でございますので平安の終わり頃の事でございます。
 マズ、始まりますと場内真っ暗で、屋島での那須与市の物語が白石加代子さんの語りで始まり 舞台にはその時の様子が平家物語の絵巻で映し出されます。
 はっきり言って ここからすでにケッコウ怖いです。(^_^;)
 「百物語」の白石加代子さんでございますから それだけで十分怪談話でございましょう。
 普段、歌舞伎を観ていて音が生でないとかなり違和感を感じる事が多いのですけれど 今回スピーカーから流れる音でお話が進行してもほとんど違和感を感じませんでした。
 たぶん音が普段聞いている歌舞伎の下座音楽の音ではなくて 平家物語を意識した琵琶の音の感じであったからではないかと思います。
 で、場内が薄明るくなって舞台が壇ノ浦に近い浜辺に変わるのですが ここはもう歌舞伎の舞台でございます。
 この演出は芝翫さんの発案なのだそうですけれど とても入りやすくていいと思いました。
 で、この何気ないはじめの場面 浜で平家に仕えていた女官たちの落ちぶれてはおりますが現実を生きている姿を見ることで これから後の狂気な感じの舞台がズウット奥行きを増すのです。
 家へ戻った玉琴が与五郎の使いと共にいなくなって舞台に玉蟲だけになると もう現実に客席をとどめるものがなくなって ど〜っと妖しの世界にスライドして行きます。
 この妖しの世界、芝翫さんの迫力勝ちの舞台で とにかく芝翫さんの玉蟲が怖いです。
 玉蟲の衣装は白の小袖に緋の長袴で 宮中でもないのに、こんな格好でいることじたいがもうヘンなわけで 妖しげな雰囲気が漂うのです。
 わびしい家に一人残っているとどこからともなく、実際は家の下から太い差し金に付いたやたらと大きな蟹ですが 平家蟹が出てきて それに話しかける玉蟲の怖さといったら 土御門大路へ飛んで行きたくなるような怖さでございます。(^^ゞ
 後半、玉琴と与五郎に祝言の杯ごとと言って 祭壇から神酒を持って来て二人に飲ませるのですが じつは平家蟹の肉が入った毒酒でこれを杯に注ぐ時 神酒の入った入れ物(瓶子と言うのでしょうか?)を二人に見えないように顔の前で振るんですね。
 呪いをこめてというか、よく毒が混ざるように、といった感じで・・・。
 ‘怖いもの見たさ‘もありますし これだけ異質な雰囲気が舞台にあると かえって違和感なくズル〜ット入り込めます。
 苦しむ若い二人を激しく突き放す玉蟲の怒りの感情は さらに異質な狂気の雰囲気を増して 途中、雨月との会話でも途切れることなく幕切れまで続きます。
 現れた大きな平家蟹を追って水の中へ入って行くのですが かなりリアルに水しぶきが上がり 客席正面に向かって手を伸ばす玉蟲は イメージとして頭の中に絵が残るくらいスゴイ迫力でありました。
 ここ 客席にいてチョッと逃げ腰になるくらい芝翫さん怖いです〜。

 で、一人になった玉蟲が話しかける‘大きな平家蟹‘ですが 一階後方から見てもケッコウ大きく見えたので 実際はかなりの大きさなのではないかしらと思います。
 普通の差し金ではなくて モット太い差し金でワイヤーで操作できるようになっているそうです。
 家の下からゾロゾロ出てくるのですが かなり気味悪〜い感じで 蟹と言うより蜘蛛みたいと思ってしまいました。
 なんと言うのか‘SF巨大蜘蛛の恐怖‘みたいな感じです。(笑)

 魁春さんの玉琴、橋之助さんの与五郎は それぞれ‘若いふたり‘の感じで この話の中では‘現実‘でありますので ホッとできる存在でございます。
 とくに魁春さんの玉琴は可愛らしくて一輪の花です。
 ほか 左團次さんの雨月は 直接お話に絡んでくるのではありませんけれど さすが存在感があります。

 「人は心一つで鬼にも仏にもなるものなのだな〜」という舞台でございました。(^^ゞ





☆今月、期待の舞台はこの勧進帳でございました。
 ず〜と以前、玉三郎さんの義経見たさに観た勧進帳の舞台で 吉右衛門さんの弁慶にコロッとまいってしまったのでございます。
 以来、チャンスがあればど〜してもまた あの弁慶に会いたい!っと思い続けておりました。(笑)
 で、勧進帳は能の「安宅」を元にした舞台で 1840年七世市川團十郎の初演でございます。

 舞台は安宅の関でございまして、はじめに舞台に出るのは富樫でございます。
 鳴物を打ち上げて後 舞台に出てまいります。
 能を元にしているというのがわかっているからかもしれませんけれど とても緊張してドキドキしてきます。
 で、これから長唄の後に義経が花道に出てまいります。
 この長唄はとても有名な唄なのだそうで 聞きどころのひとつなのだそうです。
 確かに 富樫一行が舞台に出てから義経一行が花道に出るまでしばらくの間長唄が続き 花道も含めて舞台は動きません。
 これはチョッとこれから後も勧進帳を見る時は気を付けていようかな、っと思ったところでございました。
 義経、弁慶一行は 花道からの出になるのですが ここで義経から「いかに弁慶」と声を掛けられ はじめの一声が「は〜」とお腹に響くような重低音でございまして これから後の難関をひかえての緊張といった様なものが伝わります。
 あんまり 凄みのある低い声なので ワタクシチョッと怖くて鳥肌になってしまいました。(^^ゞ
 スゴイ存在感です!

 で、義経一行が舞台に上がり弁慶は下手の義経を富樫から隠すように二人の間に位置します。
 富樫は義経詮議のため山伏を通すことはできないと言い、これを聞いた弁慶は四天王と共に最後の勤めをするのですが このあたりから舞台の勢いはスゴクて 間口の大きな歌舞伎座の舞台がダンダン小さくなって、弁慶がグングン大きくなっていく感じです。
 か〜なり弁慶が目の前に迫ってきたところで 勧進帳の読み上げになるのですが ここは富樫と弁慶のやり取りがスゴイです。
 観ていて ワクワクするしカッコイイとも思うし なんともいえない快い緊張感に舞台を観ながらニヤニヤしてしまうのでございます。(^^ゞ
 何でもないように偽の勧進を読み上げる弁慶と そ〜っと覗き込もうとする富樫と・・・ うわぁ〜って思うところで、ガット偽の勧進帳を引き寄せる弁慶 ひるがえる富樫 なんて迫力のタイミングでございましょう。
 カット!決まります。
 ここの ありもしない勧進を流れるようにしかし気迫で読みきる弁慶と ス〜っとすべるように静かに近づく富樫 二人の対照がいいのです。

 この後さらに富樫と弁慶の山伏問答になるのですけれど ここは富樫の富十郎さんの口跡がすばらしいです。
 高いめのコーンっと突き抜けるような声が矢継ぎ早に問いを投げかけます。
 富樫の甲の声(高い音域の声)と弁慶の呂の声(低い音域の声)が舞台・場内をいきかいます。
 富樫が前に出れば弁慶がその分だけ下がり 弁慶が前に出ればその分だけ富樫が下がります。
 ジリジリとせめぎあう気迫と迫力が舞台からど〜っと客席に放たれる感じです。
 がんがんテンションが上がったところで 富樫が関を通る事を許して布施物の寄進となるのですが ここでいったんワタクシなどは客席の背もたれにふ〜っと落ち着くのでございます。(笑)

 ですが、休憩タイムはそれほど長くはございませんで 番卒に義経が見咎められて ここからまたど〜っと緊張が高まっていきます。
 どうしても関を通さないという富樫を前に弁慶は義経を打つのですが この時の「憎し憎し」とうい吉右衛門さんの弁慶の声が いまだに耳から離れません。
 一番はじめの「は〜」という重低音の声ではなく かなり高い声で内側にあるつらい部分を抑えながらの「憎し憎し」かと思います。
 うまく言えなのですが 泣きたいをこらえている感じでしょうか・・・。
 ここでも思ったのですけれど 同じ弁慶の呂の声でも その中で場面場面でテンションの上下によって声の高低がやはり違っていて その違いがあるのではじめの「は〜」とか、ここでの「憎し憎し」がはっきり耳に残るのだと思います。
 結局、富樫はこの山伏たちが義経一行であると気付いていて関を通す事になるのですが 上手に引くとき客席に背を向けるようにしてクット顔を上げます。
 すごくいいタイミングで 見えないから涙を思ってこちらが泣けます。
 理由なんかなくて 観ていて胸が詰まるものがあって泣けてきました。
 カッコイイ・・・。

 関を通った後、義経がようやく舞台前面に出てきます。
 私、ここの福助さんよかったと思います。
 もっと 細い感じと思っていたのですが そんな事はなくてシッカリした義経でありました。
 ただ、少し無理に声を作っていないかしら?っと思いましたが。
 再び富樫が舞台に出て 酒宴となります。
 じつはここの場面 私は吉右衛門さんの弁慶が一番好きなのでございます。
 これはもしかすると吉右衛門さんご自身のキャラクターなのかしらとも思うのですけれど どの弁慶よりオチャメでございます。m(__)m
 ただ忠義とかいう堅い感じのものではなくて 優しさとか、情とか、暖かさとか、そういったものが見えてきます。
 幕外の弁慶は 私が思いいれいっぱいであったのでよけいなのでしょうが 大きかったです。
 何度も観に行く事ができませんので他の日も同じであったかはわからないのですが この日は客席から声が掛かりまして これに答えるように一度止まって客席を見回してから 飛六方で入っていきました。
 花道って こんなに短かったけ?って思うほど弁慶はデッカクってカッコよかったです。





☆植木屋は1794年に初演されましたが この狂言の元になった舞台が大阪での初演であり、弥七が和事で演じる役でもございます事から 関西で上演を重ねてきた舞台でございます。
 あまり上演されなかった舞台でもありまして 和事の忠臣蔵の外伝ということもあわせて珍しい演目でございます。

 幕が開きますと舞台は浅草観音の参道ということなのですけれど なんだかやはり浅草・江戸と言う感じではございません。
 忠臣蔵の忠義の義士と じゃらじゃらしたつっころばしのミスマッチがおいしいのでございます。"^_^"
 はじめパンフレットなどを読みました時 梅玉さんと和事のつっころばし(チョッとどつくと、転びそうな感じの弱々しい役のことでございます)ってどんなんだ〜と思ったのでございました。
 ワタクシのなかの梅玉さんは青山播磨か秩父庄司重忠かといった役どころでございまして 弱々しいとはずいぶん離れておりましたので・・・。
 ですが いい男は、何をやってもいい男なんだよって見本のようでありまして 弥七がとってもいいんですね。
 え〜、私はじゃらじゃらした梅玉さん よかったと思います。
 小間物屋の前で言い寄る娘たちに‘御前が本妻、こなたが妾‘とか言ったりしているわけなんです。
 そのくせ おたかが来ると 今度はおたかなんですね。
 とんでもないと言えば そうなのです。(~_~;)
 ですけれど、弥七って娘たちとじゃらじゃらしているし 師直の愛妾になったおたかにはグチグチ言うんですが、それでも可愛い男に見えるし やはり義士・武士なのだとわかる時にはキッパリそのように見えるわけなのです。
 第一幕の最後・師直の家臣を斬るときの弥七は武士ですね。
 梅玉さんカッコイイのです。"^_^"

 第二幕・第一場の弥七はず〜っとふてくされて怒っております。
 お蘭の方・おたかが師直の愛妾になった事を怒っているのですけれど 気のまわらないことでございましょ。(まわったらお話になりませんが)
 その怒りようが なんともいえない感じで 和事でふてくされて怒りながら 時に兵内とぶつかるとパット切れる武士になるんですね。
 もしかすると 第一幕の最後もそうですけれど この切り替わる感じの変化は梅玉さんだからこそかしらと思いました。
 で、第二幕の最後になって‘あ〜やはりこのお話は忠臣蔵なのね‘っと思うわけでございます。

 時蔵さんはやはり女形で見たいな〜とあらためて思ってしまいました。
 やはり先月の桜丸がキイテおります・・・。
 で、おたか・後にお蘭の方でございますが 一本、筋が通っていていいとワタクシは思ったのでございますけれど。
 弥七に付き合ってじゃらじゃら口喧嘩などしておりますおたかでございますけれど やはりこのお話は忠臣蔵の外伝ということでございますので その部分がキッチリ一本通っている感じがいいと思ったのです。
 小間物屋の前で弥七に頼まれて 何とかしなければといった思いや、植木屋で弥七を前にお蘭の方でい続けるところなどは 幕切れへ向けての一本線でございましょう。
 それを通しておいて弥七に付き合う時蔵さんのおたかは やはり‘いいんじゃない‘と思うわけでございます。
 幕切れ前の自害に至って‘お〜このお話は忠臣蔵なのね!‘と納得するわけでございます。

 とにかく、この舞台はまた観たいです。
 変わっていておもしろいです。
 弥七の二面性みたいなものが楽しくて‘実は‘が生きている感じです。





 今回の席は一階後方東で少し柱が邪魔でした。
 できれば もっと東の方がよかったかな〜と思いました。
 ちょうど対角線に乗るあたり 座るのも楽ですし・・・(笑)






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